風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

ヨーカドーの苦境

2024-04-20 20:06:14 | ビジネスパーソンとして

 近所のヨーカドーに行って驚いた。ダイソーの占有面積が倍以上、フロアをほぼ覆い尽くすまでに拡大していたのだ。

 セブン&アイHDがイトーヨーカ堂を含むスーパー事業の株式を一部売却する検討を始めると報じられていた。GMSの苦境が伝えられて久しいが、ダイエー、マイカル、西友に続き、流石のヨーカドーもたち行かなくなったようだ。確かに、地下の食料品売場はいつ行っても混んでいるが、アパレルや日用雑貨売場は閑散としていて、ひとりダイソーだけが気を吐いている。

 スーパーや百貨店に限らず、総合と名のつく商社や電機は、かつては日本経済を牽引した。人材の流動性が低い日本では、社内に様々な事業領域を抱えることで、社内で人材移動しつつ、最適配置していたのだろう。風向きが変わったのは世紀が変わる頃だったろうか。カテゴリーキラーと呼ばれる専業メーカーや小売業が台頭し、総合を侵食し始めた。

 スーツや靴と違ってワイシャツにはこだわりがない私は、ヨーカドーのバーゲンを利用して来たが、最近はそんなPB商品の質の劣化が目に余る。もはや普段着を買うならユニクロに、電化製品ならヤマダやヨドバシに、小洒落た文房具ならロフトに行く。いつしかヨーカドーに行っても、ダイソーやユニクロやドトールなどの専門店にばかり足を運ぶようになった。スーパー事業の株式売却云々が生活実感に遅れをとったのは、ひとえにセブン−イレブンという稼ぎ頭があるからだろう。日本のコンビニの進化は素晴らしい。これも時代の流れであり、ヨーカドーは駅前の好立地を活かしてフロア貸しの専門店街として生きて行くしかないのかもしれない。

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ギャンブル依存症

2024-04-17 21:27:31 | 日々の生活

 ギャンブル依存症は病気だと頭では理解していたつもりだったが、甘かったようだ。水原一平容疑者が違法賭博を始めた2021年9月から2年余りの間に1万9千回、負けは実に4千万ドル(約62億円)に達し、大谷翔平の銀行口座から1千6百万ドル(約25億円)を盗んでいたことが判明した。新庄剛志もかつて22億円を騙し取られたという話が飛び出して、野球選手の金銭感覚には驚かされるし、一平容疑者は狙われたのだろうが、桁が違い過ぎて俄かに想像を絶する。

 東洋経済の記事によると、ギャンブル依存症(病的賭博)は医学的には脳の機能異常(刺激を受ける脳内報酬系の回路が鈍感になっているため、より強い刺激を求め、行動をコントロール出来なくなる)と考えられ、WHOも精神障害と認定しているそうだ。その特徴は、興奮を求めて掛金が増えて行く、止めようとしても上手く行かない、ギャンブルしないと落ち着かない、負けたお金をギャンブルで取り返そうとする、ギャンブルのことで嘘をついたり借金をしたりする、と、まるで今回の一平容疑者の陥った状況を代弁しているかのようだ。そんな依存症の疑いがある人が日本に3.6%もいるというから驚く。学生時代の40人クラスに1人はいた計算になる。しかもアメリカやフランスはその二分の一から三分の一というから、更に驚く。一体、日本人って…

 借金の肩代わりや尻拭いはイネーブラーと言われ、依存症がより深刻になる可能性が高いから、避けるべきで、寧ろ本人には「底つき体験」をさせることの方が真の手助けになるという。落ちるところまで落ちないと、「回復したい」「治療を受けたい」と思うようにはならない、と。翔平に25億円もの借金が出来た一平容疑者も、かくあって欲しいと思わざるを得ない。

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サクラ咲く

2024-04-14 22:50:26 | 日々の生活

 花の命は短くて、苦しきことのみ多かりき、と自らの半生を花に託して詠ったのは林芙美子だった。桜島に石碑がある。確かに先週末は満開だった桜は、この季節の気紛れな雨風に晒されて、今週末は葉桜に変わった。花にとっては過酷な季節である。

 だからであろう。咲き始めの可憐さ、咲き誇る華麗さ、散り際の潔さは、日本人の美意識を体現して、日本人にこよなく愛されて来た。

 そして、いのち短し、恋せよ乙女、とも歌われた(ゴンドラの唄)。紅き唇褪せぬ間に、熱き血潮の冷えぬ間に、明日の月日はないものを、と。人にもそんな季節があることを思い起こさせるかのように、この春もまた、桜は咲いてくれた。桜を眺めながら、人は何を思うのだろう。桜が愛される所以である。

 上の写真は先週末のもの。

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昨日のオオタニさん

2024-04-06 01:55:50 | スポーツ・芸能好き

 現地時間4月3日に地元ドジャー・スタジアムで行われたサンフランシスコ・ジャイアンツ戦7回に、ようやく待望の移籍後第一号ホームランが飛び出した。大谷らしい、打ってすぐにホームランと分かる、伸びのある打球だった。前回ブログでは、気持ちの切り替えはさすが、な〜んて褒めていたのだが、結局、開幕後8試合37打席ノーアーチで、この日の第四打席目、通算41打席目はメジャー移籍後の自己ワーストだった。

 新天地デビューという晴れの舞台で、ただでさえ緊張もするだろう。一平さんの違法賭博疑惑で気を揉んだ上、いつも影のように付き添ってくれていた彼がいないという勝手の違いにも戸惑いがあるだろう。そもそも右肘手術の後で、全く影響がないのかどうかも気にかかる。

 この記念球は、キャッチしたドジャース・ファンが、大谷のサイン入り帽子二つとバットとボールと引き換えに、戻してくれたそうだ(大谷と対面出来なかったと言って揉めているようだが)。鑑定士によれば実に10万ドルの価値があるのだそうで、サイン入り帽子やバットやボールはせいぜいそれぞれ千ドルだとか、大谷が放ったファール・ボールでさえ1万5千ドルで販売されているとか、記念球一つとっても話題になる。

 春先は距離感がなかなか合わないという、大谷にとってはいつもの問題に過ぎないという声もあるが、さて、これで大谷は"本当に"気持ちを切り替えられただろうか。朝、スポーツ・ニュースで大谷の活躍を確認して、その日の気分が良くもなれば悪くもなるというファンは、私も含めて一体何人いることだろう。いやはや、もはや有名税とは言え、大谷の一挙手一投足が人騒がせで、静かに野球を楽しみたい輩には、痛し痒し、ではある。

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