保健福祉の現場から

感じるままに

幸福感と健康の前提条件

2011年10月16日 | Weblog
平成22年国民生活基礎調査の概況(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/index.html)によると、「相対的貧困率」(貧困線に満たない世帯員の割合)は16.0%で増加傾向にある(http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa10/2-7.html)。内閣府の国民生活選好度調査(http://www5.cao.go.jp/seikatsu/senkoudo/senkoudo.html)による幸福感調査では、幸福感に関して「給料の安定」、「公平で安心できる年金制度」がそれぞれ企業や政府に対する要望の第一位(http://www5.cao.go.jp/seikatsu/senkoudo/h22/22senkou_03.pdf)であり、所得は幸福感の大きな要因といえるかもしれない。しかし、幸福感判断の最重視事項は、「健康状況」である(http://www5.cao.go.jp/seikatsu/senkoudo/h22/22senkou_03.pdf)。そういえば、WHOの「オタワ憲章」(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%A5%E5%BA%B7%E3%81%A5%E3%81%8F%E3%82%8A%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E3%82%AA%E3%82%BF%E3%83%AF%E6%86%B2%E7%AB%A0)では、健康の前提条件として、①平和、②住居、③教育、④食料、⑤収入、⑥安定した環境、⑦持続可能な資源、⑧社会的公正と公平が掲げられている。単なる保健医療福祉政策だけではなく、これら8分野の総合的な推進こそが、国民の幸福感の拡大につながるのではないか。ところで、日本国憲法(http://www.ron.gr.jp/law/law/jp_kenpo.htm)第25条1項で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」、2項では、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」とされているが、「国民の権利、国の責任」を主張するだけでは健康増進ばかりでなく、8分野の推進も覚束ないであろう。日本国憲法(http://www.ron.gr.jp/law/law/jp_kenpo.htm)第12条では、「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。」、13条では、「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。」とされている。企業や個人の役割もしっかり認識することが、「公助、共助、自助」のバランスのとれた、「自立と協働のトライアングル」(http://blog.goo.ne.jp/miraikibou/e/d851c5a79492c26cd876d4036c6854ca)につながるのではないか。まさに、大震災・原発事故を絶好の契機としたいものである。
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介護現場の医療的ケア

2011年10月16日 | Weblog
介護職員等によるたんの吸引等の実施のための研修関係資料(http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kaigosyokuin/index.html)が出ているのでみておきたい。「喀痰吸引等(たんの吸引等)の制度について」厚労省専用HP(http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/tannokyuuin.html)もある。昨年の厚労省「医療施設・介護施設の利用者に関する横断調査」結果(http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/hoken/dl/seido02_5.pdf)に出ているように、すでに、介護施設や在宅で「経鼻経管・胃ろう」や喀痰吸引等の医療提供を受けている方が少なくない。しかし、調査研究結果(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001ls4x-att/2r9852000001ls82.pdf)によると、吸入、吸引、経管栄養等の医療処置で入所申込者を断る施設が過半数に上っている。療養病床では、胃ろうや中心静脈栄養等が処置された脳卒中後の患者が多い。介護施設や在宅で医療的ケアが普及されれば、療養病床でなければならないことはない。おそらく、政策的に療養病床が増えることはないであろう。まさに医療介護連携が強く求められるところである。本日は管内で医療介護連携・地域包括ケアの住民向けのシンポジウムがある。
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