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風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

MLB東京シリーズ

2025-03-25 06:24:35 | スポーツ・芸能好き

 3月18~19日に行われた、シカゴ・カブスとロサンゼルス・ドジャースの開幕シリーズは、連日超満員の観客が見守る中、大変な盛り上がりを見せた。今更言うまでもないが、開幕戦では今永昇太と山本由伸の日本人投手対決が演出され、第二戦では佐々木朗希のメジャー初登板が演出された。鈴木誠也はDHでフル出場し不発だったが、大谷翔平は第一戦でマルチ・ヒット、第二戦で今季第一号の「凱旋弾」を放って、今年の活躍を大いに期待させた。演出とは言え、日本人にとっては夢のような、あるいは漫画を見ているかのような、出来すぎの光景だった。

 日本人選手の動向ばかりでなく、両チームの主力選手とその家族の観光とグルメ探訪でも、メディアはオリンピック以来のお祭り騒ぎとなった。神社・仏閣の幽玄さや、ポケモンなどのソフトパワー、普通に街がキレイなこと、また、大谷翔平の奥方・真美子さんが贈り物に使ったと言われる代々木上原のeteの存在は知らなかったが、寿司やラーメン、コンビニのお握りやサンドイッチ、果てはチョコ・モナカ・ジャンボまで、日本の良さや美味しさを「発見」してくれるのは日本人として素直に嬉しい(毎度、胡散臭さを感じないわけではないが 笑)。米カリフォルニア州の地元放送局スポーツネット・ロサンゼルスの実況担当は、日本のトイレの多機能性と先進性を恋しがっているというが、これももはや定番だろう。

 こうしてカブスとドジャースの滞在期間は僅か6日間だったが、グッズ売上だけで約4000万ドル(約60億円)を記録し、全プラットフォームでの視聴者数は第一戦2,500万人以上、第二戦2,300万人以上に上り、昨春のドジャースとパドレスによるソウルシリーズの数値を700万人近くも上回ったらしい。MLBから見れば今回の興行は大成功で、日本人としてもメジャーの野球を目の前で観戦できるのは嬉しいが、ちょっと思うところはある。

 それはたとえば、時節柄、東大合格者ランキングで灘と開成が人数を減らし、優秀な人材ほどアメリカの著名大学に留学する「ドジャース現象」なるものが現れ始めた、などと伝えられることと関連する。確かに野球の世界では花巻東高校の大谷らの後輩・佐々木麟太郎が昨年、スタンフォード大学に進学したことが話題になった。一般学生はどうだろう。本来は官僚養成学校だった東大を卒業して中央官庁に就職するはずの学生が減っていることからすれば、野球と同じように日本の人気が地盤沈下しているというよりも価値観が多様化していると見るべきなのだろう。しかし、カブス対ドジャースの日本人選手の豪華な顔ぶれを見ると、月並みだが日本プロ野球に一抹の寂しさを覚えないわけではない。これも、メジャーの野球が普通に茶の間で見られるようになったのだから、価値観の多様化と言えなくはないのだが。

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