風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

時差ぼけ

2010-05-01 10:45:05 | 永遠の旅人
 時差があるところへの旅では、時差ぼけ(英語でJet Lag)に悩まされるのが憂鬱です。
 東回りの移動では時差ぼけがひどく、西回りでは軽いと一般に言われるのは、東回りは地球の回転の先回りをして一日が短くなる(ヒトは早寝が得意ではない)一方、西回りは一日が長くなる(夜更かしは得意)せいだと説明されます。もし12時間のフライトで12時間の時差がある場所への移動があるとすれば、原理的に往復では差がないことになります。アメリカや欧州のように地球の反対側に旅する場合は、往復いずれにしても(多少の差はあれ)辛いものがあります。
 若い頃にはアメリカに2~3週間、更には1ヶ月位の出張を言いつけられることが多く、その場合には、覚悟を決めて、飛行機に乗った途端、腕時計の針を滞在先の時間に合わせ、気持ちも切り替えたものでした。そのために、敢えて出張前に夜更かしを続けて身体を疲れさせ、機内ですぐに眠りにつくというようなテクニックも使いました。今にして思えば若いからこそ出来た芸当だと思います。今では、不景気と言わず、出張日程を長く組むような悠長なご時世ではありませんし、仕事の性格も変わりましたし、年齢とともに柔軟性も衰えてきましたので、現地の時間に合わせる方が却って面倒で、覚悟を決めて、日本の時間帯を意識しながら、つまり日本の生活リズムを狂わせられているという意識をもち続けながら滞在するようになりました。
 今回の出張で、ダラスやシカゴでそうした話題になると、アメリカ人はごく当たり前にそう考えていることを知りました。そもそも彼らは生活第一であって、仕事の都合で生活のリズムを狂わせられることを酷く嫌う。それに合理的な彼らは、遠いところへ出張する折角の機会だからと、長めの日程を組んだり、必要な仕事プラスアルファのことも行動計画に入れるなどというような余計なことは考えない・・・彼らから聞いたわけではありませんが、概ねそんなところだろうと思います。必要な仕事が終わったら、さっさと出張を切り上げる。それは彼らのJob Descriptionが明確で、書かれていないことはする必要がないという発想に繋がっています。私自身は、むしろ日本のように、明確に定義されていなくても、互いの業務が重なり合って互いに助け合うというような曖昧さをもつ方が組織としては良いと思いますが、それは考え方の違いなので如何ともし難い。
 そうすると、時差ぼけと一言で曖昧に称しますが、何が辛いかと言うと、睡眠もさることながら、胃腸の方が辛くなります。尾籠な話で恐縮すが、私のように快食快便の習慣がある場合は、夕食の頃になると我慢がならなくなってくるわけです。アメリカでは、軽いディナーでさっさと切り上げられるので助かりますが、フランス人と長いディナーを取るような場合には、いったんホテルに戻って支度を整える必要があります。逆に言うと、遠くから来たお客様には、場合によっては、仕事が終わった後、いったんホテルに引き揚げてもらって、夕食時に再度ピック・アップするというような配慮が必要ですね。
コメント
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