息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

人間失格

2012-04-24 10:22:46 | 著者名 た行
太宰治 著

どうにも自分が好きになれない。
これって昔からなのだ。
というわけで高校生の頃から時折読んでは、自虐な気分に陥る一冊。

よく言えばピュア、悪く言えば弱い主人公・葉蔵。
流されやすく人に影響を受けては失敗を続けるが、それを自分が
一風変わっていて普通ではないからと思っている。

イタイ。そうなのだ。若い日々誰もが陥る自意識過剰そのもので、
読んでもイタイものがある。
ダメ男なのが、いい男でもありモテる。
で、女に入れ込み自堕落になってしまう。最悪じゃん。

そう、最悪なのだ。自分で自分を見つけられず迷うがあまりに
精神病院に入院するところまで追い込まれる。
自らを養い、何とか生きていくという力に欠けており、
いつのまにかがんじがらめになっていく。

もつれにもつれた心。
自分自身のことなのにどうにもならないもどかしさ。
それを穏やかに処理することができない若さ。
しかしそれに同じ思いを抱く人は多いのだろう。
本書がロングセラーであるのがそれを証明している。

一度読んでみる価値がある。
しかし、詠んだ直後に感想を聞くことはできないなあ。
15年くらいたって熟成したところで、どうだった?と
聞いてみたい気がする。

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