『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『サロゲート』を観た]

2010-01-23 23:48:58 | 物語の感想
☆これ、素晴らしいですね。

 色んな意味でいい。

 先ずは、ジョナサン・モストウ監督的にである。

 私は、ジョナサン・モストウ監督『ターミネーター3』の完成度は低いとは思っていない。

 女性ターミネーターや、物語の終幕の余韻など、『1』『2』に劣らないと思っている。

 『4』の評価と同じで、映画似非保守は、今後も『ターミネーター』の続編が出来ると、永遠に酷評し続けるのであろう。

 かくして、ジョナサン・モストウ監督はしばらく映画作品を監督していなかったようだ。

 しかし、『ターミネーター』を生んだキャメロン監督が『アバター』を公開した今、テーマ的に重なる作品をぶつけてきた。

 そして、表現の違いはあるが、けして劣らない作品を作り上げた。

 そこには、ターミネーターの如き機械人間が現われ、その女性版が派手な戦いを見せてくれる。

 そして、何よりも、夫婦・家族の絆と言う情の深い物語を展開させてくれている。

 その叙情たるや、非現実的な話の中でリアリティを構築している。

 クライマックスの「ダイイン」みたいな「滅びの美学」は、一昨年の傑作『ブラインドネス』を彷彿とさせた。

 この監督には、作家性がある。

 私は、この監督の『U-571』も大好きだ。

 これからもガンガン撮ってね^^

   ◇

 そして、ブルース・ウィリスである。

 久し振りに、ブルース・ウィリスを見たような気がするのだが、肩の力の抜けたいい演技を見せてくれていた。

 先に、同じアクション俳優のニコラス・ケイジが、『ノウイング』で、同じく太文字の「ニコラス・ケイジ」ではなく、作品の一部として名演しているのと似たものを感じた。

 「サロゲート」とは、未来において、携帯電話並みに社会に普及している<実生活全般の代役を行なってくれる個人固有のロボット>のことである。

 これまでのブルース・ウィリスっぽさは、ウィリス演じるFBI捜査官の「サロゲート」がケレン味たっぷりに見せてくれる。

 「サロゲート」の<ネカマ>みたいのもいるのだが、主人公は若くしているが自分に似せている。

 いや、町中に「サロゲート」が溢れているんだけど、その微妙な無機質さが最高である。

 最近の女性のメイキャップ傾向は、完全に「サロゲート」化してきているので、そういった意味でも、社会批評的な面白さに充ちた作品だと思う。

 傑作である。

 ・・・が、人間の危険をサロゲートに肩代わりさせるのが主要な「サロゲート」の存在意義なのだが、「サロゲート」はおろか、それを「操縦」している自宅の持ち主までも殺されることが、本作品の最大の謎なのだが、そのカラクリ及び真相がいまいち観ているこちらを驚かしてくれないのが欠点だ。

 うまくやれば、異世界の構築と、その中での合理的な謎解き物として、山口雅也や西澤保彦の本格ミステリのような面白さも付加できたと思うのだが、惜しい。

                                         (2010/01/23)
コメント (5)
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[映画『オーシャンズ』を観た]

2010-01-23 18:47:27 | 物語の感想
☆定期的に上映される自然を描くドキュメントである。

 私は、有名な『アース』や『ディープ・ブルー』を観ておらず、されども、『ミーア・キャット』『クヌート』は観てしまったと言う「負け犬」である^^;

   ◇

 この手の作品についての感想は月並みなことしか言えないけど、面白かった。

 画面たっぷりに広がる海洋の姿が素晴らしく、

 イグアナってあんな風に水中を行くのかと感心し、そのイグアナが何かを食うときの「クチュクチュ」と言うなんかうまそうな音に苦笑い・・・、

 ジュゴンは「バフバフ」言いながら水草を食い・・・、

 人間を魚類に例えるのは良くないと言われるが、そこここに、見知っている人間のような魚のドアップが立ち現われ、その吐息をつくさまが面白く・・・、

 アザラシやオットセイなどは、更に人間に近く、近所の円らな瞳の禿頭のおじさんのようで・・・、

 イワシの群れは、その一匹一匹がドットとなりて、変幻自在の球体と化しており、私の目を釘付けに・・・、

 魚群には、サメが襲い掛かり、空中からは水鳥が突っ込んで、しまいにはクジラも参戦して、それは大スペクタル戦争描写のようで・・・、

 数々の生物が、私には『エヴァンゲリオン』の「使徒」を髣髴とさせ・・・、

 シャコとカニのデスマッチに、私は「痛み」を感じ・・・、

 オットセイは、シャチに「サドンデス」を喰らわせられ・・・、

 生まれたばかりのウミガメは、鳥にさらわれ・・・、

 ・・・割りと抑え目の文明批判や自然破壊への警鐘に共感さえする。

   ◇

 しかし、あれは切なかった。

 「フカヒレ」のために、網に掛かったフカが、ヒレや背びれ、尾びれを断ち切られ、生きたまま海に戻される強烈なシーンだ。

 フカは、もう、身をよじりつつ沈んでいき、海の底で死ぬを待つだけなのだ。

 このような現状は、10年ほど前の新聞で知っていたが、映像で見せられるとショッキングだ。

 いや、私が言いたいのは、2点だ。

     1・苦しませずに、楽にしてやってくれ(殺してあげて)

     2・生き物の生命を奪うのなら、その生命を十全に活かしてくれ

 フカヒレ部分だけカットし、その後のフカの生活維持が困難な状況で、生きたまま海に戻すような暴挙、・・・生命への冒涜は許せない。

 あと、このフカヒレカット作業は、おそらく、中国の漁船によるものと思われるが、画面上では日本人の漁師のように見えるのである。

 同じ黄色人なので似ているように思われようが、中国人と日本人とは、明らかに装備が異なると思うのだ。

 だが、画面上の漁師は、日本人の装備のように見えた。

 フカヒレカット作業が日本人によるものならば言語道断で、即刻、法的措置を取らされるべきものである。

 私は、「活け造り」も、悪趣味の極みだと思う。

 しかし、この作品の作り手が、捕鯨に関する考え方の違いから、日本人への憎悪から、日本人漁師と、中国人によるフカヒレカット作業をコラージュしているとなると、これは大問題である。

 どなたか、調べてくれないかな。

                                         (2010/01/23)
コメント (2)
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