保健福祉の現場から

感じるままに

警戒したい鳥インフルエンザ

2011年10月22日 | Weblog
NHK「鳥インフル 3つの感染ルートか」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111021/k10013421691000.html)。<以下引用>
<去年の秋から全国各地で猛威をふるった鳥インフルエンザのウイルスは、遺伝子から3つに分類でき、少なくとも3つの感染ルートがあった可能性の高いことが北海道大学などの研究で分かりました。遺伝子の分析から、鳥インフルエンザの複数の感染ルートが確認されたのは初めてです。鳥インフルエンザは、去年10月、北海道で野鳥のふんからウイルスが検出されたあと、ことし3月にかけて感染が広がり、野鳥では福島や京都、それに兵庫など16の道府県で、また養鶏場では宮崎や島根、それに千葉など9つの県で感染が確認されました。北海道大学と鳥取大学、それに動物衛生研究所などのグループは、鳥のふんや死がいにあった30余りのウイルスの遺伝子を分析したところ、ウイルスは3つのタイプに分類できたということです。そして、ウイルスの分布状況から感染ルートは、北海道から日本列島を縦断するように拡大したルートと、西日本を東西に拡大したルート、それに北海道から東北地方にかけての一部で広がったルートの少なくとも3つあった可能性の高いことが分かりました。遺伝子の分析から、鳥インフルエンザの複数の感染ルートが確認されたのは初めてです。北海道大学獣医学研究科の喜田宏教授は「西日本では異なるルートからの感染が重なり、多発したとみられる。ことしも流行が起きるシーズンが近づいてきているので、監視が必要だ」と話しています。>

9月20日に新型インフルエンザ対策行動計画が改定(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/kettei/110920keikaku.pdf)され、別添で国内で鳥インフルエンザが人に感染した場合の対策が出ているのであるが、それ以前の家きんでの鳥インフルエンザ発生時の対応が喫緊の課題であろう。これに関して、「国内の鳥類における鳥インフルエンザ(H5N1)発生時の調査等について」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/01-13_061227.html)、「野鳥等における鳥インフルエンザ(H5N1)の発生への対応について」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/01-21.html)、「鳥インフルエンザ(H5N1)に係る積極的疫学調査の実施等について」(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou02/01-14_061122.html)の通知が出ている。しかし、現状の国通知では、①防疫作業従事の際の健康調査や作業除外基準がない、②防疫作業における感染防御指導、作業管理がない、③不活化ワクチン接種がない、④予防投薬方法が明確でない(開始時期、投与期間、備蓄薬の使用の可否等)、⑤検体採取・検査がない、⑥健康相談対応がない、などの課題がある。各自治体では対応マニュアルが整備されているが、これまでの事例を踏まえて、公衆衛生的な対応の標準化を図る必要性を強く感じるところである。そういえば、改定新型インフルエンザ対策行動計画(http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/kettei/110920keikaku.pdf)では、発熱外来を「帰国者・接触者外来」と呼称することになったが、鳥インフルエンザのヒト感染例は海外帰国者とは限らないであろう。
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