ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

彼岸花

2013-09-20 | Weblog
この季節になればいつもマンションの池の周りに10本ほどの彼岸花が咲く。
私の秋は、つくつくぼうし、鈴虫、彼岸花という順番に来る。

気になって目が離せないくせに、好きなのか嫌いなのかわからない花なのだ。

曼珠沙華という別名は知っていたけど、調べてみたらその他にもいろんな異名があるようだ。
死人花、幽霊花、地獄花なんて呼び名は、古くから不吉で忌み嫌われていたことを連想させる。
その反対に、天上の花と言われて、めでたい兆しとされることもあるらしい。
葉と花が同時に出ないことから、「葉は花を知らぬまま花を思い、花は葉を知らぬまま葉を思い」というところで相思花とも言われている。

摘んで持ち帰りたいとは思わない。触れたいとも思わない。でもいつも見入ってしまう。

埼玉県の巾着田というところに、5万本もの彼岸花が群生しているところがあるそうだ。
写真を見ても、美しいのか怖いのかわからない。

田舎のあぜ道なんかに咲いているくせに人を寄せ付けないところがある。
淋しげに燃えている。拒絶するように誘っている。
葉は毒にもなり薬にもなるらしい。

相反するものを同時に持っている彼岸花は、
やさしいふりした悪女のようだ。あるいはその反対。

やっぱり好きなのか嫌いなのかわからない。





























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