風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

全ては政局へ(上)バナナ共和国

2010-05-06 21:48:36 | 時事放談
 鳩山さん、ひいては民主党に対して感じる違和感、もっと言うなら、危うさは、根本的なアジェンダの違いにありそうです。政策の優先順位づけもそうですし、個々の政策における判断基準もそうです。昨年の衆議院選で、国民は少なくとも自民党のアジェンダにはっきりとNOを突きつけ、それとは異なるものを求めたのでしたが、政権を獲った民主党のそれが求めていたものだったかどうかと言うと、どうもそうではないらしいことに国民は気付き始めました。それが民主党において凋落するばかりの支持率に繋がっています。
 彼らにあっては、全てが政局、選挙対策に行き着くかのように見えてしまいます。いわば自民党に対するルサンチマン(怨念)に発し、野党時代には政権与党に対する反対のための反対を、そしていったん政権を獲得した後は、一転、政権を維持するための、なりふり構わぬ耳障りの良い「パンとサーカス」のバラ撒き政策を、と。
 自民党の支持基盤を露骨に切り崩し、自らの支持基盤を厚くもてなす小沢さんがその最たるものですが、民主党だけではなく、例えば、社民党・党首も、あれほど普天間基地の県内移設に反対し、連立政権離脱さえちらつかせながら、いざ全てを県外にということが難しいと分かると、県内移設に反対しつつも、当面はあくまで連立政権内にとどまる、との考えを示したようです。連立政権の中でいつまでたっても女子学生のような発言を繰り返していても(女子学生を貶めるつもりはありません、たまたま彼女が女性だから女子学生になっただけで、要は書生のような、という意味)、政治の世界における最低限の生存の掟だけは理解しているようです。つまり、連立三党はどんなに基本政策が異なろうとも、政権与党であることが接着剤になっているということで、それは、右から左まで様々な派閥を抱えながら、政権与党であるという一点で纏まっていた、かつての自民党を見ていれば分かります。
 今回、舛添さんが自民党を離れた時、誰も付いていく者がいなかったのもまた、舛添さんの人徳のせいと言うよりも、ひとえに舛添さん新党に、自民党と比べての影響力がなさそうなこと、言い換えると、自民党に残っていた方が政治家でいられる確率が高いという計算に尽きます。それは自民党XX県連とのコネであり、選挙の時に投票してくれた当時の支持者であり、所謂地盤というものです。政治家にとって、政治家でなくなることが一番怖いわけです。
 アメリカ政府関係者は、政争ばかりで統治能力がない政情不安な小国に対する卑称を使って、「日本は『バナナ共和国』だ。安全保障の交渉などできない」とぼやいているという話を聞きました。ルーピィは、日本の首相と言うより、バナナ共和国の元首!?
コメント
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