保健福祉の現場から

感じるままに

新指標

2021年11月07日 | Weblog
R3.11.11東京新聞「<新型コロナ>「自治体に丸投げ」乏しい数値基準に不満も 政府分科会のレベル新指標」(https://www.tokyo-np.co.jp/article/142321)。<以下引用>
<政府の分科会が策定した新型コロナの感染状況を示す新たな「レベル」分類は、新規感染者数などを基準にした従来の「ステージ」分類と比べ、数値基準が大幅に減った。ワクチン接種により新規感染者増が医療逼迫ひっぱくに直結しなくなったという判断だが、自治体からは「基準は必要だ」との不満も漏れる。ステージは「1~4」の4段階で、人口10万人あたりの新規感染者数が1週間で15人以上なら3、25人以上なら4。そのほか、病床使用率は20%以上は3、50%以上で4という明確な基準があった。これに対し、レベルは「0~4」の5段階。「コロナに医療が対応できているか」「医療に負荷が生じているか」などに基づいて分類する。ステージとは異なり、レベルは分類を決める数値基準が少ない。「3週間後に確保病床が入院患者で埋まると推計」か「病床使用率や重症病床使用率が50%を超えた場合」という緊急事態宣言発令の目安となるレベル3に引き上げる時ぐらいだ。ただ、数値基準を放棄したわけではない。レベル1から2に上げる際の基準は、都道府県が病床使用率や新規感染者数などから「具体的な数値を設定する」ことになった。つまりステージの判断基準は全国一律だったが、レベルは都道府県が独自に判断できる。分科会の尾身茂会長は切り替えた理由を、「新規感染者数と医療逼迫の関係は、都道府県ごとに大きく異なる。地域ごとに医療逼迫が生じない水準に感染を抑えるため」と説明した。だが、分科会メンバーで全国知事会長の平井伸治・鳥取県知事は「住民にどのような明確なメッセージを出すか、都道府県に丸投げされたような形だ。新規感染者数がこのレベルに達したら危険だという指標は、あった方がよかったのではないか。感染対策の初動が遅れかねない」と指摘した。一方、厚生労働省に助言する専門家組織メンバーの前田秀雄・東京都北区保健所長は「患者の多くが入院できる地方部と都市部を同じ基準で考えることが難しくなってきた。医療を受けられない状況にならないよう、都道府県がそれぞれの医療体制を踏まえて対策を取ることが大切だ」と理解を示した。◆「予測ツール」が都より甘い 都モニタリング会議の専門家 東京都モニタリング会議のメンバーの専門家は、レベル3で緊急事態宣言の目安となったことに、「これまではメルクマール(基準)がなく、発令が遅れがちだった。客観的な基準がやっとできた」と語った。ただし、新たに導入した病床逼迫を推計する「予測ツール」は、「逼迫度合いの算定方法が都の運用よりも甘く見積もられているように感じた」と指摘。都は国の目安より早めに確保病床を広げる方針をとっている。「甘ければ宣言を出しても病床確保が間に合わなくなるのではないか」と疑問を呈した。>

R3.11.6東京新聞「緊急事態宣言の新指標、医療重視 逼迫の予兆把握し発令」(https://www.tokyo-np.co.jp/article/141343)。<以下引用>
<政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が8日に会合を開き、感染が再拡大した際に対策の強化や緊急事態宣言の発令を判断するための新たな指標を議論することが6日、分かった。従来の4段階に分けていた感染状況の分類を5段階に変更。医療体制の確保を重視する内容で、入院患者数などを予測して、数週間後に逼迫する予兆がみられた場合には宣言を出すよう求める。感染者数による段階分けはしない方向だが、一部の自治体から判断材料に入れるべきだとの要望があり、8日の会合で詳細を検討する。国内では、人口の7割以上がワクチン接種を終え、発症や重症化を防ぐ薬も登場した。>

新型コロナウイルス感染症対策分科会(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/taisakusuisin.html)の新指標が注目される。R3.11.5日刊ゲンダイ「韓国でコロナ感染者急増のワケ 日本も来年1月半ばに「第6波」ピークの恐れと上昌広氏が警鐘」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297010)、R3.11.6Bloomberg「欧州で新型コロナ感染第4波、ドイツでは新規感染者数が過去最多」(https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-11-05/R23FR8T0G1KY01)などをみると、日本の第6波はそれほど遠くないかもしれない。R3.10.9NHK「シンガポール ブレイクスルー感染拡大もロックダウンは行わず」(https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211009/k10013300411000.html)、R3.10.11時事「豪シドニー、コロナ封鎖解除 3カ月半ぶり営業再開」(https://www.jiji.com/jc/article?k=2021101100069&g=int)、R3.10.4東京新聞「NZも感染ゼロ戦略を断念 デルタ株で「非常に困難」」(https://www.tokyo-np.co.jp/article/134852)が出ているように、各国の対応が変わってきており、R3.10.26AERA「第6波は「年明け」か ワクチン3回目の備え「日本は遅れている」と専門家が懸念」(https://dot.asahi.com/aera/2021102500048.html)の「『感染しない』ことが最重要課題なのでしょうか。私たちはどういう社会を選択するのか。本当に減らすべきものは何なのか。いまこそ、議論が必要です」(https://dot.asahi.com/aera/2021102500048.html?page=2)は全く同感である。やはり、検査陽性者数よりも、重症者数、死亡者数を評価指標として重視すべきである。一年半前のR2.4.15産経「無対策なら42万人死亡も 厚労省の新型コロナ対策班が試算」(https://www.sankei.com/article/20200415-ESINFND3ERMYDD6YGJRZYOTIVE/)の厚労省班見解は、R3.9.15日刊ゲンダイ「ワクチン接種完了でも「150日間で死者10万人超」の衝撃予測!」(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/294774)、R3.10.5AERA「コロナ前の生活で「死者10万人」のシミュレーション 専門家が詳細解説」(https://dot.asahi.com/aera/2021100400048.html)と変わっているが、「新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00294.html)のR3.10.26資料3-2(https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000847821.pdf)p43「死亡者数リアルタイム予測」で「10月25日~11月7日における日別の死亡者報告数の最大は全国14人、東京都3人、平均は全国9人、東京都2人であると推定された」とあり、実態とかなり乖離している。R3.11.2「新型コロナウイルス感染症( COVID 19 )診療の手引き・第 6.0 版」(https://www.mhlw.go.jp/content/000851077.pdf)p11「日本におけるCOVID-19 入院患者レジストリ(COVIREGI-JP)によると,流行初期(2020年3月〜7月) に入院した2,636例の重症度内訳」について、最近の分析結果を示すべきである。R3.10.5「(2021年10月版)新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識 」(https://www.mhlw.go.jp/content/000788485.pdf)p3「診断された人のうち、重症化する割合(%)」「診断された人のうち、死亡する割合(%)」は昨年8月でストップしたままで、p9「入院した症例に対する薬物治療の状況と死亡する割合」は昨年12月までのデータであり、“いま”ではない。「COVID-19に関するレジストリ研究」(https://covid-registry.ncgm.go.jp/)の解析最新データは、例えば、「データからわかる-新型コロナウイルス感染症情報-」(https://covid19.mhlw.go.jp/)の基本統計に、誠実に、わかりやすく、解説されるべきであろう。恐怖を煽り、人流抑制・ワクチン接種を強いることばかりが専門家の役割ではないであろう。R3.10.21AERA「「経口治療薬」登場間近 コロナが「インフルエンザと同じように」になるための条件とは」(https://dot.asahi.com/aera/2021102000045.html)の「現時点では、まだ新型コロナウイルスの致死率はインフルエンザよりも高い」(https://dot.asahi.com/aera/2021102000045.html?page=2)について、感染症部会(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-kousei_127717.html)のR3.1.15「新型コロナウイルス感染症について(インフルエンザ等との比較)」(https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000720345.pdf)の経時的・年齢階級別の分析が欲しい。新指標は感染症法の取り扱いの見直しにつながるであろうか。
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