☆上記の写真は、木境展望所から眺めた<にかほ市>方面の風景である。
・・・11月12日(木)
私は、鳥海山の峰々の原生林を縫う象潟矢島線を車で走りつつ、鳥海ダムを目指していた。
気分は、やや憂鬱であった。
昨夜、かつての親友が死んだのではないかと言う報告を受けたからだ。
運転し、爽やかな光景を眺めつつも、心の片隅にモヤモヤした気分があった。
数々の思い出が心をよぎった。
車のトランクを探すと、その親友・中谷君と千葉でつるんでいた当時によく聴いていたテープがあった。
全盛期のモーニング娘。や、AIKOや椎名林檎、宇多田ヒカルやHitomiがダビングされていた。
何で、女ばかりかと言うと、ダビング担当の「ポプラ並木」君が、女の歌手ばかりをレンタルしてきてダビングしてくれたからだ。
(「ポプラ並木」君について知りたい方は、以下のエントリーをクリック!!)
[名作劇場・ソープランド(2004/04/27)]
モーニング娘。の元気な楽曲や、AIKOの切なさ、椎名林檎の情念をBGMに、私は、中谷君や、もう一人の仲間・岡村君たちとの楽しい日々を思い出していた。
とにかく、私たちは、「レット・イット・ビー」に過ごしていた。
詳しくは、シリーズを改めて記すことになるが、
飲む、知り合う、その女を追って、隣り町へ。
と言うことを毎日のように繰り返していた。
仕事の時間以外は、予定は未定で、思いつきで行動した。
東金の「何とか」と言う飲み屋で女が働いている、と聞くと、さすがに東金にもたくさんの飲み屋があって見つかりっこないのに行って、何故だか、うまく再会できて、飲んだくれて寮に帰ってきたものだ。
この頃、不謹慎だが、飲酒運転を当たり前のようにしていた。
そして、中谷君は、とてつもない事故を起こすのだが、それについては後日記す。
◇
象潟矢島線に右折の林道があった。
ここを通ると、鳥海ダム建設予定地まで近そうだった。
反対側から来ると、その林道には青看板表示があった。
ちょいと進んで青看板を見る。
その林道は、金ヶ沢に至ると言う。
鳥海ダムへの近道だ。
私は進入した。
◇
すぐに、大きな石の「砂利道」になった。
タイヤに影響がないのか心配だ。
横には、山小屋みたいな家屋があるが、戸や窓は打ち付けられていて閉鎖している。
更に進むと、山道の坂道だ。
慎重に進む。
が、大きな水溜りがあった。
恐る恐る進むと、どうにかかわせた。
しかし、また、水溜りがあった。
「切りがないな」と思いつつ、進む。
私は、短時間のうちに、あまりにも行く手を阻む障害が目白押しなので、この道に不審を抱きつつも、とりあえず進んでいた。
沢があった。
記念に撮っておく。
水溜りの道を慎重に進んでいくと、分かれ道があった。
どちらがメインなのかは分からなかったが、明るいほうに行く。
このような「迷宮的分れ道」は非常に危険だ、と私は直感した。
しかも、その細い直線山道は、湿地帯の中にあった。
イメージとしては、脇を流れる小川が溢れて、山道を小川に変えていた。
100メートルほど進む。
歩くよりも遅いスピードで、車を走らせる。
「慎重に、慎重に」と呟く。
「これが樹海か」と思ったら、パッ! と閃いた。
「確実に、この道を進むと、死ぬことはないが、遭難する」と。
私の危機感知能力は非常に高い。
それを、私は「本質直感」と呼んでいる。
私が、かつて、評論家の西尾幹二を「師匠」と仰いでいたのは、西尾幹二に「本質直感」が備わっていたからだ。
理屈よりも先に、確実に当たっている答えが見通せるのである・・・。
しかし、西尾幹二は、年齢とともに、その「直感」を「妄想」に変質させていった。
人は、能力を失ったとき、違う生き方を見つけなければならなかった・・・。
幸い、私には、まだ、その能力が失われていない。
周囲の空気と、これまでの経験が、これ以上の進行を危険と告げていた。
・・・引き返すことにした。
「私は、まだまだ死ねないからな」と思った。
このまま、死んだら、それこそ犬死に・・・、「騒がし屋」で人生が終わってしまう。
せめて、何かを成し遂げなくちゃならない。
それまでは、無様に生きのびさせてもらうよ、中谷君・・・。
私は、細い道を、往路にも増して慎重にバックした。
◇
かなり厳しいビッツの姿である。
ブナの原生林を抜け、木境展望所で一服したあと、<開山神社>に立ち寄った。
ここは、鳥海山の道者道を開いた、比良衛・多良衛の兄弟を祀っている神社だそうだ。
いちお、この地とは関係ないが、中谷君のことを想って祈った。
「悪いが、俺は、情けなくも生きる!」
・・・身を残してこそ浮かぶ瀬もあらぁ。
(2010/01/04)
・・・11月12日(木)
私は、鳥海山の峰々の原生林を縫う象潟矢島線を車で走りつつ、鳥海ダムを目指していた。
気分は、やや憂鬱であった。
昨夜、かつての親友が死んだのではないかと言う報告を受けたからだ。
運転し、爽やかな光景を眺めつつも、心の片隅にモヤモヤした気分があった。
数々の思い出が心をよぎった。
車のトランクを探すと、その親友・中谷君と千葉でつるんでいた当時によく聴いていたテープがあった。
全盛期のモーニング娘。や、AIKOや椎名林檎、宇多田ヒカルやHitomiがダビングされていた。
何で、女ばかりかと言うと、ダビング担当の「ポプラ並木」君が、女の歌手ばかりをレンタルしてきてダビングしてくれたからだ。
(「ポプラ並木」君について知りたい方は、以下のエントリーをクリック!!)
[名作劇場・ソープランド(2004/04/27)]
モーニング娘。の元気な楽曲や、AIKOの切なさ、椎名林檎の情念をBGMに、私は、中谷君や、もう一人の仲間・岡村君たちとの楽しい日々を思い出していた。
とにかく、私たちは、「レット・イット・ビー」に過ごしていた。
詳しくは、シリーズを改めて記すことになるが、
飲む、知り合う、その女を追って、隣り町へ。
と言うことを毎日のように繰り返していた。
仕事の時間以外は、予定は未定で、思いつきで行動した。
東金の「何とか」と言う飲み屋で女が働いている、と聞くと、さすがに東金にもたくさんの飲み屋があって見つかりっこないのに行って、何故だか、うまく再会できて、飲んだくれて寮に帰ってきたものだ。
この頃、不謹慎だが、飲酒運転を当たり前のようにしていた。
そして、中谷君は、とてつもない事故を起こすのだが、それについては後日記す。
◇
象潟矢島線に右折の林道があった。
ここを通ると、鳥海ダム建設予定地まで近そうだった。
反対側から来ると、その林道には青看板表示があった。
ちょいと進んで青看板を見る。
その林道は、金ヶ沢に至ると言う。
鳥海ダムへの近道だ。
私は進入した。
◇
すぐに、大きな石の「砂利道」になった。
タイヤに影響がないのか心配だ。
横には、山小屋みたいな家屋があるが、戸や窓は打ち付けられていて閉鎖している。
更に進むと、山道の坂道だ。
慎重に進む。
が、大きな水溜りがあった。
恐る恐る進むと、どうにかかわせた。
しかし、また、水溜りがあった。
「切りがないな」と思いつつ、進む。
私は、短時間のうちに、あまりにも行く手を阻む障害が目白押しなので、この道に不審を抱きつつも、とりあえず進んでいた。
沢があった。
記念に撮っておく。
水溜りの道を慎重に進んでいくと、分かれ道があった。
どちらがメインなのかは分からなかったが、明るいほうに行く。
このような「迷宮的分れ道」は非常に危険だ、と私は直感した。
しかも、その細い直線山道は、湿地帯の中にあった。
イメージとしては、脇を流れる小川が溢れて、山道を小川に変えていた。
100メートルほど進む。
歩くよりも遅いスピードで、車を走らせる。
「慎重に、慎重に」と呟く。
「これが樹海か」と思ったら、パッ! と閃いた。
「確実に、この道を進むと、死ぬことはないが、遭難する」と。
私の危機感知能力は非常に高い。
それを、私は「本質直感」と呼んでいる。
私が、かつて、評論家の西尾幹二を「師匠」と仰いでいたのは、西尾幹二に「本質直感」が備わっていたからだ。
理屈よりも先に、確実に当たっている答えが見通せるのである・・・。
しかし、西尾幹二は、年齢とともに、その「直感」を「妄想」に変質させていった。
人は、能力を失ったとき、違う生き方を見つけなければならなかった・・・。
幸い、私には、まだ、その能力が失われていない。
周囲の空気と、これまでの経験が、これ以上の進行を危険と告げていた。
・・・引き返すことにした。
「私は、まだまだ死ねないからな」と思った。
このまま、死んだら、それこそ犬死に・・・、「騒がし屋」で人生が終わってしまう。
せめて、何かを成し遂げなくちゃならない。
それまでは、無様に生きのびさせてもらうよ、中谷君・・・。
私は、細い道を、往路にも増して慎重にバックした。
◇
かなり厳しいビッツの姿である。
ブナの原生林を抜け、木境展望所で一服したあと、<開山神社>に立ち寄った。
ここは、鳥海山の道者道を開いた、比良衛・多良衛の兄弟を祀っている神社だそうだ。
いちお、この地とは関係ないが、中谷君のことを想って祈った。
「悪いが、俺は、情けなくも生きる!」
・・・身を残してこそ浮かぶ瀬もあらぁ。
(2010/01/04)
超買い残(ちょうかいざんで、こんな変換になってしまった・・)・・もとい、鳥海山(ちょうかいさんでした)は、おさなかりしころより、ずっと眺めてきた山です。
一応出羽富士などと呼ばれております。
いい山ですよ。
中学校のときに一度煙を出しましたが、その後30年間はおとなしいままです。
ただ、今回の鳥海山篇は、秋田側です。
この後、岩手に行きまして、その後に、ちゃんと山形にも行きますので、気長にお待ち下さい^^;
確かに、鳥海山は素晴らしかった。
空気が澄んでいるので、山頂までも見えました。
あの山を見て育ったら、いい心持ちの人物になれるでしょう^^
だから、私に誰か、お嫁さんを紹介してちょ^^;
彼女が眺めたのは、月山ですな。
納豆カレー、結構好きです。
うちのゲテモノ好きな長男と、たまに食します。
保守的な末っ子は、絶対にだめです。
続きを楽しみに待っております。
>>うちの娘(大学3年)を紹介
いやいや、勿体無いです。
sakuraiさんの近所の妙齢の女性がいましたら、お願いします^^;
いや、保守的な末っ子が女の子でしたら、そちらを・・・、・・・^^;;;;;;