「はじめて書き下ろす歌手」シリーズも
今回想定した 加川明 さんで26篇め。
先日はNHK「BS新・日本のうた」への出演も果たし
ますます今後が期待されるベテラン歌手です!
「おとこ川」
かえり見されない ドブ川の
泥の水にも 凛と咲く
花もあろうさ 蓮の花
今に見ておれ どでかい夢を
咲かせてみせると 奥歯を噛んだ
あの川は のぞみ川 おとこ川
情けをもらって 借りばかり
うずく心を 抱きながら
すまぬ すまぬと 詫びを云う
酒は死ぬまで 呑めるじゃないか
女は惚れたら 添えるじゃないか
あの川は がまん川 おとこ川
すり傷 切り傷 人生は
無傷 無垢じゃ 生きられぬ
命あるだけ もうけもの
一歩 足踏み 二歩 踏み出して
亀よりのろいが 渡ってみせる
あの川は あした川 おとこ川
ひとこと:芸能生活48年の加川明サンを歌手として
演歌のカテゴリーで括るには本人には不満かもしれ
ない。これまでのディスコグラフィーを見ても演歌を
思わせる作品はほとんどなく、この書き下ろ詞も
無意味かとも思うが先日のNHK BSに出演では堂々
股旅ものを唄って存在感があった。SNSでは情報発信
も活発なだけに自分としては演歌でも決定打が欲しい
と願うだけにあえて王道の男歌を書き下ろした。
歌世界に限らず根性や野望を秘めた男たちは
自身の存在と成功を信じて世間に立ち向かう。
雌伏の時も逆風の時も人生という川を渡ってゆく…