風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

日馬富士の引退

2017-11-30 01:07:47 | スポーツ・芸能好き
 横綱・日馬富士が、平幕・貴ノ岩に暴行した問題で責任をとり、現役引退を表明した。相撲協会内には現役続行に理解を示す意見もあったらしいが、横綱審議委員会では「非常に厳しい処分が必要」との意見が大勢を占めたことに反応したのだろう。私は日馬富士ファンではないが、16歳で母国を離れてはるばる日本までやって来て、日本の相撲界の最高位を極め、日本人だけであったならばさぞ不甲斐なかったであろう相撲界を盛り立ててくれた功労者の一人であることを思えば、長年の相撲ファンとしては残念至極の思いだ。
 安倍首相は、「国民の関心の極めて高いスポーツだ。相撲界における暴力問題は極めて遺憾だ」と語られたが、安倍さんには申し訳ないが、(このブログで何度も繰り返し述べて来たように)相撲はスポーツではなく、伝統芸能だ。だからこそ横綱は、強いだけでなく品格が求めれられるし、勝つだけでなく勝ちっぷりが問題にもされるのだ。ビール瓶で殴ったことは同席していた白鵬が否定したり、「10針ぐらい縫う怪我」を負ったと証言する人もいれば局部の写真まで出回っていたりもするが、真相は今もって分からない。しかし日馬富士自身が暴行を認めている以上、やむを得ない状況なのだろう。一体、何があったのか。
 日馬富士の心の師と言われる人は、「酒癖が悪いなんていうのは一切ない。カラオケを歌って、楽しんで帰るという感じだ。(他の)横綱がいるのに見境なく飲むということはない」と断言し、横綱・白鵬への態度に立腹して貴ノ岩を殴打したとされる日馬富士の思いについて、「モンゴルには礼儀はあるが、日本のような『先輩後輩の関係』というものはないようだ。日馬富士は『日本の先輩後輩の関係をモンゴルに持ち帰りたい』と言っていた」と擁護する。白鵬と比較するのもなんだが、およそ横綱らしくないビンタのような張り手や喧嘩腰、そして今場所11日目には物言いがつかないことに抗議するかのように立ち尽くして物議を醸すといったやや増長した態度をとるなど、横綱らしく振舞おうとしながら成り切れない(だから心掛けも実はよろしくないのではないかと、人が悪い私なんぞは勘繰ってしまう)白鵬と比べれば、先の心の師が「今の力士の質が落ちている中で彼は『全身全霊』と言っている。日本人以上の日本人だと思う」と語る日馬富士の、目立たないせいかも知れないが、小兵ながらも横綱らしくあろうとする真面目さはなんとなく好感する。これらの伝聞が事実とすれば、何か余程のことがあったのだろうことが察せられる。
 ここで状況を混乱させているのが、協力要請を拒み続ける貴乃花親方の頑なな態度だ。週刊誌の報道は、「かねてモンゴル勢(今や関取だけでも12人)が群れていることを快く思っていなかった貴乃花親方が、暴行事件に乗じ、次期理事長選を見すえて、八角理事長体制に異を唱えた--。これがおおよその筋書き」(花田紀凱氏)だという。
 モンゴル勢と言えば、「ここ数年、モンゴル人力士同士の〝無気力相撲〟は、取材している報道陣の間でもしばしば話題になっていた」「一部週刊誌で報じられている『星の回しあい』や『互助会相撲』があるとは言わないが、貴乃花(親方)が貴ノ岩にモンゴル人力士との付き合いを禁じているのもむべなるかな、とは思わせられる」といった声もある(スポーツライター赤坂英一氏)。貴乃花親方は、貴ノ岩だけでなく弟子全員に、他の部屋へ出稽古に行かないよう、また他の部屋の力士たちとは必要最低限の挨拶以上のコミュニケーションを取らないよう、厳命しているらしい。現役時代の彼のガチンコな相撲っぷりを思えば、モンゴル人同士で同じ飛行機で一時帰国したり仲良く群れたりすのを、苦々しく思う気持ちは分からなくはない。
 ・・・というわけで、体罰がよくないのはその通りだが、トカゲの尻尾切りのように日馬富士だけに責任を取らせることで済ませてよいのか、もっと構造的な、あるいは体質そのものに問題があるのではないかという、モヤモヤとした疑問が残る。せめて片鱗であっても真相が明らかにされるのを待ちたい。
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東レも品質不正

2017-11-29 00:18:04 | ビジネスパーソンとして
 表題は、今日の日経・夕刊一面記事に付されたものだ。サブ・タイトルに「子会社、データ改ざん」とある。記事を読んで、つくづく考えさせられた。
対象製品は、自動車関連メーカーなど国内外の13社に供給していた「タイヤコード」といわれる自動車用タイヤの繊維製補強材や自動車用ホース・ベルトの3品目の補強材で、2008年4月から2016年7月まで(とは長期にわたるが、僅か、と言っては怒られそうな)149件、約400トン(対象額は1億5千万円)について品質検査のデータを書き換えていたという。改ざんと言って、どれほどのマグニチュードなのか、新聞を二度読んで、この程度で!?と驚きを隠せなかったのは、「タイヤコードなどの強さを示す『強力』が258ニュートンという数値が出ていたが、顧客と契約した260ニュートンに改ざんしていた」というのだ。実に0.8%にも満たず、私のような文科系の素人目には誤差の範囲に思う。顧客の同意があれば規格外の製品でも出荷できる「特別採用(トクサイ)」を悪用したもの、「トクサイ」とは不適格製品の取り扱いの手法で、顧客が要求した品質ではないが不良品とまではいえない場合に、納期や数量を勘案すれば、誤差の範囲として取り扱ったほうが得策であることから、最終製品の品質に影響を与えないことを前提に、顧客に許可をもらい出荷するものだという。今回も、顧客に許可を貰う手間を惜しまなければ問題にならなかったように読める。
 それにしては日経はでかでかと「品質不正」とセンセーショナルに書きたて、記事本文にも「日本のものづくりへの不信が強まりかねない」と書いた。神戸製鋼所、三菱マテリアルの子会社3社に続く大手企業グループ会社による不祥事は、確かにショッキングだ。しかし法令違反でもなく、どうやら安全にも影響しないのに、大袈裟ではないか。関係者はどう見ているか、日経電子版によれば「東レのライバル企業の幹部に、不正を好機として商権を奪う自信はあるかとたずねると『ありません』と即答された」とあり、また「三菱マテの取引先の中堅社員は『不正があっても品質は世界最高』と話す」とある。中国あたりでは、ざまあ見ろ以前に、この程度で騒ぎたてることに却って驚いているのではないだろうか。
 いくつかポイントがある。
 今日の記者会見で、昨年7月に不正を把握していたにも関わらず、発覚から時間がかかったのは何故かと問われた東レ社長は、「法令違反や安全に影響する場合は公表するが、今回は安全面に影響はないと判断した。先ずは顧客への報告を優先した」と答え、「顧客との間での取り決め(を巡る問題)なので、公表する必要はないと考えていた」と説明したという。従来なら内々で済ませてきた問題とうかがわせる。企業人としては良く分かる理屈だが、あらためて振り返るに、社会的責任の視点が欠落しているのだろう。神戸製鋼の問題のときにも、素材・部品メーカとして社会への影響が大きいと言われた。つまり直接の顧客との関係にとどまらず、その先には最終顧客がおり、従って直接の顧客との約束違反は、最終顧客との約束違反でもあり、社会を騙したことになる・・・規範意識の欠落が指弾されていると考えるべきなのだろう。
 公表に至ったキッカケも象徴的だ。今月3日にネットの掲示板で、東レでもデータ改ざんがあるとの書き込みがあり、「噂として流れるよりも正確な内容を説明すべきだと公表の準備を進めてきた」といい、その上で「神戸製鋼所や三菱マテリアルなど(で相次いでデータ改ざんが発覚し)、皆さんが品質問題に対して関心があった」のも公表を後押ししたという。ネット社会は、やや神経質に過ぎる気がしないでもないが、もはやそうは言っておれない、そういう時代なのだろう。
 経団連の榊原会長と言えば東レのご出身(現在、相談役)で、昨日の記者会見で三菱マテリアルグループの不正問題に関して「日本の製造業に対する信頼にも影響を及ぼしかねない深刻な事態だ」と指摘していた矢先の不正発覚となったのだから、なんとも皮肉だ。
 ESG投資などと言われて久しいが、E:Environment(環境)、S:Social(社会)、G:Governance(企業統治)はどこか遠い世界のキャッチフレーズではなく身近な問題なのだと、恥ずかしながらも認識をあらたにした次第である。
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北朝鮮の経済事情

2017-11-26 22:19:11 | 時事放談
 中国税関総署の統計によると、10月の北朝鮮との貿易総額は前年同月比36%減ったようだ。国連安保理が採択した北朝鮮の石炭や繊維製品などを全面禁輸対象とする制裁決議が影響したとされるが、裏でロシアとの貿易は増えているかも知れない。平壌のガソリン価格が上昇しているとの報道もあり、備蓄に走っているとの観測もあったが、それもどうか分からない。この二ヶ月ほど、北朝鮮の挑発が行われていないのは、いずれにしても乏しい国家予算の中で、実験を行う次のステージに至っていないために控えているだけかも知れない。
 謎のベールに包まれたままの北朝鮮の経済については、かつて1990年代に干ばつで苦しんだようなことはもはやなく、完全な社会主義から部分的な改革開放に舵を切って(例えば闇市を許容するなど)、順調に経済成長が進んでいると解説する専門家がいた。しかし、どうもそれは眉唾のようだ。
 南北軍事境界線がある板門店で、北の兵士が越境しようとして銃撃を受け重症を負った際の生々しい映像が公開された。追跡した兵士がこのエリアで自動小銃を使ったこと、銃弾が韓国側に入っていたこと、兵士自身が軍事境界線を越境したこと等、休戦協定違反があったようだが、それは措いておく。亡命した兵士は一命をとりとめ回復に向かっているらしいが、検査の結果、小腸が160センチほどで韓国人のそれよりも2割ほど短く、食べ物が異なり内臓の発育状態が良くないとされるほか、初日に目にした寄生虫だけでも50匹、小腸の中に数千、数万匹いるかもしれないといい、北朝鮮では野菜などの肥料として人糞を用いるためとされているが、なかなか驚かされる。
 もっとも日本でも、私が子供の頃はギョウチュウ検査なるものがあり、「衛生環境の改善に伴い、九州の一部地域を除いて、2015年度限りで廃止」(Wikipedia)されたということは、つい最近まであったことになる。ただし「文部科学省によると、小学生の寄生虫卵保有は、祖父母世代(1958年度)が29.2%、父母世代(1983年度)が3.2%、子世代(2013年度)は0.2%」だそうである。
 もっと驚くべきは、兵士の腸内に少量のトウモロコシの粒しかなかったということだ。北朝鮮では一般市民より兵士に多くの食料が配給され、さらに従来、この南北軍事境界線エリアに配置される兵士はエリート層で、一般の兵士よりも栄養状態はいいとされていた。衛生状態が悪いことは想像のうちだが、最も恵まれているはずの兵士ですらこの有り様だということは、これまで流布された経済情報は宣伝の要素が強いようだ。
 兵士が回復すれば、国境付近の警備の杜撰さも明らかになるかも知れない。

 追記。本稿は北朝鮮を軽く見るのが趣旨ではない。核保有は五大国(米・英・仏・露・中)が条約上も正当化され(しばしば不公平と批判されるが現状凍結という現実解として認めざるを得ない)、それ以外にインド、パキスタン、北朝鮮は正当化されないながらも保有を宣言し、イスラエルに至っては宣言すらしないが事実上の保有国と見做されている。北朝鮮が核をもつこと(小型弾頭化すること)は脅威である上、北朝鮮の窮状が極まれば、更に拡散する懸念がある。北朝鮮のように信用に足りない国には(ではインド、パキスタン、イスラエルが信用できるかというと、まあ、少なくとも大っぴらに核を以て他国を脅すことはないとは言える)、何が何でも核を持たせてはならないと思う。
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ブルームーン

2017-11-25 21:01:43 | グルメとして
 「大気中の塵の影響により月が青く見える現象」をブルームーンと呼び(Wikipedia)、滅多に見ることはないため、「19世紀半ばには"once in a blue moon"は『極めて稀なこと』『決してあり得ないこと』といった意味で使われる慣用句となった。そういった意味を含めて、ブルームーンという言葉で特別なことを指す場合もある」(同)という。なかなか謎めいたところがある、雰囲気のある名前だ。しかしここで言いたいのは実はビールのことだ。確かに私にとっては「特別なこと」だった。
 アメリカ出張中、いろいろビールを試したが、一番記憶に残るのがこの「ブルームーン」だったのだ。否、そればかりではない。ギリシャ料理や、アメリカンなステーキや、シーフードや、タイ料理も、確かに美味かったが、そんな40ドルから60ドルもするような豪華な食事より、一番記憶に残る食事が、土曜の昼さがり、ナショナル・ギャラリーやスミソニアン博物館を訪れた帰りに立ち寄った薄暗いバーで食べたピリ辛のチキン・ウィングと昼間っから飲んだ「ブルームーン」の僅か10ドルの組み合わせだったのだ。実に安上がりな男だ(笑)。
 これまで慎重に「記憶に残る」と書いて来たが、美味くないわけではない。だからと言ってビールとして断トツに美味いかと問われると自信がない。しかしコクがあってクセになる。どうクセになるというのか。
 ウェブサイト(http://bluemoonbrewing.jp/)を覗いてみると、Belgian-Style Wheat Aleとあり(でも、アメリカ製である)、Profileには次の様に記されている。
(引用)
・原材料、成分:麦芽、ホップ、小麦、オーツ麦、コリアンダーシード、オレンジピール ※麦芽使用率:50%以上
・ルックス:より深いフレーバーを残すために濾過処理をしないため濁りがあります。
・アロマ:シトラスの香りあふれるフルーティーな風味と、軽くスパイシーな小麦のアロマ。
・テイスト:口に含むとまず、すがすがしいフレーバーが広がり、コリアンダーとオレンジのぴりっとした香味が残る。そこにバレンシアオレンジピールが、ほのかな甘味を添えている。
・口当たり:オーツ麦が生み出す、複雑でクリーミーなミディアムボディ。そして、しっかりしたコク。
・後味:クリーミー、コリアンダーとオレンジの香味。スパイスのかすかな余韻を残す。
(引用おわり)
 分かったようでなんだかよく分からないかも知れないが(苦笑)、何度も飲んだ私には、キーワードにはいちいち心当たりがある。より深いフレーバー、シトラスの香り、フルーティーな風味、軽くスパイシー、バレンシアオレンジビール、クリーミー、しっかりしたコク・・・念のために言っておくが、ビールである。そうか、このクセのある、まったりとした味わいには、オレンジが使われていたのか。言われてみれば合点する。都内でも手に入るし、あちらこちらの飲み屋にも卸されているようなので、見かけたら、是非、お試しあれ。クセになること請け合いです。
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時差ぼけ

2017-11-24 21:40:20 | 永遠の旅人
 日曜日の夜に戻ってきて、最初の夜こそ旅の疲れがあってぐっすり眠れたが、翌日以降は狂った体内時計に従って苦悩の日々が続いている。一週間もあれば昼夜逆転でも現地の生活リズムに慣れてしまうと言われる通り、私のような老体でもそれは例外ではない。
 一般には西回りよりも東回りの時差ボケの方がキツイと言われる。西回りでは時間の流れ(地球の自転)と逆行するので「夜が長く」なり、夜更かし(=朝寝)することで調整出来るのに対し、東回りでは逆に「夜が短く」なり、早めに(眠くならなくても)寝て、その分、朝も早く起きなければならないのが辛いからだ。これは、アジアなどでの近距離移動を考えると分かりやすい。例えば日本→シンガポール→タイというように西に移動していくと、1時間ずつ夜が遅くなり、その分、朝も1時間余計に寝ていられて楽ちんなので、出張のときはよくこのパターンを使った。しかしアメリカ東海岸となると、14時間の差は言わば昼夜が引っくり返るので、東回りも西回りも大して変わらない・・・というのが実感だ。
 昼夜逆転して、昼間、当然ながら英語の会議に出ることになるので、なおさら睡魔と戦うのが辛くなる(苦笑)。現地に向かう機内では早速、現地時間に合わせるのがいいと言われるが、昼飯も食いたいし、ビールやワインをしこたま飲んで昼寝と決め込むが、昼寝程度ですぐに目が覚めてしまうし、そう簡単なことではない。そこで今回は現地で寝酒を(睡眠薬代わりに)使った(笑)。毎晩、ワインをハーフボトル開けて、無理矢理眠くさせ、なかなか寝付けないので夜遅くなるが、それでも短いながらも熟睡できる(が、朝5時過ぎには目覚めてしまうのだが)。
 ついでながら、米国滞在中、最近は滅多に使わなくなった英語に耳慣れるため、ホテルの部屋では起きているときも寝ているときも(言わば睡眠学習!)CNNやFOX Newsを流しっぱなしにしていた。
 その内、何度も流れるニュースに辟易することになる。そのひとつは民主党のフランケン上院議員のセクハラ・ニュースだ。Bloombergによると「ロサンゼルスのラジオ局KABCのアンカー、リアン・トゥイーデン氏がフランケン氏からわいせつ行為をされたと訴えていた。2006年の駐留米軍を慰問する中東ツアー中、フランケン氏から強引にキスされたほか、寝ている時に胸をつかまれ写真を撮られたとトゥイーデン氏は主張した。これに対し、フランケン氏は強引にキスした記憶はないとしたが、トゥイーデン氏が眠っている時に胸に触っている写真を撮ったことについては謝罪した」というもので、この中東ツアーで軍服を着て寝ている女性に忍び寄って胸に手を伸ばす、見るからに悪戯っ子そのもののフランケン氏の写真を何度も見せつけられ、目に焼き付いて離れない(笑)。因みにフランケン氏は元コメディアンで、2009年に上院議員になる以前の言わば冗談っぽい話なので、多少は弁解の余地があるようにも思う。実際、そのフランケン上院議員をヒラリー・クリントン女史が弁護したものだから、クリントン元・大統領の不倫話まで持ち出して、今なら大統領を辞任しなければならかっただろう、などとまくしたてる女性も出て来て、えらい騒動になっていた(アメリカはもはやプラグマティック、つまり大統領職とプライベートはそれなりに区別する・・・ことはなくなったのか)。と言っても、これはFOXニュースで繰り返されていたものなので、恐らくトランプ大統領のかつてのセクハラ疑惑の反動で民主党への反撃の一環だったのだろう。
 上の写真は、ワシントンDCでの訪問先の近くにあった、トランプ・インターナショナル・ホテルである。かつて米国の中央郵便局として使われた「オールド・ポスト・オフィス」で、ちょっとした城のような威容がある。トランプ側(トランプ・インターナショナル)は、19世紀に建設されたこの歴史的な建物の改修工事を米国政府から受託し、60年間のリース契約を結んで、晴れて昨年9月12日にオープンした。大統領選に立候補する以前から進んでいた計画だったが、2年以上前倒ししてオープンに漕ぎ着けたのは、大統領になってから話題になるのを避けたかったのだろうか。実際、大統領に当選してからというもの、マスコミから利益相反を批判されたものだったが、今やそれ以上の問題(!?)で世間を翻弄し続け、利益相反のことはすっかり忘れ去られている。
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写真で振り返るNY・続

2017-11-23 17:08:53 | 永遠の旅人
 もう一つオマケに、こちらもタイムズ・スクウェアのあたり。
 アメリカは今日、Thanksgiving Day(感謝祭)で、今週は里帰りした人も多かったことだろう。休暇が明けると、街はクリスマス一色になる。冬本番だ。
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写真で振り返るNY

2017-11-23 17:07:49 | 永遠の旅人
 上の写真は、タイムズ・スクウェアのあたり。
 行政都市ワシントンDCが(ある意味で自分が余所者と疎外されるような冷たさをも感じさせる)落ち着いた佇まいを見せていたのと比べると、建物の高さや密度、そしてその合い間を行き交う人の密度や速さの点で、ニューヨークの喧騒は格別だった。言わば霞ヶ関あたりから渋谷や新宿に来たようなものだろう。当然、買い物にも食事にも便利であり、つい気持ちはうきうき昂ぶるし、似たようなものを求めてそぞろ歩いているせいだろうか、そんな人の集まりに身を置くとなんだかホッとする。
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写真で振り返るDC・続

2017-11-22 01:52:43 | 永遠の旅人
 もう一つオマケ。こちらはモールから見た週末の国会議事堂。冬空が広がって、寒々としていた。
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写真で振り返るDC

2017-11-22 01:20:36 | 永遠の旅人
 上の写真は、今回の訪問先の弁護士事務所があるビルから撮ったもので、ホワイトハウスとワシントンモニュメントが綺麗に(薄曇りで見通しは良くないが)一枚におさまる。この写真からは分からないが、左手、玄関前の庭園の外では、アラブ人がデモをやっていた。お騒がせトランプ大統領は、このときはいなかったのだが・・・
 そう言えば、シドニーのある弁護士事務所も、オペラハウスとハーバーブリッジの両方が拝めるロケーションにあった。世界中、どこにあっても、弁護士事務所は絶景が拝めるものだ。さぞ儲かっているのだろう(貧乏人の僻み)。
 アメリカ東海岸は、特に冬場は空気が乾燥することをすっかり忘れていた。冷たい風に晒されて、いつの間にかお肌がカサカサになってしまった。顔だけではない。手も足も背中も、全てである。日本人がここで暮らすには加湿器とニベアが手放せない。
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キューバ料理

2017-11-18 15:50:15 | グルメとして
 昼に、マンハッタンのLexington Avenue沿い、40/41 StreetにあるSophie's Cuban Cuisineというキューバ料理のレストランに入った。パイプ椅子に質素なテーブルの座席がいくつか用意されているが、テイクアウトの客が多いせいか、3つのサイド・ディッシュと1つのメインを選ばせ、いずれにしてもプラスティックの弁当箱に盛って手際よく出してくれる、ファースト・フードのレストランで、昼食どきでごった返していた。
 ラテンアメリカ料理といえば、日本にも進出しているメキシコ料理ぐらいしか知らないが、なかなかどうしてキューバ料理も美味い・・・と思ってWikipediaを調べて見ると、「先住民の共同体が早くに滅亡し、スペインからの独立が遅れたため、ラテンアメリカ諸国の中ではスペイン料理の影響を最も色濃く残している」とある通り、食材に芋や豆の類いが多いが、サフランで炒め炊きしたライスや、ドイツのシュニッチェルもどきのチキンカツはドイツより絶妙な味付けで、いかにも日本人の口に合う。さすがラテン系というか地中海料理であろう。
 キューバと言えば、オバマ前大統領のレガシーとして、2年前の7月に、アメリカ・キューバ相互に大使館が再び開設され、1961年に断交して以来54年振りに国交回復し、昨年3月に、オバマ前大統領自身が現職アメリカ大統領として実に88年振りにキューバを訪問したのが記憶に新しい。親米政権を倒してキューバ革命を実現したフィデル・カストロが断行した農地改革の過程でアメリカ企業を接収したことがきっかけで断交し、核弾頭搭載ミサイル基地建設を進めようとしたソ連とアメリカとの間で核戦争の一歩手前まで行った伝説で知られるとは言え、なぜこれほど長きに渡って関係が凍結されたのか、当事者ではない日本人には不思議でならない。もしかしたら、ケネディ大統領(当時)暗殺に関わる情報公開が、最後の最後のところでトランプ大統領を以ってしても叶わなかったあたりに、その原因があるのかとつい勘繰ってしまう。最近、チェ・ゲバラについてブログを書いた、まさにあの当時のまま、目と鼻の先のアメリカと交流を断ったカリブ海の島国・キューバには、今もなお1950年代のクラシック・カーが走っているという、私には恐らく訪れるチャンスがない、現代のお伽話に思いを馳せつつ・・・。
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