民謡/梅若朝雲(駅前仙人)の徒然日記2007.1.28~

民謡&三味線の師範・釣り・料理など多趣味。

Vol. 244 恩人・・温人

2007-09-18 22:17:06 | Weblog
「迷ひ行く 峠の道は御岳が 雪をかづきて おしひしぎ立つ」

歌集「からまつ」・・筆者佐野英三氏(自費出版)の第一ページ第一首から。
190ページに亘ってキッチリ三首づつ、正確には計566首に及ぶ。
タイトルが示すように、内容は主に氏の信州鈴蘭高原にあった別荘と、その周辺が舞台となっている。どの歌にも静謐(せいひつ)な氏の面影がしのばれる。

氏こそが、若い頃の拙者の独立を可能たらしめた「大恩人」なのである。・・ズット以前に黒電話のくだりでお話した事がある・・と思う。
折節、逢う人毎にその事は良く話すが、終焉(しゅうえん)の頃は誰も人を寄せ付けなかった。押して向わなかった事を後悔しているが、その後悔はいつまでも続いているのである。

さてさて、今夜は何の話かと思いきや・・
メルトモ・・と紹介しておこう。若い娘さんだが「恩人」に就いての文章であった。「どんな時も恩人を忘れたらアカン」と言うような内容で、(実はもっと美文なのだが)・・少なからず反省もし、他の記事を差し繰ってココに登場となった次第で有ります。

どんな人にも、どんな時にもそんな拘わりは起きるものである。もう「恩人」にならなければいけない歳だが、それが又、容易な事ではないのです。その事の大小は問題外なのだが。
拙者、コレでも「ヒーフーミー・・一組の仲人と5~6組の縁組」をサイと共にしてきたのである。皆円満に仲良く良い家庭を作っているが、年賀状一枚(コレはあったかも)電話一本(コレも当初1~2年は)・・後はなしのつぶてである。
幸せならそれで良いが、コチラの思いよりはるかに遠い所で暮らしているようだ(距離ではない)。また、恩に着せるものでも、心算でも更々ないが・・。

そんな日ごろに、思いがけないメールの内容だったので嬉しかったのレス。
恩人・・温人=当て字では有るが、言い得ていると思う。恩人には「温かい人」が普通だ。・・冷酷非情な人が温人となる場合・・あるある有るかも。それは特例だ。通常は「温かい人」が多い。拙者は恩人だらけで不義理を常としている。先の縁組してあげた連中と変わりないではないか・・と反省する今日この頃なのレス。・・が心では常に思っているのレス。

お稽古事でもそうである。月謝払ってるから恩じゃない・・と思っている人も無かろうが、恩に値するものは自らが見つけ出さなければ「コレがそうやで・・」と訓えてくれるものでもないのだ。・・拙者的にも良い反省材料である。

良い機会だ・・氏を偲びながら数ページ読む事にしよう・・秋に相応しい今日の出来事だった・・いまMDでシューベルトが心地よく鳴っている。

なお最後に、氏の従業員に無理を言って、頂いた本が6冊残っている。ご希望があればお送りします。明治生まれの、しかも読書が趣味であった「本屋の社長」さんの歌は、古きよき時代の言葉の香りが漂って、読んでとても心地のよい歌集です。
コメント (2)
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