息をするように本を読む

初めて読んだ本も、読み返した本も、
ジャンルも著者もおかまいなしの私的読書記録
と、なんだかだらだら日常のことなども

木洩れ日に泳ぐ魚

2012-04-26 10:11:26 | 恩田陸
恩田陸 著

恩田陸の演劇ぽい作品のひとつ。
アパートの一室。別れを決意した男女二人だけが登場する
ほんの一晩の物語。

最後の夜を酒を酌み交わしつつ過ごす二人。
自然に話題は回想へとつながり、“ある出来事”について
話し始める。
それぞれが違う視点から話すうちに、そこに違う現実が
浮かび上がってくる。

どことなく心にひっかかること。
考え始めると離れられなくなり、さまざまな角度から
考えれば考えるほどに、大きな問題に思えてくる。
そんな感じの展開だ。

すでに別れが決まっているだけに、冷静さがある二人。
かけひきと探りあいとが繰り返され、仮定に仮定が重ねられる。
話の盛り上がりとクライマックスはまさに演劇的だ。

ただミステリではないと思う。
期待して読んだり、きれいなスッキリした結末を求めていると
ちょっとがっかりするかも。

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