大阪鋼巴球迷的博客(だあばんがんばあちうみいだぼーくぉ)

熱烈なるガンバ大阪サポの筆者が、世界で最も多くサッカーファン人口を持つ中国にガンバの名前を広めんと日中二ヶ国語で発信する

磐田戦を前に3バックから4バックへという時代の趨勢について考えてみる

2008-10-17 07:32:34 | ガンバ大阪
来週水曜日はいよいよさいたまでの決戦を迎えるわけだが、その前にリーグ戦で磐田との対戦が待っている・・・と書くと、あちこちからプレッシャーを受けるわけですね。何がって、ここで負けるようなことがあれば残留争いしているチームの関係者・サポの皆さんから何言われるか。まあ、その意味では大宮には今年2敗もして上げているんですから、大宮残留をアシストしているはずなんだけども、あちらさんの現在の順位はご覧の通り。

まあ、それはともかく、ガンバからすれば3-4-1-2のチームと対戦するという意味では仮想浦和と言えるかもしれない。磐田と浦和はもちろんスタイルが違うから一概に比較はできない。しかし、前節の札幌戦で見て取れたのは、磐田は3バックでありながらかつ攻撃的といった前任者時代の論理的矛盾に一つの答えを出したように思える。解説の野々村氏が指摘していた、両サイドが下がって守備的になったとしても要はリスクを冒さずに守りきれればいいというコンセプトは確かに3-4-1-2においてなら理にかなっている。DFの人材的には田中誠のような3バックのリベロタイプに加賀のような(札幌時代からずっと)3バックのストッパータイプを擁するチームに4バックという選択はないし、人材がいても今の段階でDFシステムを変える猶予はない。むしろ今の置かれたチーム状態、3バックしかないことと、両サイドが下がってしまうという悪癖を逆手にとってオフト監督は残留仕様のチームに立て直したというところか。攻撃に関しては中央からの攻撃とセットプレーで点が取れればそれでOKなのだから(札幌戦では前半CKで2点挙げている)。

私自身このエントリで磐田の現状を揶揄しようとかいう意図は全くなく、むしろ現時点で一番ロジカルな選択をしたということは認めてはいる。ただ、これはガンバにも言えることなんだけども、欧州トレンドが数年たった後に日本に上陸してきている流れで、多くのチームが3バックから4バックへ大きな転換が起こっている時期においてガンバも磐田も3バックというものに拘りすぎたかな、とは思う。ガンバも勝てない8月において、カントクは従来と同じようにうまくいかない時に3バックに変更して建て直しを計ったのだけども、これまで以上に、他のチームに徹底して3バックの両サイド(特に左サイド)を狙われるようになった。前がかりになればなるほど3-4-1-2のシステムが破綻していく。従って今このシステムが成り立つのは浦和や大分や横浜FMのような堅守をベースにしたチーム(というかシステムが守備的にさせてしまう側面もあるのだが)においてということであり、だから前述したように3バック(というか3-4-1-2)と攻撃的というのは大きな論理的矛盾と言えるのである。その意味では磐田にとって大事なのは今年残留することもさることながら、残留してから来年以降どのような戦術システムでどのようなチーム編成をするかではないだろうか?

そのヒントは千葉にあるかもしれない。千葉は今年3バックから4バックへの変換を行ったのであるが、DFを見てみると去年に比べるとストヤノフや水本といった3バックタイプのDFを放出する代わりに、サイドバックの人材を見つけ(それがウチにいた青木良太というのは驚きだったが)、更にCBにボスナーという4バックにうってつけの人材を連れてきている。つまり、今後4バックが主流になっていく上で、今まで典型的な3バックタイプだった選手たちは以下のオプションから自分の居場所を見つけないといけなくなるかもしれない:

1.4バックのチームに残る場合

・4バックのセンターとして適応できるように努力する

(それができない場合)
・ボランチをやる(京都におけるシジがそう)
・サイドバックに居場所を求める(4バックにはSBが必要であるからそこにはチャンスがあるのだが)

2.他のチームへ行く場合

・今では数少ない3バックのチームに移籍する
・4バックでも一つカテゴリーを落とす(札幌時代のブルーノのようにJ2でなら4バックのセンターができるという選手がいるかもしれない)

その意味で、今年のガンバの補強失敗の一つの原因は、3バックのチームから水本や福元を入れていきなり4バックになじませたところにあったと言えるかもしれない。その教訓を生かして来季はシーズン通して4バックを維持できる為の補強ができるか、外国人枠1人とアジア枠を有効に使えるかどうかがカギを握るとは思う。

そして4バックというチーム編成を考えると、もう一つ気になるのはオーストリア滞在中のあの人の処遇である。手術後プレーできる状態に戻ったとはいえ、ベンチに入る機会すらない、となると来年1月の移籍市場において放出される可能性が極めて高い。となると、古巣復帰という選択が考えられるのであるが、今のガンバには残念ながら彼の居場所は用意されているわけではない。かといって、これまでの貢献度や知名度、そして引退後の彼の頭脳の必要性を考えると、一概にいらんともなかなか言いにくい。ここでも磐田同様、過去の功労者をどう扱うべきかという問題にガンバもぶち当たるんだけども・・・