私がブログを始めた理由はいくつかあって、基本的には日記代わりにその時々に思うことを書き留める記録であり、特にペナン(マレーシア)という馴染みのない、アメリカのように文明の層が厚く堆積するのではなく、極めて薄いベールのように軽く覆いかぶさるだけで、文化がそこかしこに透けて、時にほとんど露出している社会で生活することになって、大いに刺激を受けたという背景がありました。日々の驚きを綴っていたという感じが強い。シドニーに移ってからは、アメリカ的な文明社会に近く、ある意味で刺激に乏しいところではありますが、それでもアメリカやヨーロッパと違う辺境の視点が面白く、一種のミラーとしてそこに映して、日本のありようを外から眺める時間が多くなったような気がします。
ブログを始めたもう一つの大きな理由は、インターネットというメディアを知ること、そしてインターネット・リテラシーをあげることでした。同じ趣旨から先ず始めたアマゾンのカスタマーレビューでは、取り上げる本、書く内容によって随分反応が異なり、インターネットはまさにマスを対象にしているのだということを実感したものでした。その後、砂漠に水を撒くのは止めて、ある一つの植木鉢を育てることにしたわけですが、書く過程で、間違いを避けるため、ウロ覚えの情報を確認したり、様々な疑問を調べるためにインターネットを使う内に、その世界の奥深さを実感しました。決して特別な世界ではなく、所詮は人間の社会がヴァーチャルに広がっているだけですが、膨大な情報に触れ得ることの凄さと、自分が「目利き」にならなければならない厳しさというのが、私にとってあらためてインターネット社会の現実認識となりました。既存のメディア(編集者)の目利きとしての役割・存在意義を再認識・再評価するきっかけにもなりました。
これまで生活の一部としてインターネットに触れ合ってきましたが、シドニーの風を送ることも最後になりました。ネタ集めの視点で周囲を眺めることが日常となり、ネタに困って探し回るなんて本末転倒の時もありましたし(逆に使っていないネタがまだ残ってもいます)、特にこの半年ほど、仕事が苦しい時には、夜遅くまでムキになって書き続けたこともありました。初めの頃は、一般の方の目に触れることを意識して角が立たないよう多少は(かなり?)丸める努力をしつつ、それでも角が立つかも知れない曲げられない自分の「思い」は書いて来ました。最近は開き直って好き勝手に書いて、もしや気分を害されている方もいらっしゃるかも知れません、一介のサラリーマンの戯言とお許し下さい。こうして深夜にパソコンに向かってブログを書いていると、大抵はワインが入っていますので、いつの間にか誰かに問わず語りに語りかけるような、あるいは独りごちるような、不思議な感覚に囚われたものでした。それでも、それなりに自分に向き合える時間が持てたのは良かったかも知れません。ただ、こういう特殊な環境に身を置くからこそ、偉そうに「ペナンの風」だの「シドニーの風」などと言っていられるので、日本に戻れば、いつの間にか日本に染まってしまうのか・・・またいつかどこかで「風」を吹かせることが出来ればよいのですが。
最後に、この一年間で、一番のお気に入りの写真をご紹介します。ウルルの朝日です。ムスリムは夜が一日の始まりですが、私たち日本人にはやはり朝日が眩しい。昇る太陽の恵みを受けて、皆様に幸多からんことをお祈りして、筆を置きます。
ブログを始めたもう一つの大きな理由は、インターネットというメディアを知ること、そしてインターネット・リテラシーをあげることでした。同じ趣旨から先ず始めたアマゾンのカスタマーレビューでは、取り上げる本、書く内容によって随分反応が異なり、インターネットはまさにマスを対象にしているのだということを実感したものでした。その後、砂漠に水を撒くのは止めて、ある一つの植木鉢を育てることにしたわけですが、書く過程で、間違いを避けるため、ウロ覚えの情報を確認したり、様々な疑問を調べるためにインターネットを使う内に、その世界の奥深さを実感しました。決して特別な世界ではなく、所詮は人間の社会がヴァーチャルに広がっているだけですが、膨大な情報に触れ得ることの凄さと、自分が「目利き」にならなければならない厳しさというのが、私にとってあらためてインターネット社会の現実認識となりました。既存のメディア(編集者)の目利きとしての役割・存在意義を再認識・再評価するきっかけにもなりました。
これまで生活の一部としてインターネットに触れ合ってきましたが、シドニーの風を送ることも最後になりました。ネタ集めの視点で周囲を眺めることが日常となり、ネタに困って探し回るなんて本末転倒の時もありましたし(逆に使っていないネタがまだ残ってもいます)、特にこの半年ほど、仕事が苦しい時には、夜遅くまでムキになって書き続けたこともありました。初めの頃は、一般の方の目に触れることを意識して角が立たないよう多少は(かなり?)丸める努力をしつつ、それでも角が立つかも知れない曲げられない自分の「思い」は書いて来ました。最近は開き直って好き勝手に書いて、もしや気分を害されている方もいらっしゃるかも知れません、一介のサラリーマンの戯言とお許し下さい。こうして深夜にパソコンに向かってブログを書いていると、大抵はワインが入っていますので、いつの間にか誰かに問わず語りに語りかけるような、あるいは独りごちるような、不思議な感覚に囚われたものでした。それでも、それなりに自分に向き合える時間が持てたのは良かったかも知れません。ただ、こういう特殊な環境に身を置くからこそ、偉そうに「ペナンの風」だの「シドニーの風」などと言っていられるので、日本に戻れば、いつの間にか日本に染まってしまうのか・・・またいつかどこかで「風」を吹かせることが出来ればよいのですが。
最後に、この一年間で、一番のお気に入りの写真をご紹介します。ウルルの朝日です。ムスリムは夜が一日の始まりですが、私たち日本人にはやはり朝日が眩しい。昇る太陽の恵みを受けて、皆様に幸多からんことをお祈りして、筆を置きます。