箕面市では、顧客サービス意識や経営センスを市役所に導入することなどを目的に、民間企業への若手職員の派遣を実施しています。
現在、民間企業で働いている3人からメッセージが届きましたので、順番にご紹介します。第1弾は、ダイキン工業株式会社に昨年に引き続き研修派遣されている村上さんです。どうぞ!
撮れたて箕面ブログをご覧の皆さま、こんにちは♪♪
ダイキン工業株式会社人事本部 人事・労政・労務グループに出向中の村上優と申します。2012年8月からダイキン工業に出向して、まもなく約2年となります。
簡単に自己紹介をしますと、私は社会人5年目で、非鉄金属・廃プラスチックを扱う専門商社から箕面市役所(税務課)に転職し、ダイキン工業出向というご縁があり、現在ダイキンライフ満喫中です♪
≪オフィスにて:オフィスは梅田センタービル22階にあり、箕面まで視界が広がっています♪≫
昨年もブログにてダイキン工業における担当業務を紹介しました。
皆さまもご存じのとおり、ダイキン工業は2011年に「空調グローバルNo.1」を達成し、現在は「不動のグローバルNo.1」として更なる躍進を続けていて新しいイメージのある企業ですが、今年創業90周年を迎える歴史を持つ企業でもあります。
そんな「実行に次ぐ実行」「挑戦に次ぐ挑戦」の精神で猛進するダイキンの魅力をもっと伝えたいと思います。
皆さまは「お客様」と聞くとどんな人たちを想像しますか?
私が箕面市役所税務課に所属していた時のお客様は、「市民の方々」でした。ダイキン工業においてはダイキン製品をお使いいただくユーザー様などがお客様になると思います。
しかし人事本部にとってのお客様は「ダイキンの従業員の方々」です。そして人事本部の役割は従業員が業務を行うための色々なサポートをすることです。
今回は私が携わった業務の中で、従業員のやる気・モチベーションを高める「社長表彰制度」、海外に出向する従業員に対して、色んな面からサポートをする「海外出向者の窓口業務」の2点を紹介します。
■社長表彰制度
昨年のブログでは、“創立記念式典”の中のメインイベントということで表彰式についてふれましたが、今回はその選考過程にスポットを当てたいと思います。
社長表彰制度は、人事本部に社長表彰の事務局を置き、事務局は部長、担当者3人(私も含む)の計4人がメンバーとなり、申請取りまとめ・選考・審査~表彰式までを企画・運営します。
スケジュールとしては、10月に各部門・海外拠点からその年の候補となる案件を、賞毎にエントリーしてもらい、11月から12月にかけて、役員も参加し全ての案件を議論する審査委員会や、賞毎に実施する選考会議を重ねて候補案件を絞り、1月の役員会に上程します。役員会で決定した受賞案件については、表彰金を授与し、より一層の励みとなるように、本社や各工場で行われる創立記念式典で紹介し、表彰式を行います。
どのような賞があるかといいますと、人事本部で扱う賞は全部で大きく下記4つの賞に分かれています。(その他特許表彰もありますが知財部門が担当しているため説明は省きます)
(1)DAIKIN CEO AWARD
ダイキングループの業績貢献に抜群の貢献をなし卓越した功績をあげたチーム・個人におくられます。
(2)DAIKIN COO AWARD
経営方針にそってダイキングループの発展に対して顕著な功績をあげたチーム・個人におくられます。
(3)社長特別賞
時々の経営課題に対して顕著な功績をあげたチーム・個人におくられます。
(1)-1エクセレントプロダクト賞(新商品開発)
(2)-2エクセレントマニュファクチャリング賞(生産・製造技術開発、工法、プロセス技術等)
(3)-3エクセレントイノベーション賞(革新的な仕組みや成果を残したもの)
(4)社長顕彰
不断の努力の結果、他の範となる顕著な成果などをあげたチーム・個人におくられます。
この4つの賞の内、人事本部の事務局は、2回の審査委員会と賞ごとに行う選考会議((1)CEO賞、(2)COO賞、(3)-3エクセレントイノベーション賞、(4)社長顕彰)を主催します。(3)-1、(3)-2については商品や技術等専門的な内容のため、それぞれ他部門が事務局を担当し、選考会議を行います。
昨年は、人事本部事務局が主催する審査委員会や選考会議に参加し、その議事進行を行い、議事録を作成することと、会議で指摘された内容に応じて、エントリーされた申請案件を提出している部門に、調整及び資料の修正依頼・内容の追記依頼等の業務を担当していました。
社長表彰事務局を担当して2年目となる今回は、人事が主催していない(3)-1エクセレントプロダクト賞の選考会議に出席しました。
エクセレントプロダクト賞選考会議とは、空調商品開発やグローバル調達を担当する専務執行役員が議長を務め、各事業部門の部長が選考メンバーとなり、各部門の申請案件を議論します。
その商品にどれだけの業績貢献(売上、シェアおよび収益の高さ)があるのか、技術に差別性があるのか、先進性があるか、という観点から選考を行います。
当たり前のことですが、メンバーの部長陣も自部門の商品については、思い入れも強く、部門のメンバーが苦労して製作した商品を表彰してもらいたいという気持ちがあるので、プレゼンには力が入ります。
しかしその情熱に関わらず、議長は常に「その商品が予算に対してどのくらい実績があるのか」「ライバル他社に対して技術が勝っているのか」という視点で冷静に議論を重ね、候補案件を決定していきます。
「粗利・売上・台数とそれらの対予算比を明確に」等、資料の修正を依頼し、「経営トップへの報告」、「執行役員会」までに、表現がよりわかりやすい資料に修正していきます。
今回プロダクト賞の選考過程で、海外拠点からの申請案件の内、プレゼン資料に記載すべき実績等の情報が、現地通貨で記載されている箇所があり、事務局・申請部門でタイアップし、実績内容をレート換算し、修正を行い、間一髪、選考会議に間に合ったということがあり、非常に苦心しました。
こうして入念にチェックを重ね、役員会で決議された時はわが子たちが受賞されたかのような喜びでした。
≪社長表彰事務局メンバーと打ち合わせ♪≫
今回社長表彰を担当し、創立記念式典で海外拠点から表彰式に参加される方々、各工場から出席される方々を見ていて感じたことは、社長表彰は従業員が一生懸命開発した、成果を上げたことに対して、会社が労い、さらに励みとなるよう鼓舞する制度であり、ダイキングループ全体に良い効果をもたらせているということです。そのような業務を担当できたことは私にとってとても良い経験になりました。
≪プロダクト賞を受賞した除加湿 ストリーマ空気清浄機≫
※温度・湿度の変化に合せて、自動で除湿⇔加湿の運転切り換えができます♪これからの花粉の時期にはぴったり(^^)
■海外出向者の窓口業務
急速なグローバル展開に伴い、現在ダイキン工業の約450人の従業員が海外へ出向しています。海外で生活し、成果を上げるということは、国内にいる以上に大変なことだと思います。海外出向者を私達人事本部は部門とタイアップし、サポートしています。
基本的には海外出向駐在規程に則り、赴任前~赴任中~帰任のサポートをします。赴任前には引っ越し、行政への手続き(転出届)等、生活拠点の立ち上げ等の準備がたくさんあります。アウトソーシング先が事務手続きを行いますが、その際に判断に困った事、イレギュラーな事は人事本部で判断します。
私は、人事の窓口として、他の担当者と一緒に、出向中の方から「このような場合はどうすればいいか」という質問(ほぼ毎日のようにくる!)に、回答しています。また、各種申請は人事本部が決裁者となっているので、決裁を取り、出向者の方に決裁結果の連絡をしています。
特に中国の春節(旧正月:今年は1月31日がお正月)の時期には一時帰国の申請が多く、毎日10~20通くらいメールをしていました。
海外とは時差もあるため、基本的にはメールでのやりとりとなりますが、窓口をするにあたって一番気を付けていたのは‘クイックレスポンス’です。私達窓口からすると「お客様(海外出向者)」との対応は、1対450人ですが、海外出向者からすると、1対1です。考えてみると当たり前のことですが、日々の忙しさにまぎれて、忘れがちなことなので、「相談されたら何らかの返事を返す」と決めて、日々心がけています。
海外業務で楽しかったことといえば、12月のクリスマス&NewYearカードの発送作業です。これは日頃の海外での生活や業務のご苦労をねぎらう気持ちを伝えたいということと、現地での日常生活について、気軽に相談してもらえるよう、人事本部をより身近に、親しみを感じてもらいたいという気持ちで送っています。今年度は受け取られた海外出向者の方々に目でも楽しんでもらえるように、様々な絵柄(和柄、洋柄の計4種)の立体カードを送付しました。また、メッセージに海外勤務担当者の写真を添え、顔を知ってもらうことでより相談しやすいような工夫をしました。
出向者の方からも「担当者の写真があると身近に感じる」「家にクリスマスカードが届いていたのでとても嬉しかった」という声をいただきました。
≪実際送付したクリスマスカードの一部♪≫
海外出向者の方から日々寄せられる質問は、規程に載っていないことが多くあります。急速なグローバル展開に伴って新地域に出向される方も増えています。海外出向者の方から寄せられた声をもとに、今ある申請書を書きやすく簡潔にしたり、海外勤務のしおりの内容をわかりやすくしたり、漏れがないように、かつ相手の立場に立った改善を日々心がけています。また、各地域のバランスを欠かないように規程の見直しも進めています。そういった改善にあたっては、項目によっては組合とも交渉の上、変更していきます。労使ともによりよい規程の設定を目指して勉強の毎日です。
■最後に
ダイキン工業ではたくさんの業務を経験させていただきました。特に「人を基軸においた経営」をかかげている会社で「人」を扱う人事本部では、人をサポートする仕事をたくさん勉強することができました。
行政の仕事も基本は市民の皆さんが「お客様」であり、人事本部で培った、人をサポートする仕事のやり方は役に立つと考えています。
≪今年も担当した永年勤続者表彰式典(昨年ブログ参照)事務局メンバーとパシャリ≫
まもなくダイキンライフも終了となります。丁寧に指導して下さった、ダイキン人事本部の皆さん、一緒にお仕事ができ幸せでした。本当にありがとうございました。
≪人事・健保大旅行@三重≫
※今年は三重県!流行語大賞にもじった「お・か・げ・さ・ま」を合言葉に、鈴鹿サーキットや伊勢神宮を堪能する一泊二日の旅でした。
私は一日目だけの参加♪鈴鹿サーキットの中を見学し、カートに乗って競争♪さりげなく飲み物・お菓子を用意したり、途中で帰る人のためにタクシーを手配したり等、幹事さんのホスピタリティが行き届いた、本当にメンバーを楽しませるよう工夫された人事本部・健康保険組合の合同旅行でした。
<村上さん、ありがとう!箕面市では、現在、ダイキン工業株式会社と人事交流を実施していて、ダイキン工業株式会社から箕面市に派遣されている社員もいるよ!民間企業派遣職員からのメッセージ第2弾もお楽しみに!