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風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

金正恩「今でしょ」

2018-04-28 13:55:12 | 時事放談
 昨日、南北首脳会談が平和裏に行われた。これから困難が予想される交渉の第一歩として、先ずはその無難な滑り出しを評価すべきなのだろうが、天邪鬼の私は(だけじゃなく世間の目も)冷たく、手離しで喜べないばかりか、いろいろイチャモンをつけたくなる。
 タイトルに書いたセリフは次のような状況で発せられた(セリフは日経新聞朝刊から)。金正恩委員長が南北境界線の縁石を跨いで、南北分断後、北朝鮮の最高指導者として初めて韓国の地を踏んだとき、文在寅大統領が「私はいつ頃(境界線を)越えられますか?」と問いかけると、金正恩委員長はすかさず手を差し出して「じゃあ今、越えてみますか?」と促して、二人手を繋いで仲良く縁石を越えて北朝鮮側の地に立ったという。今朝の「ウェークアップ!ぷらす」でMCの辛坊治郎さんがゲストの李相哲さん(龍谷大教授)に、韓国で男同士が手を繋ぐのってどうなんですか!?と聞くほど、二人の舞い上がった様子は、微笑ましいと言うより、やや演出がかって気持ち悪い(などと言うとは底意地が悪い 笑)。
 こうして北朝鮮を国際復帰させるために、と言うべきだろう、金正恩委員長の「親しみ」(木村幹・神戸大教授は端的に「話のできる相手」と印象づけることを狙っていた、と言われる)を演出する場面が随所にみられた。またしても日経から拾う。
 北朝鮮の核・ミサイル開発に触れて、金正恩委員長が「我々のせいで国家安全保障会議(NSC)に出るなどしたため早起きが習慣になったでしょう」と陳謝し、文在寅大統領が「これからは十分に寝たい」と応じると、金正恩委員長は「文大統領が徹夜しないで済むようにします」と殊勝に誓ったという。どう反応すればよいのであろう。昨年の度重なるミサイル試射と核実験の報道を半ば不安に半ば呆れた気持ちで見守った日本人とすれば、これを「雪解け」などと他人事のように能天気に形容することは出来ない。
 もう一つオマケ。首脳会談の冒頭、金正恩委員長はこう語ってみせた。「過去のようにいくら良い合意や文章が発表されても、きちんと履行されず、良い結果に発展しなければ、期待を抱いた方々をむしろ失望させる」と。もっともな話だ。過去に何度も反故にされた「核放棄」や「非核化」がCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)の形で実現することを、私たちは期待する。しかし金正恩委員長の頭にあるのは、かつて韓国が約束した経済支援のことかも知れない。少なくとも、独裁者の発言は、祖国・北朝鮮で如何様にも理屈づけられるように、曖昧である。語られた「非核化」の意味するところも明確ではない。
 全ては金正恩委員長のペースで進んだと印象を語る向きがあるが、文在寅大統領も望むところだろう。もとより気遣ったのは金正恩委員長に対してではなく、トランプ大統領に対して(それから俄かに北朝鮮の後ろ盾に成りおおせた習近平国家主席に対しても、かな)であろう。所詮は同床異夢の南北首脳だが、遅くとも6月初めまでの開催が計画され、今まさに事前の調整が行われ、更に言うなら、条件によっては気紛れトランプ大統領がそもそも席に着かない可能性もある米朝首脳会談への「橋渡し」としての南北首脳会談の位置づけを、双方が理解しているからに他ならない。
 今回、南北が合意した板門店宣言は、過去に2000年(このときの金大中・元大統領はノーベル平和賞を受賞した)と2007年(盧武鉉・元大統領の秘書室長として文在寅氏も関わった)の南北合意の焼き直しのようであり、新味はなさそうだ。そもそも朝鮮戦争の停戦協定は、国連軍の主力だった米国と中国・北朝鮮の三者間で調印されたもので(韓国は休戦に反対して署名しなかった)、平和協定に転換するためには米・中の関与が欠かせない。また経済協力面で南北が何をどう合意しようが、国際的な経済制裁が解除されないことには前に進めない。国際的な制裁は国連安保理で決議されたもので、常任理事国だけでも米・中に加えて英・仏・露が関わってくるし、非常任理事国も加えれば、まさに国際的な合意である。
 折しも、北朝鮮の船舶による所謂「瀬取り」を監視するため、オーストラリア軍とカナダ軍の哨戒機が沖縄のアメリカ軍嘉手納基地に派遣されることが報じられた。防衛省関係者への取材で分かったというが、米軍が中心となって北朝鮮の非核化に向けて圧力をかけ続ける狙いとは言え、日本を拠点に各国の部隊が活動するのは極めて異例だとNHKは報じている。南北が如何に宥和を演出しようが、これが今の国際社会の立ち位置の現実なのだ。まだ先は長い。
 昨日は、インド・モディ首相が中国・習近平国家主席を訪問している。日経新聞・朝刊には一切記事がなかった。これもまた、なんだかんだ言って朝鮮半島情勢に夢中になる日本の現実である。
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坊主憎けりゃ・・・

2018-04-24 22:55:28 | 時事放談
 ロイターが、資本金10億円以上の中堅・大企業542社を対象に実施(回答社数220社程度)した企業調査によると、「安倍さんが自民党総裁に三選されることが望ましい」との回答が73%、「次の政権も安倍首相続投による与党政権継続が望ましい」との回答が60%(安倍さん以外の首相による与党政権34%、併せて与党政権が望ましいとするのは実に94%)に達し、企業人にとって「政策が大きく変わらないことが経済の安定をもたらす」という意見に集約できるような結果には、私もつい納得するが、一般市民との間には随分、意識のギャップがあるものだと思う。評価するポイントが異なるのはまあ分からなくもない。中堅・大企業ならば、事業環境としての国際情勢にも関心が高いはずで、安倍政権の外交・安全保障面での堅実な運営は間違いなく好感されているはずだ(折しも、米誌タイムが毎年発表する「世界で最も影響力のある100人」の一人に安倍首相は選ばれた)。他方、一つウソをついたがためにウソを重ねるが如き印象を与えることに、一般市民は敏感に反応するであろうことも、想像に難くない。
 最近、このブログで内政をぼやくのを止めたのは、もはや呆れ果てて言葉にしたくないからに他ならない。ここ一年以上、モリ・カケ、最近はニッポーやセクハラの大合唱で、安倍降ろしにうつつを抜かしていると、さぞ中堅・大企業は恨めしく思っていることだろう。企業人にとって時間は最も大切な資産であり、おまけに最も税金を取られている層でもあって、国会を空転させるとは言語道断で罪深い。次も「与党政権」を望むのは94%と言ったが、さらに「与野党大連立政権」が4%と続くので、「野党中心の連立政権」に期待するのは僅か1%でしかない(その他1%で計100%)。如実に野党への不信感が表れているではないか(対して一般市民は、安倍政権への不信感を募らせている)。
 そもそもモリ・カケ問題は国会で国政に与かる高給取りの議員さんたちが寄ってたかって時間をかけて議論するような(というのは極めて穏当な言い回しで、端的に揚げ足取りの嫌がらせにしか見えないのだが)テーマとは思えないし(まあ嫌がらせをするから、安倍首相がイラついて墓穴を掘るという意味では、成果を挙げていると言えなくもない)、最近では「首相案件」という何でもない表現を過大評価しているし、所謂“忖度”が犯罪のように扱われ、その原因として内閣官房に幹部人事権が握られていることを匂わせることにも違和感を禁じ得ない(政治主導は与野党を問わず政治家のコンセンサスではなかったか)。ニッポー問題も、シビリアン・コントロールの問題にすり替える人がいるが、的外れで、知り合いの元・自衛隊幹部は、自衛隊を悪者にして・・・と激怒されている(因みに知り合いの元・防衛省幹部は、自衛隊から逐一報告を受けていたと明言されている)。セクハラ問題で、麻生副総理兼財務相の辞任要求が通らなかったことなどに反発して審議拒否とは、筋違いだ。野党議員は国会で議論もしないで、かつては安保法制反対デモに参加し、今は女性議員が黒服で“#Me Too”のデモンストレーションをするのも、どうにも筋違いだ。
 それもこれも、安倍首相の保守的な性格、とりわけ憲法改正を使命とすることに反発し、絶対阻止を決め込んでいるからとしか思えない。この点でサヨク・メディアと思惑が一致するようで、連携している。「安倍憎けりゃ麻生も憎い」、「麻生憎けりゃ(袈裟ならぬ)スーツも憎い」ってなわけで、アサ芸プラスは、「アッコにおまかせ!」(TBS系)が、G20に出席するため4月19日に成田空港から出発した麻生大臣のファッションに関して、「麻生大臣のスーツに隠された秘密を知る人物」として、大臣行きつけのテーラーに直撃取材し、3カ月に一度のペースで来店していると紹介した上、その取材内容を説明するパネルで「35万円ほどのオーダーメードスーツを2〜3着」という箇所を黄色地に赤い文字で強調して、高過ぎる(?)ことにどうやらケチをつけたかったらしいと、嘆いている。アサ芸プラスの記事は、当のTBSの経営陣はおいくらのスーツを着ているのか、包み隠すことなく明かしてみれば、視聴者も納得するのではないだろうか、と結んでいるが、いやまあ余計なお世話で大人げなくて、どう反応してよいのやら二の句が継げない。
 緊迫する朝鮮半島情勢といい増長する中国といい、日本を取り巻く戦略環境は激変の時代だ。中堅・大企業ならば、野党議員が平然とプライオリティを間違えていることに、我慢ならないことだろう。
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北の核保有国宣言?

2018-04-22 15:43:48 | 時事放談
 北朝鮮の金正恩委員長が核・ミサイル実験中止などを発表したことについては、昨日は産経Webから号外が出るなど注目されたが、よくよく読むとさほど驚くにはあたらず、一日経つと冷静な記事が出るようになった。確かに核・ミサイル実験中止は米中協議が目指す非核化議論の前提であり、信頼醸成措置として前向きに評価する向きがあるものの、日・米がかねて主張してきた「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(=Complete, Verifiable and Irreversible Dismantlement (of nuclear weapons)、略してCVIDと呼ぶらしい)」の履行を保証するものでは一切ないと言われればその通り。それでも朝日新聞社説は「国を指導する朝鮮労働党の中央委員会の決定として、自ら公表した」ことから、「今回は特別な重みを持つ」と持ち上げるが、産経新聞社説は「『核保有国宣言』に他ならない」とずばり本質を衝いて手厳しい。今回、ことさらに廃棄を決めたと宣言する豊渓里の核実験場だって、昨年9月の水爆(とされる)実験でダメージを受け、これ以上の実験には耐えられず、さらに実験を強行すれば坑道が崩落し放射性物質の拡散が起きる恐れがあると分析されているシロモノである。
 トランプ大統領が4日ほど前、米朝首脳会談の見通しについて、朝鮮半島の「非核化」という目標が達成できないと判断すれば、会談の途中でも協議の席から離れるとの姿勢を強調したことに反応したのかも知れないが、むしろ韓国のある大学教授が指摘するように、今週行われる南北首脳会談を前に韓国世論を味方につけ、会談でより多くの成果を得ることを狙った、韓国向けメッセージだったのかも知れない。
 韓国・文大統領にとっては、金正恩委員長が1月の「新年の辞」で南北関係改善に意欲を示したことに反応して、韓国は北朝鮮の平昌五輪参加や芸術団派遣などに応じて対話を進め、今回、金委員長自らが核・ミサイル実験中止を表明するという形で返してきたと肯定的に受け止めているようだ。このあたりは、金正恩委員長の思うツボ、描いたシナリオ通りに進んでいるのだろう。米国の専門家を中心に、北朝鮮の核・ミサイル開発には、依然、核弾頭の小型化やミサイルの大気圏再突入技術に課題があると指摘されながらも、北朝鮮は自ら昨年11月末の大陸間弾道ミサイル発射実験成功により「国家核戦力完成」を早々に宣言し、もはや核・ミサイル実験は必要なく、いよいよ3年目に入った国家経済発展5カ年戦略に邁進するという自国民向けストーリーでもある。その障害の一つとなっていた核・ミサイル開発(のための投資)を凍結し、もう一つの障害となっていた国際的な経済制裁の包囲網を、先ずは韓国を手懐け、次いで中国を後ろ盾にし、ようやく米朝首脳会談という正面突破に漕ぎ着けて、解除しようとしている。そこで体制保証をとりつけ、国際社会に復帰することを目論んでいるのであろう。そのときに「核保有国」の看板に固執するのかどうか。
 冷静に考えれば、北朝鮮のGDP規模は(大きく見積もっても)韓国の50分の1に満たないと言われる。米国に至っては、韓国の12倍以上(名目ベース)だから、北朝鮮とは実に600倍以上の開きがある。強大な米軍の力を以てすれば北朝鮮などひとたまりもない。それでも僅かばかりの(しかも不完全な?)核とミサイルを武器に、対等の交渉に臨もうとしているのだから、金一族にとっては間違いなく千載一遇のチャンスである(相手がアメリカ大統領の地位やプライドに拘泥せず、予測不能なトランプ氏だからこそ、であり、韓国が北に甘い左派政権だからこそ、であるが)。一方、交渉に絶大な自信をもつ(しかし、昨年のシリア攻撃にはびびったとされる所詮は不動産セールスマンの)トランプ大統領は、秋の中間選挙に向けた一つの大きな成果を掴むべく、歴史を動かすことが出来るかどうか・・・かかる巡り合わせから、ちょっと期待させる状況ではある。

(補足)
 因みに、核放棄の方式に関していくつかの先例がある。先ずは南アフリカの「自己解体型」で、アパルトヘイト政策で制裁を受ける中、1989年に就任したデクラーク大統領は、人種隔離と核開発の双方の終結を決断し、核兵器を解体させて核拡散防止条約(NPT)に加入した(しかし、金正恩委員長はそんなタマではないだろう)。次いで、旧ソ連崩壊で旧ソ連の核を引き継いだウクライナは、1994年のブタペスト覚書により、NPTに加盟し核兵器をロシアに移送することと引き換えに、署名国(当初、米・露・英、後に中・仏が加わる)から安全を保障された(後にロシアからはクリミア併合で踏みにじられたが)。さらに、現在進行中なのがイランの核開発合意(JCPOA)で、国連安保理・常任理事国5カ国とドイツに、国際原子力機関(IAEA)が加わって、核開発を凍結し監視を強化する作業計画が策定され、今まさに履行中である(但し、トランプ大統領は生ぬるいと、見直しを主張している)。最後に、アメリカの国家安全保障担当大統領補佐官に就任したボルトン氏が主張している「リビア方式」(「米・英解体型」とも言われる)で、カダフィ大佐が米・英両国との秘密交渉を経て2003年12月に核放棄を宣言したことを受け、IAEAが査察入りし、米・英の専門家が核施設を解体し、機材は米国に引き渡された(後のカダフィ大佐殺害の悲劇は、核放棄がもたらす失敗の教訓として、北朝鮮が肝に銘じているところ)。北朝鮮が中国を後ろ盾にしたのは、「リビア方式」を警戒し、「段階的な非核化」を探るものと見られ、交渉は難航することが予想される。
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懐かしのボストン・マラソン

2018-04-18 00:17:50 | スポーツ・芸能好き
 昨日、米国マサチューセッツ州はパトリオット・デイの祝日(4月の第3月曜日)で、毎年、世界最古のマラソン大会であるボストン・マラソンが開催される。
 今年の大会は第122回で、あの市民ランナー・川内優輝が2時間15分58秒で初出場初優勝した。日本人としては、昨年、大迫傑が初マラソンで3位に入って注目されたが、今年の優勝は、1987年大会の瀬古利彦さん以来、実に31年振りらしい。記録がぱっとしないのは、メジャーリーグの試合が中止になるほどの季節外れの異常な寒波に襲われて、レース前から大雨と強風が吹き荒れ、気温は氷点下、コースには大きな水たまりができる最悪のコンディションだったせいでもありそうだ。ところが暑さが苦手の川内にとっては「最高のコンディションでした」(本人談)というから、呆れてしまう(笑)。中盤からは昨年の優勝者ジョフリー・キルイ(ケニア)が独走態勢で、35キロ地点では1分30秒あった差を残り2キロで逆転し、逆に2分25秒差をつける圧勝だったという。実業団に属さない市民ランナーで、この走りっぷりは相変わらず大したものだ。
 このボストン・マラソンは年齢別に資格タイムをクリアしていなければ参加出来ない、エリートランナーの大会だ。そこで、1995年と1997年の二回、ボストンに住んでいた私は、日本人の同僚とともに手造りのゼッケンをつけて、資格ランナーの後ろを金魚のフンのようにくっついて、勝手に走ったことがある。今はどうか知らないが、当時はそんな資格なしの不届き者が1万人ほど、野放しで、鷹揚な大陸国アメリカらしい呑気なものだった。この内、1995年は私にとって記念すべき人生初マラソンで、そのくせロクに練習もせず、安い運動靴で走って、足の裏はマメだらけ、膝はガクガク、立ち止まると二度と走れないのではないかと痛みを堪えながらも、よたよたと走り続けることが出来たのは、若さ故だろう。高校時代に陸上部だった当時の意識のまま殆ど給水しなかったら、汗が出なくなって、脇の下や股間がミミズ腫れになって往生した。コースは全般的に緩やかな下りなので、油断していると、30キロ過ぎたあたりに「心臓破りの丘(Heart-break Hill)」が待ち構えていて、マラソンで試練となる30キロ過ぎにあるからこそこの異名がある上り坂がきつかったのを懐かしく思い出す。
 1996年は第100回記念大会で、歴代優勝者が招かれる言わばお祭りだったので、走るのはやめて応援に回った。君原健二さんの姿をみつけたので名前を呼んで応援したら、驚いて振り向かれたのは、まさかボストンの片田舎で自分のことを知っている日本人がいるとは思わなかったのだろうか。因みに君原さんが優勝したのは1966年の第70回大会で、Wikipediaには1位から4位まで日本人選手が独占したとある。古き良き時代だ。ボストン・マラソンでの日本人優勝第一号は田中茂樹さんで、戦後間もない1951年の第55回大会のこと、当時は指又のある地下足袋型シューズで走って、ゴール直後、外国人の新聞記者から「日本人の足の指は2本しかない」と驚かれたというエピソードを聞いたことがある。聞いたこちらが却って驚くほど、のどかな時代だ・・・。
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シリア攻撃

2018-04-15 23:37:46 | 時事放談
 シリアのアサド政権が化学兵器を使用したことへの報復として、米・英・仏3ヶ国は関連施設3ヶ所にミサイル100発以上を撃ち込んだ。
 化学兵器の使用は卑劣だ。安上がりで技術的に製造しやすく発見されにくい、それでいて被害は甚大で「貧者の兵器」と言われ、核兵器などと並ぶ大量破壊兵器として国際条約で禁止されている。化学兵器禁止機関(OPCW)は2016年1月にシリアの化学兵器廃棄の完了を宣言したが、その査察前にアサド政権は一部を隠したという元シリア軍高官の証言が報じられていた。
 昨年4月に続く攻撃は、有言実行を旨とし、(化学兵器使用に報復することを躊躇した)オバマ前大統領との違いを強調するトランプ大統領としては避けられないものだったが、国防総省によれば、「一回限り」のものといい、シリアの化学兵器関連施設に対する「精密攻撃」であって、シリア国内に展開するロシア軍部隊など外国人兵士の被害を避けるよう配慮したと説明しており、さらにロシアには専用回線で攻撃を事前通告したとされ、ロシア軍との正面衝突はおろか偶発的衝突をも避けるために慎重を期したことが窺われる。国営シリア・アラブ通信(SANA)は、米・英・仏の攻撃を「甚だしい国際法違反」と非難するが、そもそもアサド政権による反体制派地域の住宅地に対する樽爆弾やミサイルなどによる空爆あるいは無差別砲撃こそ戦争犯罪であって、米国として介入による泥沼化は避けつつも牽制する意図はありそうだ。
 今回は米国単独とはならなかったのは意外だった。「何の咎めもなく化学兵器を使えると思わせてはならない」と説明するメイ英首相の念頭には、化学兵器が使われたとされる元スパイ(ロシア情報将校)襲撃事件が、さらにはサイバー攻撃や選挙介入などで欧州への攻勢を続けるロシアへの反発があり、強硬姿勢を示すことで、BREXITで地盤沈下が懸念される英国の存在感を誇示する意図もあったことだろう。ただしシリアの体制変換を目指すものではないと断っており、この点では慎重だ。マクロン仏大統領も、化学兵器を使用した民間人虐殺を非難しつつ、シリア攻撃は化学兵器施設を対象とした限定的なものだと説明し、事前にプーチン大統領と電話会談して、国連安保理でのロシアの拒否権行使に遺憾の意を示しつつ、シリア安定化でロシアに協力する意欲を伝えるなど、人道的介入での存在感を示しつつ、周到だ。
 それぞれの思惑が渦巻くが、忘れてはならないのは、北朝鮮との関連である。かねてシリアの化学兵器には北朝鮮の関与が噂されて来たという因縁もある。
 昨年4月のシリア攻撃は、米中首脳会談中に行われ、北朝鮮が核・ミサイル開発を放棄しなければ実力行使をも辞さないと言わんばかりのトランプ大統領の覚悟を示し、習近平国家主席に対する脅しの効果は予想以上だった。今回もタイミングとしては偶然であろうが、米朝会談が合意された後、トランプ大統領が対話路線のティラーソン国務長官を解任してその後任にタカ派のマイク・ポンぺオCIA長官を指名し、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を解任してその後任に「悪魔の化身」とまで呼ばれるタカ派のジョン・ボルトン氏を指名したことに、金正恩委員長はさぞ米朝会談不調の行く末を慮ったことだろう、不和が伝えられていた習近平国家主席を今頃になってわざわざ訪問し、後ろ盾を願い出たものと噂されていた矢先のことである。シリア攻撃に込めたトランプ大統領のメッセージは、今回も確実に金正恩委員長に届いていることだろう。
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大谷・二刀流の真価

2018-04-13 00:49:53 | スポーツ・芸能好き
 その後、エンゼルスの大谷翔平は、打者として3試合連続本塁打を放ち、ちょっと鳥肌が立って、ブログに書こうと思い立ったが、ぐっと踏みとどまって、投手としての次の試合内容を見てからでも遅くはないだろうと見守っていたら、なんと7回一死まで走者を1人も許さない完全投球という圧巻の内容で2勝目を挙げて、こりゃ出来過ぎだと、却って二刀流のどこが凄いのか凄くないのか、冷静に考え直すキッカケになった。
 ネットを検索していると、エモやんこと野球評論家・江本孟紀氏のインタビュー記事が引っ掛かった。日米で投打二刀流への期待が高まっているが、との問いかけに対して、「期待しているのはファンとメディアだけ。プロ野球を経験した人は、そうやって大谷を見ていません」と突き放す。へええ・・・。「中6日で登板し、その合間にDHで出場することが二刀流なら、基準が低過ぎる」と言う。じゃあ二刀流の成功基準をどこに置くのかというと、「1シーズンを通して先発ローテーションを守って20勝、さらに野手として全試合出場して、本塁打王もしくは首位打者などのタイトルを取ったとき」だと実に厳しい。確かに投手として中4日が当たり前のメジャーで中6日で登板しても、メジャーの規定投球回162イニングに達するのは難しいし、登板の前後を休みにすれば、打者として規定打席502打席に到達するのも難しい。「大谷が素晴らしい仕事をしても、規定投球回、規定打席に足りてなければ防御率も打率も参考記録です。ましてや、一流選手の証である1シーズン200イニングも無理」というわけだ。
 日本のリトルリーグや中学・高校野球で投手と言えば、だいたい野球センスに優れていて、エースで4番というパターンが多いものだ(巨人の応援歌にもあるように)。かつて巨人の堀内もよく打ったし、阪神の江夏もよく打った(いずれも投手で名球会入り)。PL学園出身の桑田もバッターとしてのセンスが光っていた。実際、プロになって投手から打者に転向した選手は多く、古くは王さんだって、最近ではイチローだって、高校時代は投手として鳴らしたものだ。言い方は悪いが、中途半端で、という意味は規定投球回や規定打席に達しなくて、投手としてあるいは打者として、瞬間風速で通用する選手は、過去にもいたかも知れないし、今だって結構いるかも知れない。それこそ50打席程度なら夢の4割だってキープできるのだから(今日時点で日ハムの近藤は55打席44打数19安打で4割3分2厘の成績)。そしてベーブ・ルースも、実は二刀流ではなく、レッドソックスに入団した当初は投手として試合に出て本塁打を放ち(当時はDHがなかったから)、ヤンキースに移籍した後は打者専門になったらしい。そういう意味で、シーズンを通して、規定投球回を投げてなお、また規定打席に達してなお、成績を残すことにこそ価値がある、という江本さんの意見には一理あるように思う。
 念のため、江本さんの名誉のために申し添えると、江本さんも、大谷が打者としても投手としても才能が超一流であることは認めておられ、打者としては松井秀喜以上、投手としてはダルビッシュ有に匹敵する選手になれる可能性があると言われるが、二刀流を続ける限りはこの二人の選手を超えることはないと、これまたつれない発言である。確かにそういうものかも知れない。
 2年ほど前、週刊朝日の記事で、西武の元エースで監督経験もある東尾修さんは、二刀流を否定しないものの、強弱をつけなければ、双方のパフォーマンスに影響を与えてしまう、と言われる。先ずは「投手」に軸足をしっかり乗せるべきで、その上で「野手」として出場する試合を吟味していくべきだとも述べておられる。両方を追いかければ、練習や試合で何倍もの負荷がかかり、ハードな練習を重ねれば、十分な休養が必要で時間を奪われ、投手として休むべきときに野手として試合に出ていたら、回復にも影響する・・・野球人として一流の結果を残された方の見方として説得力がある。
 更に5年前の週間朝日の記事では、かつて日本のオールスター戦で9者連続奪三振(通算では15者連続奪三振)の偉業を成し遂げた江夏さんは(因みに江川さんは8者まで連続三振を奪いながら9者目に当てられて大記録をフイにした・・・江川さんらしい 笑)、「大谷は打っても投げても大したもん。ただ現実問題として、ずっと二刀流はできない。いずれは自分で決めないとね」と語っておられ、通算206勝、シーズン401奪三振、最優秀救援投手5回などの日本記録をもつ江夏さんの言葉は、やはり重いと思う。
 ・・・というわけで、大谷のメジャーでの活躍を楽しみにしつつも、記憶に残るだけではなく、記録を残すことにも期待する野球ファンとしては、浮かれることなく冷静に見守って行くことにしたのだった。
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韓国政界の闇

2018-04-09 01:40:26 | 時事放談
 朴槿恵・前大統領の一審判決で、ソウル中央地裁は懲役24年、罰金180億ウォン(約18億円)のの実刑を言い渡した。収賄や職権乱用、強要など18の起訴事実の大半を有罪と認定したという。また先月には、前任の李明博・元大統領が収賄容疑で逮捕された。
 かねがね韓国大統領の末路は悲惨と言われるが、まだ確定していないとはいえ、この国のありようは異様と言うほかない。2016年11月5日の朝鮮日報によると、「1993年の文民政権発足以後に誕生した5人全て(当時)の大統領が、任期末期から退任後にかけて『大統領になったことを後悔する』という趣旨の発言をしている」(Wikipedia)という。二つ問題があるように思う。
 一つは、大統領個人の、というよりも、大統領=絶対権力者をとりまく構造的問題である。BBCは、「朴前大統領のスキャンダルによって、韓国の政治エリートと韓国経済で圧倒的な力を持つ『チェボル(財閥)』の密接なつながりがあらためて浮き彫りになり、批判の対象となった」と報じているが、韓国の政・官・財の支配階層における腐敗として曖昧に捉えれば、李氏朝鮮の時代から連綿と続く歴史的問題ではないかと思う。
 朝鮮社会で問題とされる「両班」は、高麗の時代には、官僚制度の中で文官を「文班」、武官を「武班」、両者を併せて「両班」と呼んで、官僚制度を意味したが、李氏朝鮮の時代に旧弊を改める制度改革を通して、官僚登用試験である「科挙」を受けることが出来る身分を指すようになる。日本では根付くことがなかった「科挙」は、三年に一度しか行われず、四書五経の膨大な知識が必要なため、中国では最盛期には競争率3000倍、最終合格者の平均年齢36歳だったとされるように、相応の経済力がなければ太刀打ちできず、一族に優秀な子供がいれば一族をあげて経済的に支援し、合格の暁には特権のおこぼれに与かるという伝統があったことで知られる。こうして特権階級化し腐敗するのは朝鮮半島においても同様だったようだ。やがて「両班」を筆頭に、「中人」(翻訳技術、医学・陰陽学などの特殊な専門技術職)、「常民」(農・工・商)、「」と言う四段階の身分制度ができあがった(こうして見ると徳川時代の士・農・工・商は上下の身分制と言うよりヨコの機能分担の色合いが強い穏やかなものという印象を受ける)。そして、李氏朝鮮の国教になった儒教の教えのもとで労働行為そのものが忌み嫌われるようになり、「転んでも自力では起きない」「箸と本より重いものは持たない」と言われる所謂「両班」が形成されるとともに、富を奪う身分と奪われる身分に二分されて、(徳川時代に花開いたような)庶民文化・教育・伝統・芸能・職人の技術・労働意欲などは育つことはなかったと言われる。
 韓国では、今でも「志操の高い精神構造を両班精神、両班意識などと呼んだりする」(Wikipedia)らしいし、産業基盤の裾野が乏しく、中小企業が育っていないのは、そもそも職人の技術への敬意が育っていなかったからであろうし、現代の特権階級である官僚や財閥企業を目指す受験戦争の厳しさは「科挙」を彷彿とさせるし、中国の格言である「昇官發財(官吏になり、財産を築く)」、つまり「官僚となって任地や担当分野の許認可権を握れば、賄賂や付け届けによる多額の非公式な収入が得られるのが当然」(Wikipedia)とするような考え方は、小中華を自任した朝鮮の面目であって今も脈々と生き続けいてると思わざるを得ない。
 もう一つ、韓国という国のありようが異様だと思うのは、党派対立の激しさであろう。朴槿恵被告は、昨年10月16日の公判を最後についぞ法廷に姿を見せなかったが、この時、勾留期間が最長6カ月延長されたことに対して、「受け入れられない。法治の名を借りた政治報復は私で最後になるよう望む」と批判した。李明博被告も、捜査について、文在寅大統領の左派政権による旧保守政権への「政治報復だ」として強く反発している。
 調べてみると、
 初代(~第3代)・李承晩は1960年の所謂4・19革命で失脚しハワイに亡命。
 2人目(第4代)尹潽善は1962年の5・16軍事クーデターで国家再建最高会議が政権掌握したことに抗議し任期満了前に辞任。
 3人目(第5~9代)朴正煕は1979年に暗殺。
 4人目(第10代)崔圭夏は1980年の全斗煥・盧泰愚らによる5・17クーデターにより軍部に政権を掌握されて辞任、大統領経験者としては唯一本人・親族ともに難を逃れているのは、単に在任期間が8ヶ月と歴代最短だったからだろうか。
 5人目(第11~12代)全斗煥は1988年の退任後に不正蓄財と民主化運動弾圧の罪で逮捕され無期懲役(後に特別赦免)。
 6人目(第13代)盧泰愚も1993年の退任後に同じく不正蓄財と民主化運動弾圧の罪で逮捕され懲役12年(後に特別赦免)。・・・と、軍政下でなかなか激しいのは、理解できなくもない。
 7人目(第14代)金泳三は初の文民政権で、次男が斡旋収賄と脱税で逮捕(後に特別赦免)。
 8人目(第15代)金大中は在職中に3人の息子を含む親族5人が権力を悪用した不正蓄財で逮捕(後に次男と三男は特別赦免)。
 問題の9人目(第16代)盧武鉉は、税務職員だった兄が収賄で逮捕され、妻と自身も在任中の収賄疑惑により退任後に捜査を受け、2009年4月の訴追直前の出頭要請前に投身自殺した。文在寅大統領は、弁護士として市民運動や人権運動に参加した後、2002年12月に行われた大統領選挙に盧武鉉が立候補した際、釜山地域における選挙対策本部長を務め、盧武鉉政権では大統領側近として活躍、常に盧武鉉の側にあったことから「盧武鉉の影法師」の異名をとるほどだった。
 そして10人目(第17代)李明博、11人目(第18代)朴槿恵と続く。
 BBCは7日付“Park Geun-hye: Poisoned chalice of South Korea's presidency”と題する記事の中で、何故、韓国政界に腐敗が多いのか?と疑問を呈した上で、1960~70年代に朴正煕元大統領が「漢江の奇跡」と後に呼ばれる高度経済成長を実現した経済政策は、かつてのソ連の計画経済をモデルとする開発独裁であって、伝統的に財閥や国策企業を通じて政治(国家)主導で産業育成を図ってきたことが背景にあり、政治(国家)が経済から身を引かない限りスキャンダルは続くだろう、といった内容の分析を紹介している(Many believe the tradition of the South Korean government taking a strong role in leading the economy is one of the major contributing factors. South Korea's modernisation was only kick-started in the 1960s and 1970s with dictator Park Chung-hee directing the heads of family-run conglomerates known as chaebols to establish industries. "Until the state steps back from the economy, such scandals will continue." he told the BBC.)。
 世界の国は、古代・中世・近代・現代と大体四階建てに歴史が積み上がっているが、中国は古代と中世はあるが近代がない、と喝破されたのは日下公人さんだった。中国は二階(中世)から四階(現代)へ駆け上がるのに、三階部分は縄梯子になっていると懸念される。韓国に至っては一階(古代)から四階(現代)に駆け上がるのに、二階、三階部分は縄梯子すらないと突き放しておられた。縄梯子というのは、歴史的経験の厚みがないことの比喩であろう。韓国大統領の悲劇の末路や、慰安婦問題や歴史認識問題を通して看取される反日・侮日・用日の発想など、韓国の政治のありよう、あるいは民主制が危うく見えるのは、国家(政治)としての成熟が遅れているからだと思わざるを得ないのは、四階建ての歴史をそれぞれまっとうに歩んできた日本だからこそ感じることなのだろう。日韓関係の難しさはこの感覚のズレにあるように思う。
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大谷翔平の強運

2018-04-06 00:46:37 | スポーツ・芸能好き
 ゴジラ松井がメジャー・デビューした2003年、開幕戦で初打席に初ヒット、本拠地ヤンキー・スタジアムでのデビュー戦でメジャー初本塁打となる満塁本塁打を右翼席に叩き込んだのを思い出した。大谷翔平も、開幕戦で初打席に初ヒット、本拠地エンゼル・スタジアムでのデビュー戦で第一打席にメジャー初本塁打を放ち(ワイルドピッチがなかったら満塁本塁打になるところだった)、この試合は4打数3安打3打点と大活躍した。この本塁打について、ロサンゼルス・タイムズ紙は、勝利投手になった後2日以内に打者として一回に本塁打を放つのは実に1921年のベーブ・ルース以来で、「歴史的」と評価した。その翌日も、二試合連続本塁打を含む5打数2安打2打点と活躍し、しかも本塁打は、昨年最多勝で自身二度目のサイ・ヤング賞を受賞したコーリー・クルーバーからだから価値がある。これまでのところ、投手として初登板初勝利を挙げる一方、野手として3試合で打率.429、2本塁打、5打点と、絶好調な滑り出しである。運も実力のうちと言うが、やはり彼も「持っている」と思わざるを得ない。
 大谷翔平という選手については、張本さんがいつも「サンデーモーニング」で、二刀流じゃなくどちらか一方に絞った方がよいと話すように、私も野球を甘くみたらあかんと思ってきた。日本でそれなりの成績を残しても、その内、壁にぶつかるだろう、とか、さすがにメジャーでは通用しないだろう、などと思っていた。まだメジャー・デビューして間もないが、鮮烈なデビューに目が眩み、もしかしたらもしかするかも・・・と思うようになった(現金なものだ)。
 彼の動画も話題になっているらしい。
 記念すべき初本塁打では、ベンチに戻ると、「サイレント・トリートメント」という、チームメイトによる「完全無視」の洗礼を浴び、知らんぷりして背を向ける同僚たちを振り向かせようと、そのうちの一人に“祝ってぇ~な~”と言わんばかりに背中にまとわりついてピョンピョン飛び跳ねる姿がカワイイと、ネット上で評判らしい。二号本塁打では、同僚たちと次々とハイタッチを交わし、あるいはがっちり抱擁し、ひとしきり歓迎の嵐が吹き過ぎると、ヘルメットがなくなっている(主砲のトラウトに奪われた)ことに気づいて、あるはずのヘルメットを押さえる仕草を見せて、周囲をきょろきょろするところが、なんとも愛嬌がある。いずれも如何にもアメリカらしい手荒くも暖かい祝福である(微笑)。
 二刀流として果たしてメジャーでこのままやって行けるのかどうか気になるところだし、投手としてはイチローとの対戦が今から楽しみだ。
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東芝後のサザエさん

2018-04-04 00:39:59 | 日々の生活
 「サザエさん」のテレビ放映が始まったのは1969年というから、今年は50年目の節目になる。その間、スポンサーは「東芝」単独から、いつしか「東芝とご覧のスポンサーの提供・・・」になり、4月1日の放送ではとうとう「東芝」の名前が落ちるという節目の年になった。
 東芝がスポンサーを降りた後釜に、「昭和天皇独白録」の原本をオークションで競り落とし皇室に寄付した高須クリニックが座れなかったのは残念(?)だったが、日産がメインで座るのはともかくとして、アマゾン(やベビー用品専門店の西松屋チェーンや大和ハウス工業)が加わることになったと聞くと、なんだか時代が変わったことを感じざるを得ない。
 我が家では、かつてテレビは東芝だったし、重電の東芝は家電でもモーターに強いという都市伝説を信じて、実は今も東芝の洗濯機が健在だ。しかし家電の「三種の神器」(白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫)と言われたのは遠い昔(高度成長期以前)の話だし、「新・三種の神器(または3C)」(カラーテレビ・クーラー・自動車)がもてはやされたのも高度成長期の頃の話で、まさにその頃に東芝が「サザエさん」のスポンサーとして颯爽と登場し、番組の中にも東芝のテレビなどがさりげなく配置されていた。
 早速、オープニングの歌は「買い物しようと街まで 出かけな~い。サイフを~忘れて~スマホで支払~い♪」という替え歌がはやっているらしい。磯野家のテレビは東芝ではなくなり、大和ハウスのセントラルヒーティングのお陰で東芝のこたつや扇風機も不要になり、日産のマイカーが登場し、アマゾンで購入するようになれば三河屋さんの御用聞きも不要になり、西松屋のベビー服を着たイクラちゃんの出演が激増するのではないかと噂されている。さらにアマゾンエコーによってサザエさんのうっかりがなくなるのではないかと懸念されている。
 東芝にはまだまだ頑張って欲しいのだが、さすがにここ暫くは隠忍自重か。
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