民謡/梅若朝雲(駅前仙人)の徒然日記2007.1.28~

民謡&三味線の師範・釣り・料理など多趣味。

Vol. 693 印伝(いんでん)信玄袋

2008-12-21 20:15:06 | Weblog
この写真はずっと前に出たかもしれない・・が、今日は写真が撮れてないので手近かな物を「パチリ」

もともと信玄袋と言うものは、衣類を入れるほど大きなものであったそうな。甲斐の武将武田信玄が戦場に携帯したのがこの形の元・・と言われる。

他に籠(かご)信玄などと言う、底に竹籠の付いたものもあるそうな・・。
さて、印伝である。

さぞかし作方やその他に深い意味を持つ「印伝」であろうと思ったが、あにはからんや「印度伝来」の略であると言うではないか・・。

この信玄袋は京都祇園の「井澤屋」と言う袋物屋で求められたものを何かのお祝いで頂いた。製作は本場甲州の「印伝屋 十三代 上原勇七」作とある。

説明書を引用するならこのような趣を「地割れ印伝/松皮印伝」と言うらしく、作り方は鹿のなめし皮に型紙をおき漆を塗り乾かしたと言うものであり・・歴史は四百余年に亘ると言う。

誠に艶やかにして美しいものであるが、写真では現物に遠く及ばない。

さて今日は公式行事の最後・・梅若会の「会長会」であった。大阪/奈良/京都/和歌山/紀の国/滋賀/三重からなる梅若会である。・・紀の国は和歌山の二つ目の団体・・。

ご多聞にもれずいずこも高齢化・・若返りを図ろうにも思い通りにはいかないのが世の常である。



***民謡夜話徒然ばなし  第四話 北海ナット節(ナット節)(女工節)
P-3
「♪朝は三時から起こされて 晩のしまいは八時半 
腰がだるいやら眠いやら アリャ思えば缶詰工がいやになる」

蟹の季節・・このさみィ(寒い)のに素足丸出しダンヨ・・前掛けはムシロだよホンドニ・・ほっ冠りでもシネばたまんねぇよ・・またぁ朝の早ぇのなんのったって、三時(さんず)だよ三時・・。

盛り切りご飯に味噌汁ぶっかけデぇ・・化粧なんて・・ハ、とんでもねぇ・・花も恥じらう娘っこだよオラだち・・。

・・いつまでたっても終業の鐘っこ鳴らね・・もう八時半だっチャ・・。冷てぇせんべい布団にくるまってまーたあした叩き起こされるんど。みーンな死んだように泥のように眠りこけるど。(お国訛りは全国ごちゃ混ぜど^^・・許されよ)。

「♪高い山から見下ろせば 工場の様子は良けれども 
三度の食事もお決まりで アリャ和布(わかめ)に切干しおから汁」

なーーんも朝飯だけじゃねーよ。三度三度がこれだもの・・後お昼にガッコ(漬物)がついて・・晩にイワシの一匹もつけばご馳走だーよ。この工場の様子じゃ儲かってるだろうによ・・。

俺(おら)だち女工はターダみたいな給金でサ・・文句言ったらあの金歯の奴にドツカれるしサ・・語るも涙の物語りよ。

おさな馴染みで末を誓った吾作アンチャンどうしてるだかな?逢いてぇなー・・帰りてぇなー・・津軽海峡わたりゃすぐ目と鼻の先だによ。

「♪あいたい見たいはかごの鳥 もしもこの身が飛べるなら 
番屋の屋根に巣を作り アリャこがれて泣く声 聞かせたい」

よう我慢したなぁ・・オラもよ・・もう一年経っただよ・・ホラ今年もまた新しいワラシっこが下うつむいてやって来たよ。我慢できると良いダガな・・オラもあと2~3年けっぱって、チーとばかりの貯金(ぜんこ)持って村さ帰るべ。そればかりが楽しみで我慢スてるんだもんな。

ハイ、これでおすまい。
コメント
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