息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

ケティ物語

2011-05-06 13:31:32 | 著者名 か行
 

スーザン・クーリッジ 著

「極北のおおかみ少女」と同じく、小学館少年少女世界の名作の16巻 アメリカ編の6である。
なぜ2つも画像があるかというと、左は外函です。
でも内側の表紙にケティがあり、これが好きだったのだな。

「すてきなケティ」など少しタイトルを変えたり、訳が変わったりして
いくつかの会社から出版されたようだ。
でも、私にとって、やはりケティ物語はこの本だし、挿絵は花村えい子で読みたい。

今思えば、文章は直訳もいいところでこなれていなかったし、異文化理解も十分とはいえず、
生活のシーンのあちこちで違和感があった。あとでほかの本で読みなおしたら、ようやく
理解できたことが多々あったくらい。
それでも、田舎の子どもだった私にとって、アメリカの白い家で暮らす少女は魅力だったし、
子どもに個室があり、メイドがいる暮らしは夢のように思えた。
ケティとクローバが寄宿学校に行くようすなどとても憧れた。
まあその後進学した高校には寮があり、夢は打ち砕かれるわけだが。

おとぎ話のような憧れを見せてくれるばかりではない。
この物語はブランコの事故で一時的に下半身不随となったケティの精神的成長の
物語でもある。キーパーソンとなるいとこのヘレンは、同様に体に障害をもつが、
教養豊かな女性で、ケティにとって生涯の目標となる。
治癒したのち、寄宿学校へ進学するケティはすでに落ち着いた大人の風格さえある。


このシリーズは国切りで、一冊にいくつものお話がはいっているのだが、
それが「シートン動物記」「密林の王者ターザン」ほか、である。
ジャンルもなにも無視。しかし当時の私にはそれがよかったかも。
そして、そのひとつ、「リップ・ヴァン・ウィンクル」はかなり好きだった。
山に入って、そこにいた不思議な人たちと遊んでいたら何年もたっていたよ、という
浦島太郎みたいな物語なのだが、その遊び「九柱戯」を想像して楽しんだ。
のちにTDLで「ビッグサンダーマウンテン」に乗ったとき、こんな山かな?
って思ったな。

小学館さん、ありがとうございます。このシリーズが私に与えてくれた知恵は
はかりしれない。
っていうか、今九柱戯を調べて、英語でninepinsって(そのまんまやん!)わかったわ。
しかもステーンの絵でどんな遊びかもより深く理解できたわ。
というわけで、現在進行形でおりこうにしていただいてます。

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