梟の独り言

色々考える、しかし直ぐ忘れてしまう、書き留めておくには重過ぎる、徒然に思い付きを書いて置こうとはじめる

遠州灘の天の川

2022-10-10 15:57:34 | 昭和の頃
「島の日暮れの段々畑、紺のモンペに涙がほろり、ほろほろり、
会いたいなあ、あの人に、子供の昔に二人して一番星を、え~えさがしたね」
誰の歌だったか、島倉千代子の歌だった気がする
調べてみたらそのままの「会いたいなアあの人に」と言う歌だった
出たのは昭和31年だったので23年生まれの私は8才と言う事か、
それにしてはずいぶんはっきりと覚えているな
一番星見つけた、と言うと言う動揺があったがよく覚えていない
確かに子供の頃は夕闇が迫る頃姉と一番星を探した記憶がある
東京に出て来たのは昭和38年の9月だがそのころは未だ東京でも星空はあった
いつ頃からか、東京の空から星空は消えてしまった、一番星どころか一晩中見ていても恐らく星は見られないだろう、
むろん23区の周辺だけで西の方に行けばまだ見えるかもしれない
20代後半頃喫茶店を根城に集っていた悪童どもは皆就職上京連中ばかりで都会的なカッコいい遊びは苦手な奴ばかり、
ある日何となく「どっかにドライブするか?」と言う話が纏まって自分の田舎に行くことになった、
車3台に分乗して深夜の東名高速を御前崎に向かう、仕事も出身地も違う連中で栃木と山梨、北海道と言う組み合わせで「夜の海を見よう」と言う事になったので「御前崎の先に千浜の砂丘と言う所がある」と私の提案で店が終えた11時過ぎに出かけることになった、
アルバイトの女の子とその友人と言うのが東京生まれの短大生で「見たい」と言うので便乗する、


季節は正確には覚えていないが夏ではなかったことは確かで遠州灘の空は雲一つなく真っ暗な海面が満天の星空を水平に切り取っている
彼女たちが「初めて見た!」と言う天の川が中天を覆い、反対が山の峰で切り取られていた、
この二人はもう一つ初めての経験をする、
「こっちに来ないで!」と砂丘の向こう側に行って二人背中合わせで“おしっこ“をして来たのだ
「波音を聞きながら星を眺めてなん最高」とはしゃいでいたが良い仲間だったな
女房も東京うまれで東京育ち、旅行でそんな空を見て「綺麗だけどこんな寂しい所は絶対いや」だそうだ
自分も東京に住んで60年になろうとしている、田舎暮らしも良いがやはりこの喧噪の東京で生きてゆくんだろうな