保健福祉の現場から

感じるままに

TPPに関する報道が変

2011年10月31日 | Weblog
毎日新聞社説「社説:TPP反対論 米国陰謀説は的外れ」(http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20111031k0000m070104000c.html)。<以下一部引用>
そもそも米国はTPPに日本が参加することを想定していなかった。菅直人首相(当時)が成長戦略の一環として、自らの発案で参加したいと言ったのだ。米国は日本に参加要請していない。>

毎日新聞米大統領:TPP参加を野田首相に迫る 首脳会談で」(http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111012k0000e010068000c.html)。<以下引用>
<環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を巡り、オバマ米大統領が9月21日にニューヨークで行われた日米首脳会談で、野田佳彦首相に対し早期の交渉参加を要請していたことが12日、分かった。大統領は会談で、「日中韓、欧州連合(EU)との関係でTPP交渉の余裕がないのか。よく考えてほしい」との考えを表明。首相も「しっかり議論し、できるだけ早期に結論を得たい」と応じた。首相は首脳会談後、TPP参加について、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)までの決着を視野に、政府・民主党に議論を始めるよう指示している。結論を急ぐ背景に、米大統領の強い意向があったことが明らかになった。日本政府は5月、日中韓首脳会談で日中韓自由貿易協定(FTA)に関する検討の前倒しで合意したほか、EUとも経済連携協定(EPA)交渉に向けた予備交渉の早期開始で一致。一方、TPPについては3月の東日本大震災を境に議論が中断していた。米側にはTPPに日本を巻き込むことで、新たな貿易枠組みをつくり、中国をけん制する狙いがある。TPP以外の経済連携を先行させる日本の姿勢に危機感を強め、首脳会談での参加要請となった。日米両政府は日米同盟深化の柱として▽安全保障▽経済▽文化・人材交流--の三つを掲げており、TPPは経済分野の柱の一つと目される。APECでは日米首脳会談も予定されており、日本側の対応が焦点となる。政府・民主党は首相の指示を受け、11日に経済連携に関する関係閣僚会合と、民主党プロジェクトチーム(PT)を相次いで再始動させた。しかし、農業分野への影響などを理由に党内の反発が根強く、調整は難航している。>

毎日新聞「TPP:政府のTPPに関する内部文書(要旨)」(http://mainichi.jp/select/biz/news/20111028ddm005020026000c.html)。<以下一部引用>
米国がAPECで政権浮揚につながる大きな成果を表明するのは難しい。日本が参加表明できれば、米国が最も評価するタイミング。これを逃すと米国が歓迎するタイミングがなくなる
 
元防衛大教授、外交官(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AD%AB%E5%B4%8E%E4%BA%AB)ツイッター;TPP(http://twitter.com/magosaki_ukeru)(http://twitter.com/#!/magosaki_ukeru)。<以下引用>
<TPP・毎日:今日の毎日社説は何だ。毎日時々いい記事、論評出る。社説になると想像できない酷いものを書く。「米国陰謀説は的外れ」。「主権国家が日本を含めれば10カ国集まり、調整。日本だけが一方的に不利益をこうむるはずがない」「はずがない」で論陣はるな。米国の社会制度受け入れの損得は国により違う。「米国は日本に参加要請してない」。嘘言うな。それなら入る必要ない。「数カ国で開放度の非常に高い自由貿易圏を作り、それを広げ、最終的には中国も含めたAPEC諸国全体を包み込む狙い」。従米組織に中国入るはずがない。「日本たたきする経済的、政治的メリットはもうない」。TPPは日本叩きではない。日本社会を米国の意向を聞かせる従属化する手段。「米国ビジネス界、政界は停滞する日本へ関心を失っている」、嘘。米国は次次日本に介入しているではないか。「公的医療制度が通商交渉のテーマになった例はない」。今回は通常の通商交渉でない。24分野に拡大。サービスが焦点。「投資家が投資先の政策で被害を受けた場合、その国を訴える制度が議論。外資系企業への差別的扱いの場合、企業側に対抗手段があることは、全体として日本にメリットが多い」。日本国より外資の利益守るのが日本の利益。どこの国の新聞だ。>
 
米国大使館「米国通商代表部(USTR)外国貿易障壁報告 日本に関する部分」(http://japan2.usembassy.gov/j/p/tpj-jp0082.html)、米国大使館「日米経済調和対話」(http://japan2.usembassy.gov/j/p/tpj-20110304-70.html)で、「保険」「医薬品・医療機器」がメイン項目になっており、あおぞら銀行金融法人部門レポート「TPPに潜む危険性」(http://soba.txt-nifty.com/zatudan/0file/aozora_2011090501_report.pdf)をみても、サービス分野、特に医療が懸念される。TPP交渉に前向きである経済界からは、3月30日の提言(http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2010/110330a.html)(http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2010/pdf/110330a_02.pdf)で、「株式会社による医療機関経営への参入促進」や「混合診療の全面解禁」が掲げられている。政府TPP協定交渉の分野別状況」(http://www.npu.go.jp/policy/policy08/pdf/20111014/20111021_1.pdf)において、例えば、p6で「物品市場アクセス;米豪・米韓FTAのように医薬品分野に関する規定が置かれる可能性はある。」、p20で「貿易の技術的障害;規格策定段階において相手国関係者の参加を認め,自国民と同じ条件での関与を認める旨の規定が設けられる場合,我が国はこうした運用を行っていないため,我が国の手続の変更等の手当が必要となる。現時点では議論はないが,仮に個別分野別に規則が設けられる場合,例えば遺伝子組換え作物の表示などの分野で我が国にとって問題が生じる可能性がある。」、p40で「競争政策;我が国EPAでは取り扱ったことがない以下のような規定が盛り込まれる場合には,我が国制度との整合性について十分な検討が必要となる。(ア)公的企業及び指定独占企業に関するルール (イ)事件関係人の権利を審査手続において確保する規定 (ウ)競争政策に関する規律を引き下げるような規定(例:競争法の適用除外を明示的に容認する規定) (エ)競争政策の範囲に収まらない規定(例:消費者保護に関する消費者保護当局間の協力に関する規定」、p44で「越境サービス貿易;これまで我が国のEPAにおいて自由化を留保してきた措置・分野について変更が求められるような場合に,国内法の改正が必要となったり,あるいは将来的にとりうる国内措置の範囲が制限される可能性がある。仮に,個別の資格・免許の相互承認が求められる場合には,これを行うか否かについて,我が国の国家資格制度の趣旨を踏まえ、検討する必要がある。」、p51で「金融サービス;我が国との二国間の協議において提起されている関心事項(郵政,共済)について,追加的な約束を求められる場合には,慎重な検討が必要。」、p62で「投資;これまで我が国のEPAにおいて留保してきた措置・分野について変更が求められるような場合には,国内法の改正が必要となったり,あるいは将来的にとりうる国内措置の範囲が制限される可能性は排除されない。」など、医療分野と関連しそうな記載がいくつもある。決して農業分野だけではない。今回の毎日新聞社説(http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20111031k0000m070104000c.html)では「米国は日本に参加要請してない」とされるが、同じ毎日新聞で「米大統領:TPP参加を野田首相に迫る 首脳会談で」(http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111012k0000e010068000c.html)と報道されているではないか。「TPPに関する偏向報道」(http://blog.goo.ne.jp/japan-n/e/199d0d0d5be0d6c395cd8565fc9b1f02)と感じる報道がされればされるほど、不安に感じてしまう。こんなネット記事(http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/d2876ff2ecf278e619b2c44a306bf4ed)(http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/27191288.html)(http://www.olive-x.com/news_ex/newsdisp.php?n=116904)がみられるように、決して農業分野だけではない。

キャリアブレイン「受診時定額負担、TPP参加反対などを決議- 歯科医療関係団体が決起集会」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35858.html)。
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公的医療保険と所得の再配分機能

2011年10月31日 | Weblog
キャリアブレイン「櫻井氏、保険料負担の「不公平」是正を主張」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/35853.html)。<以下一部引用>
<民主党の櫻井充参院議員は10月29日、東京都内で講演し、医療費を増やして雇用拡大につなげるべきだとの考えを示した。そのための財源については、所得が高い層が加入する被用者保険ほど、保険料率が低い保険料負担の「不公平」を是正することで捻出すべきだと訴えた。(中略)財源については、所得の高い層が加入する被用者保険ほど、保険料率が低い「不公平」を是正することで捻出すべきだとの考えを示した。櫻井氏は、「社会保障費には、所得の再配分機能を持たせる意味合いがあるはずだ」と指摘し、NHK職員の保険料率が5%台なのに対し、中小企業のサラリーマンらが加入する協会けんぽの保険料率が10%前後であることを問題視した。その上で、消費税増税も必要との認識を示した。>

日本医師会資料(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110302_1.pdf)p9に示されるように、医療保険料率は、協会けんぽ9.500%(2011年度)に対して、組合健保7.616%(2010年度)、国家公務員共済6.367%(2008年度)、地方公務員共済組合7.999%(2008年度)、私学教職員6.520%(2009年度)である。これは平均であって、NHKのように保険料率が5%台の保険者もみられるであろう。健保連では、全体の89.3%(1292組合)が赤字になると推計(http://www.kenporen.com/include/press/2011/20110421163501-0.pdf)され、将来的に保険料率は上がる方向であろうが、社会保障費には所得の再配分機能があり、保険料率については、いろいろ意見が出ている。しかし、このような意見が出てくるのは、あくまで「公的医療保険」だからという気がしないでもない。さて、あおぞら銀行金融法人部門レポート「TPPに潜む危険性」(http://soba.txt-nifty.com/zatudan/0file/aozora_2011090501_report.pdf)に出ているように、TPPでは、サービス分野の代表として医療が懸念されている。例えば、混合診療全面解禁となれば、私的医療保険の拡充は必至であろう。今後、公的医療保険による所得の再配分機能はどうなるのであろうか。
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