保健福祉の現場から

感じるままに

O157死亡事例

2011年10月04日 | Weblog
NHK「病原性大腸菌か 幼稚園児死亡」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111003/k10013015261000.html)。<以下引用>
<岐阜県各務原市の幼稚園に通う3歳の男の子が、下痢や腹痛を訴えて入院し、3日、死亡しました。男の子と同じクラスのほかの園児5人も下痢などの症状を示していて、岐阜県では、病原性大腸菌「O157」に感染した疑いがあるとみて調べています。岐阜県によりますと、死亡したのは、岐阜県各務原市にある私立の幼稚園「ひよし幼稚園」に通う3歳の男の子です。男の子は、先月29日に下痢や腹痛などを訴えて病院で診察を受け、翌日から入院していましたが、2日夕方から容体が悪化し、3日、死亡しました。岐阜県によりますと、幼稚園の同じクラスに通う園児2人も下痢や腹痛などの症状を示して入院しているほか、別の園児3人も同じような症状を訴えているということです。入院した2人からは病原性大腸菌「O157」が検出されたということで、岐阜県では、死亡した男の子も「O157」に感染した疑いがあるとみて調べています。幼稚園には、全部で13のクラスがあり、園内で調理した給食を食べているということですが、ほかのクラスでは症状を訴える子どもはいないということです。幼稚園は、4日から当分の間、休園することにしています。幼稚園の小島宏毅園長は「今回起きた事態について、重大に受け止めています。原因の把握に努め、今後の対応を取りたいと思っています」と話しています。>
 
都道府県別の腸管出血性大腸菌感染症届出件数(http://idsc.nih.go.jp/idwr/sokuho/index.html)は定期的にチェックしておきたい。腸管出血性大腸菌感染症は感染症法の3類感染症であるが、食中毒によるものは食品衛生法による対応も併行される。但し、短期間に複数例が発生していなければ、感染症法のみの対応となることが少なくない。特に、広域散発の場合はそうであろう。最近はPFGE検査による分子疫学調査が行われており、散発と思われていた腸管出血性大腸菌が実はつながっていることもある。昨年度から食中毒調査支援システム(NESFD)が運用されている(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/nesfd/index.html)(http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/gyousei/dl/100413_01.pdf)が、食中毒が疑われなければ役立たない。全国保健所長会からの重点要望(http://www.phcd.jp/kuni/H24_youbou_teishutsu.pdf)では、広域的な分子疫学調査体制や情報共有システムの推進、国立感染症研究所・地方衛生研究所・保健所の全国ネットワークの強化が要請されている。放射性物質汚染牛肉をみてもわかるように、食品流通は非常に広域である。それにしても一口に腸管出血性大腸菌感染症といってもピンキリである。今年は焼肉チェーン店でのO111による集団食中毒やヨーロッパ(http://www.euro.who.int/en/what-we-do/health-topics/emergencies/international-health-regulations/ehec-outbreak-in-germany)でのO104による重症例の多発が大問題になったことは記憶に新しい。
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気になる子どもの被ばく

2011年10月04日 | Weblog
47NEWS「福島の10人、甲状腺機能に変化 信州大病院の子ども調査」(http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011100401000209.html)。<以下引用>
<長野県松本市の認定NPO法人「日本チェルノブイリ連帯基金」と信州大病院が福島県内の子ども130人を対象に実施した健康調査で、甲状腺ホルモンが基準値を下回るなど10人の甲状腺機能に変化がみられたことが4日、同NPOへの取材で分かった。福島第1原発事故との関連ははっきりしない。健康調査は7月末から8月末にかけて実施。原発事故で福島県から避難し、長野県茅野市に短期滞在していた当時0歳から16歳の子どもが医師の問診と、血液、尿の検査を受けた。子どもは大人よりも放射性ヨウ素が集まりやすく、蓄積すると甲状腺機能低下症や甲状腺がんになる可能性が高まる。>
 
そういえば、「福島老朽原発を考える会」が尿検査で放射性セシウムが検出された福島市などの子ども10人を2ヵ月後に再調査したところ、他県に避難しなかった福島市16歳少年がセシウム137が1リットルあたり0.78から0.87ベクレルに増加するとともに、7月末に新たに5人の子どもを調べたところ全員からセシウム検出したと報道されている(厚生福祉9月27日号)。 9月11日~12日に開催された国際専門家会議「放射線と健康リスク」では、個人レベルの線量が明確でなく低線量被ばくの影響については専門家でも意見が分かれており、低線量被ばくの健康リスク評価難しさ浮き彫りになったとの報道(医事新報9月24日号)もある。 環境省資料(http://www.env.go.jp/jishin/rmp/conf/02-mat3.pdf)では、空間線量毎時 0.23μSv、0.99μSvが、それぞれ追加被ばく線量年間1mSv、5mSvにあたるとされるが、体内被ばくは、どれほど考慮されているのであろうか。少なくとも乳幼児向け食材の基準変更(http://takedanet.com/2011/09/post_a1c3.html)は早急に必要であろう。
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医師臨床研修マッチングの行方

2011年10月04日 | Weblog
医師臨床研修マッチング協議会(http://www.jrmp.jp/)から、9月30日付の2011年度中間公表(https://www.jrmp.jp/match/common2/jrmp_1_14_result_info.php)が出ている。都道府県・病院別をみると、昨年度結果(http://www.jrmp.jp/koho/2010/2010kekka_koho.pdf)(http://www.jrmp.jp/koho/2010/2010press.htm)との比較も気になるところかもしれない。スケジュール(http://www.jrmp.jp/yotei.htm)によると、組み合わせ結果発表は10月27日(木)であり、注目される。臨床研修病院の「指定の有無」ではなく、実際に研修医をどれだけ受け入れているか、が重要なのは間違いない。マッチング結果(http://www.jrmp.jp/koho/2010/2010press.htm)をみれば、実績0の指定病院が少なくないからである。
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地域医療支援病院と地域連携パス

2011年10月04日 | Weblog
昨夜、圏域内の地域医療支援病院の運営協議会に参加した。地域連携パスについて、大腿骨頸部骨折、脳卒中の運用ケースが多くなっている。以前、大腿骨頚部骨折・脳卒中の地域連携パスにかかる診療報酬改定結果検証調査(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2010/05/dl/s0526-7c.pdf)が実施されていたが、全国的にも地域連携パスが急速に普及しているであろう。また、平成22年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-062.pdf)では、「がん治療連携計画策定料750点」、「がん治療連携指導料300点」が新設され、6月11日の診療報酬疑義解釈(http://www.gifu-hkn.jp/tuuchi/ika-05.pdf)問10~13では弾力的な運用が可能となり、この病院でもがんの地域連携パスの運用が増えてきている。なお、資料には出ていなかったが、肝炎のインターフェロン治療は、8割以上が院外と連携しているそうである。平成22年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-062.pdf)で「肝炎インターフェロン治療計画料」700点、「肝炎インターフェロン治療連携加算」50点が実施されていることも影響しているのは間違いない。その他、糖尿病、急性心筋梗塞の地域連携パスの運用がスタートしているという。地域連携パスの運用に関しては、①参加医療機関の拡大、②対象疾患の拡大、③他の中核病院の地域連携パスとの調整、などの動向を感じる。ところで、以前の厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000xp9o-att/2r9852000000xpc9.pdf)p45~では、地域医療支援病院(http://www.pref.nagasaki.jp/iryou/iryoiji/tiikihpqa.htm)(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%94%AF%E6%8F%B4%E7%97%85%E9%99%A2)について解説されているので理解しておきたい。
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災害時の介護現場と災害医療

2011年10月04日 | Weblog
9月30日の災害医療等のあり方に関する検討会資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001q8my.html)には目を通しておきたい。災害医療を支える介護現場の実際(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001q8my-att/2r9852000001q8s6.pdf)は大変参考になる。但し、3.11東日本大震災は、①巨大地震、津波、原発事故の極めて深刻な複合的被害、②被災地域が超広域、③壊滅的破壊による被災自治体の行政機能不全とライフライン破壊、④高齢化が進んだ中小規模の自治体の被災、⑤慢性疾患を持つ被災者に対する高い医療支援ニーズ、⑥被災地での被害フェーズの混在、⑦県を越えた広域での多数の避難者受け入れ、⑧多数の患者・要介護者の広域搬送、⑨復旧・復興の長期化など、これまでの災害と異なっている点が多く、今回の介護現場ではどうであったかの検証が必要と感じる。ところで、災害派遣医療チームに関する資料(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001q8my-att/2r9852000001q8sh.pdf)では、「保健所は、EMISが未整備又は機能していない場合においては、電話、FAX若しくは自転車・バイク等を利用して直接医療機関に出向いて情報把握又は当該医療機関におけるEMISでの情報発信の支援を行うこと。」、「災害時に保健所・市町村等の行政担当者と、地域の医師会、災害拠点病院の医療関係者、医療チーム等が定期的に情報交換する場(地域災害医療対策会議(仮称))を設ける計画を、事前に策定しておくこと。地域災害医療対策会議(仮称)は保健所管轄区域や市町村単位等に設置することとし、災害時に地域の医療ニーズを的確に把握し、救護班等の派遣・調整を行うコーディネート機能が十分に発揮されるような体制を備えておくこと。」とされていることは知っておきたい。保健所を事務局とした地域災害医療対策会議や災害拠点病院との合同研修等は必要と感じる。
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