❤いつも心に詞(うた)を置いて!🎤            🎼あの歌手あのartistにこの詞(うた)を!🎶

★恋の歌・愛の歌 おとこ唄・おんな唄 ★毎日が書き下ろ詞 
★附曲歓迎! 歌詞&タイトルの無断使用を禁じます。

「Walker in the Park」 林あさ美

2012年10月31日 | 歌謡曲女性歌手
林あさ美4

Walker in the Park 私は今日も歩いてる
いつまでたっても 心は曇り日のまま
吹き過ぎる風 越えてしまえば
わだかまり 消えるはずなのに

どこから来て どこまでゆくの
パートナーのいない旅 同じ場所ばかり
なじんだシューズ お気に入りタオル
誰も気にとめる 人はいない
昼下がり 木々はゆれて Walker in the Park
歩く

Walker in the Park あなたの影がついてくる
ルートを変えたら 木立ちに迷いこむだけ
低くとぶ鳥 影をくわえて
遠くへと 棄ててくれますか

半年先 一年あとも
ここだけは譲れない 好きな場所だから
なじんだシューズ お気に入りタオル
季節変わるたび 恋に惑い
夕暮れの 霧にぬれて Walker in the Park  
公園2

Walker in the Park 誰かが通り過ぎてゆく
Walker in the Park あなたもいつか遠ざかる
          あなたもいつか遠ざかる


よもやま:歌手生活16年目の林あさ美サンにも3篇をUPしている。
・ずばり尾道を舞台に恋しい人を待つ「尾道情話」
・京友禅の最高級品に描かれた柄をイメージした「流れ櫻」
・愛というステージに立った女性が区切りをつけ
 また新たなスタートをきるというドラマチックな「カーテンコール」
 この詞は大変反響があった。
最近とみに歌唱力が増した彼女だけに飛躍を願って書いたのは
なんと横文字のタイトル。恋をなくした女性が公園をウォーキングしながらの
心象を書いた。
 

「姉おとうと」 西尾夕紀

2012年10月29日 | 演歌女性歌手
西尾夕紀3

あなたの代りに 死ねるなら
いつでもあげるわ わたしの命
 やるだけ戦(や)って それでも戦(や)って 
 どうにもならない 結末(おわり)でも
 枝にひとつの 実を残す
それでこそ それでこそ
わたしの弟 弟だもの
実

早くに亡くした 父と母
なろうと決めたの あなたの影に
 泣いてもいいの 泣くだけ泣いて
 涙のむこうに 来る明日を
 ともにあなたと 信じたい
いつだって いつだって
わたしの心は あなたのそばに

ときどき帰って 来なくても
三面記事には ならずにいてね
 誰かのために チカラを貸して
 どんでん返しに はまっても
 恨む人など いやしない
それでこそ それでこそ
わたしの弟 弟だから


よもやま:西尾夕紀サンには年1篇ごとに3篇をUPしてきた。
・彼女のレパートリーにはない異色の酔唄もの「あんちゃん」
・彼女の出身地、青森県の津軽線をモチーフに「津軽 おんな駅」
・一緒になれなくても尽すことで幸せを感じている女性をテーマに「残り月」 
抜群の歌唱力の歌手には書き下ろす詞にもついついチカラが入る。
今回は姉弟をテーマに、ガンバル弟とけなげに強く見守る姉という設定。
歌手生活20周年、ますますの飛躍を願う歌手のひとり。

「風の凍笛」 大川栄策

2012年10月28日 | 演歌男性歌手
大川栄策2

それが罪だと 責めるひと
罰に泣くよ と 嗤うひと
 あなたたちには 分からない
 血しぶきあげて ほとばしる
 愛にちぢめる ふたつの命
  寄せて鳴る鳴る 風の凍笛(ふえ)
笛

捨ててちぎって 消した過去
なんで他人に 戻れよう
 欲しいものなど なにもない
 その眸に宿る 焔(ひ)があれば
 堕ちて悔いない 奈落の宿命(さだめ)
  越えてゆけます 情人(おとこ)みち

夢でこの世が 渡れたら
楽になれます どなたでも
 細くみじかく 生きようと
 激しく熱く 燃えてこそ
 愛の成就は のちのち残る
  胸をつんざく 風の凍笛(ふえ)


よもやま:女性歌手が続いたので今日は男性歌手です。
ベテラン大川栄策サンにはもっと書いていたと思ったが
「さんざし雨情」「挽歌の酒」でどちらも男歌。後者は我なりに好きな詞。
大川サンはここんとこ新曲発売も順調だが、前作「昭和放浪記」はタイトルが水前寺清子と同名異曲。
「おんな川」は旧アルバム収録「情け川」のタイトルを変えての再録もの。
なんだかなぁ~という感じだ。
さて今回は女歌を書き下ろしたが、激しく熱い男女の愛を
かなり気合いの入った詞で表現した。そしてそこには二人をきつく結ぶように
寒風のなか微塵もなく鳴る笛が響き渡る。
いっとき昭和の演歌では和楽器をふんだんに取り入れた編曲が多く
そういった作品は大好きだった。村岡実、本條秀太郎、山内喜美子など
そうそうたる奏者が演歌の作品に参加していたものだ。
今では編曲も打ち込みが多くデジタル音ばかりで生演奏が少なくつまらない。
通信カラオケじゃあるまいし、オリジナルはいい音で聴きたい。
そしてこの詞の笛奏者のイメージは尺八ばかりか笛の奏者でも一流の藤原道山さんだ。
道山

『この歌手のお勧め曲』1.「あなた あじさい 人の妻」2.「路傍の花」3.アルバム「孤独の唄」

「よるがお」 キム・ヨンジャ

2012年10月27日 | 好きな映画・心にのこる映画
キム

誰がほんとの私を 知っているでしょう
知られたくない 教えられない
 背中合わせの あぶなさを
 生きてみる… それが今の私 慰める
 たったひとつの救いだから

 誘われる昼間より 
 誘う夜に燃えたい
 長く女つづけて 
 はじめて私は女になれた
カトリーヌ

どうせ世間は 小細工めいた仕組みなら
流れたくない 変わるしかない
 表ばかりを 見てるより
 断ち切れる… せめて熱い何か 欲しいだけ
 背くつもりはないのだから

 陽に映える花よりも 
 闇にひらく夜顔(よるがお)
 べつの女 演じて 
 はかない命で終わるもいい と

夜顔

よもやま:1977年の日本での歌手デビュー以後、35年目になったキム・ヨンジャ。
このブログでは3篇UPしていて
・映画「EYES WIDE SHUT」 をイメージにたいそうエロティックで官能な「月光雨」
・2011年に亡くなった何人かの歌手への哀悼をこめた「手向け舟」
・好きだったTVドラマからイメージした「黒い魔蝶」
それぞれに趣のある個性的な詞ばかり。
この人は大変フィールドの広い歌手で、レパートリーもさまざまで
ある意味それが散漫になり固定層もばらつく感がある。
とはいえ日本クラウン在籍も長くなり、いずれまたいい作品に出会いヒットを勝ち取るだろう。
さて今回の書き下ろ詞は映画「夜顔」がイメージだが
個人的には同じ女優の「昼顔」のほうが秀逸だった。
よるがお
こういった詞はキム嬢しか唄えないジャンルではあるが、キワモノになってはいけない。
書き手も女性の深層心理を理解しないと、ただの映画のなぞりになるだけ。

『この歌手のお勧め曲』1.「北の雪虫」2.「さいはて列車」3.「涙の鎖」


「げらげら」 笹みどり

2012年10月26日 | 演歌女性歌手
笹みどり2

あなたに逢うと げらげらよ
うれしくなって げらげらよ
人の顔見て 笑うな と
エ~ 叱っちゃいやいや 好きな人
逢えてうれしい 好きな人

お酒を飲んで げらげらよ
ほんのり酔って げらげらよ
なにがそんなに 可笑しい と
エ~ さぐっちゃいやいや 惚れた人
あなたまかせの 夜だもの
笹みどり3

抱かれるたびに げらげらよ
やさしく強く げらげらよ
こんなわたしで いいのなら
エ~ 帰っちゃいやいや 罪な人
朝がくるまで そばにいて

噂をきいて げらげらよ
他人は他人 げらげらよ
ほっておいても 怪我はない
エ~ 怒っちゃいやいや 粋な人
あなたひとりが 命なの


よもやま:ベテランが続きます。今日はもうすぐ歌手生活50周年の笹みどりサン。
・一途な女ごころを小さな笹の舟にたとえて「一葉舟」をUPしたのはちょうど2年前の10月。
・つづくアクセスの多かった「ゆきこ湯河原おんな宿」は笹サンの出身地
湯河原をテーマにした内容の濃い宿もの。
今回は笹サンのトレードマークといっても失礼のないあの笑い声や笑い顔をヒントに
気軽な手拍子ものを書いた。何度も病に遭遇したけれどあの持ち前の明るさは健在だろう。
喜びも悲しみもげらげらと笑い飛ばせば、まだまだ歌っていける。

『この歌手のお勧め曲』1.「おんな橋小唄」2.「母はおまえを信じます」3.「柴又初恋門前町」

「おんなの本音」 扇ひろ子

2012年10月25日 | 歌手生活**周年
扇ひろ子2

本音を云わせてもらえばさ
欲しいのよ ぬくもりが… ぬくもりが
 小雨がしょぼつく 夜だもの
 男ごころに くるまって
 ねんねん ころり も あゝ いいじゃない
岩田2

本音を云わせてもらえばさ
おぼれたい 恋の川… 恋の川
 女は覚悟で 生きている
 みんな許した そのあとで
 バイバイ あばよじゃ あゝ つらすぎる
岩田

本音を云わせてもらえばさ
淋しいの ひとりぽっち… ひとりぽっち
 情けと未練は うらおもて
 かけてすがって つまずいて
 ほろほろ ほろり と あゝ また涙


よもやま:1963年に歌手デビューの扇ひろ子サンは来年が50周年。
このブログでは2篇UPしていて
・女の情念をおもいきり燃え上がらせる「おんな火」
・女性は幾つになっても花、というテーマの「おんな 花色 なみだ色」 と
どちらも扇サンならではの女の歌世界を書いてきた。
2008年に発売の全曲集は新旧とりまぜての選曲だが
コロムビアの初期の作品にいいものが多くて30曲ほど音源を所蔵しているが懐かしい。
今回の詞はあまり奇をてらわずスローなブルース歌謡の線をイメージして書いた。
書きながら脳裏にあの岩田専太郎画伯の絵がさまざまに思い浮かんだ。
各節、最終行に扇サンの持ち味が凝縮されるだろう。

『この歌手のお勧め曲』1.「哀愁海峡」2.「未練の涙」3.「追憶の涙」


「津久井湖」 真木ことみ

2012年10月24日 | 全国ご当地歌めぐり 演歌
真木ことみ

丹沢しぐれが 噂をつれて
忘れたはずの あなた雨
あの日から… 私の涙は 津久井湖の
底に沈めて ひとりきり
だから いいの…
逢いにこないで にくいひと
津久井湖

この町 出ようと 言い聞かせても
ゆくあて無しの はぐれ鳥
もう二年… 別れにふるえた 津久井湖の
三井大橋 背をむけて
そして 泣いて…
泣いて ひと冬 濡れ落葉
三井大橋

国道抜けたら 横浜までの
つながる道は 霧の中
今さらに… 未練にあふれる 津久井湖の
水は流れる 定めなら
それで いいの…
此処は女の かくれ里


よもやま:真木ことみサンにもこのブログでは
・恋をふり捨て、つらく寒く厳しい北へ逃げるように行く女性の「北々恋々」
・彼女の中低音の魅力を生かし、彼女にはめずらしい男歌「冬暦」をUPしてきた。
今回は彼女の出身地、神奈川の風光明媚な津久井湖をテーマに叙情演歌を書いた。
ずいぶん前にドライブしたこの季節の津久井湖は特にきれいだった記憶がある。 

「ひとつ点かない街灯」 前川清

2012年10月23日 | 歌謡曲男性歌手
前川清2

濡れた夜の風に 出くわして
ずたずたのココロ ぼろ布をひきずるよう

 あの人を あの恋を 
 忘れようと 捨てようと
 もういくつ街灯をかぞえ 歩いてきたの

3丁目の角 ひとつ点かない街灯が
帰り道を狂わせ 私を置き去りにする
街灯3

街を出ると聞いた 突然に
行き先も言わず 来るか とも誘われない

 私には 恋だった
 長かろうと みじかくも
 オレンジの街灯のように 点した灯り

裏道さがし ココロうつろな うしろ影
泣ける刻(とき)は過ぎ去り 誰にも会いたくもない

3丁目の角 二度と点かない街灯は
月のしずく 拒んで 私を見ているばかり
街灯2

 あの人を あの恋を 
 忘れようと 捨てようと
 またいくつ街灯をかぞえ 涙を抱くの


よもやま:プレイバックで2010年からの想定した歌手に戻り
3シーズンめの書き下ろ詞。今日は前川清サン。このブログでは
・一度離れていった男が女のもとに戻り愛の悦びを謳う「硝子愛」
・堀内孝雄氏とのデュエットを想定し、短い旅をする男が
海辺で遊ぶ子供たちの光景を見て、心を無心にする「野の風よ、俺に吹け」 を
UPしていますが、今回は恋をなくした女性のせつない心情を書いた。
毎夜通る道にともる街灯がたった一つだけ点いていない。
それはあたかも棄てられた女性には救いのない恋の終焉。

「夫婦泣き笑い」三笠優子

2012年10月21日 | 歌手生活**周年
三笠優子4

新婚時代は サンづけで
おれもやさしく ちゃんづけで
ともに呼び合う 仲の良さ
 塩と砂糖を まちがえて
 つくった料理も うまかった
あゝ二十代 あゝ夫婦
泣かせたね 笑ったね

一姫二太郎 パパになり
てんやわんやで ママになり
家事と育児は 二等分
 ゴルフ マージャン 控えめに
 休日サービス つつがなく
あゝ三十代 あゝ夫婦
泣かせたね 笑ったね

おねだりするとき ねぇあなた
飯だ 風呂だと おい おまえ
越えてまずまず 倦怠期
 ぐいと手綱を にぎられて
 浮気のうの字も ありません
あゝ四十代 あゝ夫婦
泣かせたね 笑ったね
フルムーン

呼び名もいつしか お父さん
何をするにも おい で済む
花と涙の フルムーン
 こんど生まれて くるときも
 一緒になれたら うれしいね
あゝ五十代 あゝ夫婦
泣かせたね 笑ったね


よもやま:1977年の歌手デビュー以来、今年が35周年の三笠優子サン。
デビュー以来のファンで、お気に入りの楽曲も数多いが
近年はちとヒットから遠ざかり淋しや。このブログでは開設早々に
・親子の情愛をしっとりと「母ざんげ」をはじめ
・「浪花の女ハスラー」こと南川千代さんをモデルにした力作でアクセスの多かった「浪花の千代さん」
・さいはての地に生きる夫婦をモデルにした「めおと海峡」
・東日本大震災で流失、散乱、紛失したアルバムの回収、補修、復元をヒントにした「写真帳 ~アルバム~ 」 と
それぞれキャッチーな話題をもとに4篇をUPしている。
今回は三笠サンお得意の夫婦ものだが趣を変えて老いも若きも唄える手拍子ものの夫婦演歌。
最近とみにこういった作品が少なくなったが、これもまた捨てがたいテーマであろう。

『この歌手のお勧め曲』1.冬から春へ 2.母ごころ 3.人生

「なんぼやで大阪」 北見恭子

2012年10月20日 | 演歌女性歌手
北見恭子3

なんぼやで なんぼやで
泣いて笑おうて 大阪なんぼやで~

一度くらいの しくじりで
ようもそんなに 涙がでるなぁ
泣いてる暇が あるんなら
走ってみなはれ 御堂筋
頭に銀杏(ぎんなん) 落ちてきて
しっかりせぇ と どやされる
銀杏

苦労 九の字の タコの足
それを云うなら 八本でんがな
傍目はボロに 見えてても
よう見てみなはれ 絹裏地
利口はこっそり 銭ためて
ガハハとあとで 笑うんや

なにが無茶やね 阿呆やねん
なにもせんなら 勝負はついてる
癇癪玉が たまったら
長居で蹴飛ばせ 捨てて勝て
大阪 がめつく せなあかん
脚もと狙とる 奴ばかり

長居

よもやま:北見恭子サンに最初の書き下ろ詞をUPしたのは2010/8月
・念願の小料理屋を出し夫婦で営むさまを愛情いっぱいに「のれん妻」
・ふいに客として訪れた昔の男に未練いっぱいの酒場もの「すすき野情話」
・気っ風の良い姐さんが、てらいもなく発破をかけ、随所に音頭ふうなフレーズを取り入れ
最近あまり聴けない元気が出るお手拍子ものの世の男性陣へのファイト・ソング「旦那衆」
ほぼ半年ごとに3篇をUPしてきた。
さて今回は大阪もの。庶民のバイタリティーと人生の哀歓が交錯する街、大阪。
10月30日に、NHK「わが心の大阪メロディー」が生放送されるに合わせ、
久しぶりに大阪もの、しかもありきたりでない大阪演歌を書いた。
大阪、浪花ものはこれまで数十篇書いてきているが、
今回はコテコテの大阪弁を駆使してサッカーの長居スタジアムも登場する
元気印の、コミカルでパワーつくこと間違いなしの歌詞です。

『この歌手のお勧め曲』1.女のさいはて 2.浪花夢あかり 3.酔いどれ切符

「アドリブ」 伊藤美裕

2012年10月18日 | 歌謡曲女性歌手
伊藤美裕

♪ 台本にないこと アドリブで演じて
爪を噛んだり 胸にすがったり

誰かに話せば それはまだ早い と
言われそうでも 気付かなかったの

 今さら 一人がいいと
 涙のつぶ かぞえても 意味がない
 恋は終りから はじまるわけ ないのに

♪ 台詞(セリフ)なら言えても 嘘めいたしぐさを
見抜く人なら 愛はもらえない

自由が欲しくて 思うまま振る舞い
めくりそこねて ページをとばしたの

 土曜は 深夜を跳ねて
 あとさきなく はぢけても つまらない
 恋は途中から 芽生えるわけ ないのに
台本

♪ お相手が不足と 愚痴なんてこぼして
化粧変えたり 服を取り替えて

昨日もあしたも いつまでも脇役
出番なくても 我慢するばかり

 ドラマは どんでん返し
 アドリブでも OKが いつか出る
 恋は最初まで 戻れるわけ ないから


よもやま:日本コロムビア創業100周年記念アーティストの歌謡曲部門として
2011年にデビューした伊藤美裕サンは歌唱力確かで期待できる新人歌手のひとり。
話しぶりや表情にまだ素人っぽさが残るが、それもまた持ち味か。
ここ数年コロムビアは演歌、歌謡曲部門ともに多くの新人を輩出している。
誰が抜け出しヒット戦線に浮上するか、作品と個性にかかっている。
書き下ろした詞は、恋愛に素直に対処できない女性の複雑な心理を
演劇やドラマにたとえ、台本はあっても、ときにアドリブで身を処す女性でも
恋への夢と理想はあるものだ。

「停車場」 岩佐美咲

2012年10月16日 | 演歌女性歌手
岩佐美咲2

海が哭いてる 山がふるえる
寒い町です ひとりです 
 あなたという名の 停車場は
 面影もなく 風だけが
 北から吹いているだけでした…

停車場

つれてゆきたい ついてゆきたい
想い ちぎれて 途中下車
 ひと足おくれの 停車場に
 来るはずのない 人を待つ
 忘れたはずの 恋 抱きしめて…

誰かおしえて 鳥よ 伝えて
今も好きです 会わせて と
 あなたという名の 停車場に
 許されるなら 戻りたい
 失くした愛が 今 燃えてます…


よもやま:2月にAKB48から演歌歌手として「無人駅」でソロデビューした岩佐美咲。
長良プロダクションのプッシュでいっとき話題を提供したが、その後はどうなんだろう。
このブログでは2月にJ-ENKAとでも名づけたいような「隠恋坂」(かくれ坂)をUPした。
今回はかつての恋人を忘れられず彼の故郷を訪ね、再会を願う女性の
せつない恋心を書いた。こういった詞はチャラチャラした雰囲気や表情で歌うと
嘘になる。演歌はバラエティではないのだ。
寒く、さびれた町でも気丈に生きる老いも若きも人たちの気持ちを内包しないと
歌ごころは伝わらない。

「花すみれ」 こおり健太

2012年10月15日 | 演歌男性歌手
こおり健太

捨ててくれたね 未練も過去も
今日から俺だけ 俺の花
雨にぬれてる 紫すみれ
どこか似ている 愛しさを
離しはしない 傘の中 ふたりづれ
すみれ

俺の苗字で 呼ばれてみたい
笑って甘えて 泣いた夜
まわり道した 三年半は
無駄じゃなかった 忍び花
散らしはしない なろうとも 幸せに

ふたり暮らしに 足りないものは
あれこれ揃えて くれりゃいい
俺はいいんだ おまえがいれば
花に水やる よろこびを
忘れはしない いつまでも 花すみれ


よもやま:保育士から歌手の夢をかなえてデビュー4年目の
こおり健太サンがラジオ番組「エンカ侍」に出ている。
まだまだこれからの歌手だが、作品のインパクトと本人の個性が
もっと強烈になればブレイクも可能な歌手。
あまりお利口さんな歌唱でなくていい。
本当に好きな人のため、なにもかも捨てた女性を紫すみれの可憐な花にたとえ
男は幸せを約束する、といったよくある演歌のパターンではあるが
こおりサンの男のやさしさを秘めた詞を書いた。

「大阪えれじい」 加門亮

2012年10月14日 | 今日が誕生日の歌手
加門亮

あれは大阪 御堂筋
偲べば 胸に わくら葉ふりかかる
 捨てた女は 秋から冬を
 うつむき顔の はぐれびと
大阪えれじい 風便り
御堂筋枯葉

そして大阪 北新地
あの夜は酒に 朝まで酔いどれた
 つれて来れない 男のエゴが
 不幸をひとつ 押しつけた
大阪えれじい 二年前

今も大阪 戎橋
面影浮かべ 流れるネオン川 
 こころ丈夫で きれいなままで
 女の春を 咲いてくれ
大阪えれじい ひとり歌

戎橋2

よもやま:10/13はもうひとり、加門亮サンの誕生日。
歌手も所属レコード会社を移籍し出すと、過去のCDは廃盤になったり
原盤の管理問題でヒット曲をアルバムに収録出来なかったり、と
いろいろ面倒が生じる。
彼もSONYから徳間ジャパン、そして現在は…?となってくる。
新曲も「黒い花びら」といよいよリメイクになってしまった。
しかもキャラクターからして作品も類型的にならざるを得ずまことに残念。
1988年のデビューで来年は25周年。'95には紅白にも出場している実力だけに
今一度奮起してもらいたいものだ。
このブログでは、愛して別れて傷ついて、それでも男も女も人を愛さずにはいられない
「夢ごっこ」という詞をUPしている。
今回は大阪をテーマに捨てた女への男の哀歌デス。  

「逢坂の宿」 青木美保

2012年10月13日 | 今日が誕生日の歌手
青木美保

京都を逃げて 鈴鹿も遠く
志賀の湖(うみ) 越え しのび逢い
つなぐ術ない 指先ならば
せめて心を あなたにかさね
堕ちてゆきたい 明日(あした)など
知るも知らぬも 逢坂の宿

身も世も捨てる 覚悟がほしい
できております 前々に
峠へだてて すすき野原に
沈む夕陽を 涙で染めて
ふたり 道行き どこへでも
夜に身を灼く 逢坂の宿
逢坂

飛ぶなら鳥に 越すなら鹿に
昔ゆるさじ 関の址(あと)
誰に恨みも 泣かせもせずに
想いつらぬく この恋ならば
見えてくるはず 幸ひとつ
ひと夜 素泊まり 逢坂の宿


よもやま:歌手復帰がかなって活躍中の青木美保サンは今日が誕生日。
来月には新曲も発売されるがそれはそれ。
彼女には五木ひろし、八代亜紀といった強力なバックアップ仲間がいて幸せなことだ。
このブログでは「小樽航路」「かささぎ橋」をUPしていて
青木サンならではの歌世界を書いてきた。
今回は「全国ご当地歌めぐり」シリーズもかねて
滋賀県・大津の逢坂をテーマに男女の恋の道行きを
百人一首でも有名な蝉丸の歌の一節も取り入れ、宿ものを書いた。
志賀の湖とはもちろん琵琶湖のべつの呼び名。

『この歌手のお勧め曲』1.舟宿にて… 2.哀愁海峡 3.人生三昧