息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

汚れた檻

2014-09-18 10:53:58 | 著者名 た行
高田侑 著

怖い。なんていうか、「黒い家」に近い感じ。むしろグロさとか後味の悪さとかは上を行くかも。

現状に満足できない、この先どうなっていくのか不安でたまらない。
今の世の中、誰しも抱くであろう想いをきっかけに、人をだましだまされて
罠に落ちていく主人公。
もともとは優秀とは程遠いけれど、気のいいごく普通の男性であり、
恋人や結婚相手はいないまでも、家族には恵まれている。
何十年か前なら、こんな感じでもどこかに職を得て、それなりに安定した暮らしが
できたであろうし、結婚相手を世話してくれる人もあって、豊かではなくても
ごく普通の家庭がもてたのではないか。
現に主人公の父親も、きちんとレールの上をまっすぐ走れるタイプではないが、
長年家庭を維持してきている。

しかし、いま、一度はまってしまった状況は逃れることを許さないのだ。
ちょっとした儲け話のつもり、割のいい話にのったつもりが、
いつの間にか犯罪に巻き込まれてしまう。
その先にあったのは地獄。

寝る前に読んだら悪夢確実。
救いのなさが怖さに拍車をかける。

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