何度もその手の方々にせがまれて披露したが、その場合はその方々の専門以外のジャンルで披露する。荒探しや音楽評価を避ける為にである。で、その手の方々は知らないジャンルには釘付けに成る。特に、理論を知っている音楽人の場合は平均律を使うジャズやボサノバ、フラメンコ等は効果的で食い入る様に指を見ている。ところが、評価となると自分の不可能な弾き方と旋法にヒガミじみた言葉を発する方も居るのである。弾かせておいて失礼な話である。ギター趣味の方なら、フラメンコ旋法を掻き回せば大概は、目は白黒、口は開けッ放しだ。
やはりよく言われるのが、演奏会もしくはギター演奏のサービス。これ要望を頂けば行うのだか、何せ料理をしたり洗い物したりで手指は常に濡れギターを弾く爪もふやけていて直ぐには弾けないのである。お客さんもギターなんて簡単に思っているらしく「チョロチョロと弾いてよっ!」と、こうきたもんだ。で、乾燥する迄待機して披露する訳だが、失礼ながら要望された方の音楽レベルや好みを探って度合いを考慮して弾く。演奏趣味の方、音楽趣味の方、唯聞く方と演奏技術を分けて弾く。緊張するのは、楽器の演奏趣味人と音大出、音楽教師だ。
和食時代に父母の店では、来客時のお茶と食後のお茶の種類を変えていた。また、ファミレスでコーヒーのお代わりを巡回していたが、二杯が違う豆なら素晴らしいなっ!とも思っていてへんな洋食屋では実践して15年に成る。これは手間である。特に、嫁さんは手間である。今では儀式的ですらあるがとにかく喜んで貰っている。何からヒントを頂くかは、観察と興味、そして実践である。で、だから儲からない訳だなっ!手間や原価を簡素にしたらもっと儲かると思うが、そこは趣味的要素が強く下げられない心使いなのである。音楽サービスも考慮。
お店でサービスする食後のコーヒーがおいしいと年中言われ、どこ産?とか高いんでしょ?と聞かれ困惑している。サービス・コーヒーだから高価な豆を使用は出来ないのである。しかし、毎朝オイラは気温や湿度を考慮して二種類のブレンドを造る。造ると言っても配合仕込みをする訳だが、提供のタイミングはホールを担当する嫁さんが食直後を見計らう事で美味しく飲んで頂いている。デミタスカップで二種類の味を試して貰う事でお客さんも満足してくれる様だ。実際、二種類のコーヒーをサービスする飲食店も珍しいであろうがヒントは有った。