間違いでした と 聞けたなら
どんなによかったことだろう
まるで予期せぬ出来事を
躰ふるわせ 受けとめたとき
気が遠くなる 目眩に襲われた
手くらがりの 迷いの日々に
月あかりの光をくれた
やっとここまで来れたのも
すべては君と 出会えたからこそ――
やめてもいいさ が くちぐせの
こだわり持たない君だった
つんのめるほど探してた
心ゆさぶる 軌跡(かたち)を遺し
手のとどかない はるかな星となる
気むずかしさと 翳りを秘めて
あといくつも生まれるはずの
愛と涙のすじ書きを
紡いでいけたはずだというのに――
無関心を装いながら
もの見る眸は 冴えわたっていた
いつも別れる間際には
また会おう と 君は言ったよな
また会おう と 君は言ってくれたのに――
ひとこと:今日のこの書き下ろ詞は杉本眞人サンの盟友でもあって
数え切れないほど多くのヒット曲を量産した ちあき哲也 サンを
イメージして書き下ろしたもの。
杉本サンには ちあきサンが亡くなったあと追悼の思いをこめて発売された
作品があるが私は私なりに ちあきサン寄りに思いをこめて
この詞を書き下ろした。
というのも全盛期の ちあきサンの詞には独特の感性と視点が
どの作品にも表れていてそれらを興味深く注視し発売のつど関心も高かった。
後年はいささか、な部分も感じたが亡くなってみるとまさにこの詞の
とおりの思いに苛まれ残念な思いでいっぱいだ。
あまりに早すぎて喪失感を味わった。杉本サンのLiveでも目立たずに
ひっそり来場していた姿が思い浮かぶ。音楽業界のどんな団体にも属さず
まさに孤高を貫いた作詞家だった。この書き下ろ詞も早くから出来上がって
いたが今回ようやくブログでUPすることが出来る。
さて杉本眞人サンは今日が誕生日。
このブログでは「鈍空の雁」を書き下ろしている。
4月も今日で終わり。5月はまたジャンルを問わずバラエティに富んだ歌手を
想定した書き下ろ詞を多くUPする予定です。どうぞアクセスしてください。