深山つつじの 咲く山径を
結城つむぎの 女がひとり
忍びがくれか 恋捨て人か
情けにかたむく 湯宿の女(ひと)よ
水のさだめに 似た恋ですと
心さめざめ むかしを語る
せめて つかのま 相哀(あいあい)酒で
傷あとうずめる 似たものどうし
二日泊りが 三日になれば
どちらともなく 想いがかよう
胸のよどみを 小春日川に
流してお行きよ 湯宿の女(ひと)よ
ひとこと:里見浩太朗サンは今日が79才の誕生日。俳優としてはもちろん、歌手としても
すっかり地位を確立し堂々の円熟の境地といえるだろう。このブログでは「河畔のふたり」を
書き下ろしていますが今回はスタンダードで分かりやすい4行詞の演歌です。作詞では
4行詞はなかなか難しいといわれる。余分な語句を切り捨て、いかに簡潔でしかも深みのある
詞を成り立たせるか、だからです。このブログでもそのようなことをめざしての書き下ろ詞も
いくつかあるのですが、さてそれらがどこまでキレのある詞になっているかは研鑽、推敲の
余地があることでしょう。まぁ勉強勉強の積みかさねです。さていよいよ次回からは12月に
入ります。12月も誕生日シリーズを続けようと考えていますが、どんな歌手にどんな
書き下ろ詞を書けるか、タイトルやモチーフになおいっそうの面白味を感じてもらえるように
と発奮中です。