❤いつも心に詞(うた)を置いて!🎤            🎼あの歌手あのartistにこの詞(うた)を!🎶

★恋の歌・愛の歌 おとこ唄・おんな唄 ★毎日が書き下ろ詞 
★附曲歓迎! 歌詞&タイトルの無断使用を禁じます。

「あけくれ」 長山洋子

2011年11月30日 | X'masディナー・ショー
長山洋子2

おんな傘など さしたくないと
無下にことわる 男気(おとこ)に惚れた
雨をはらって みぞれを蹴って
三歩先ゆく あんたとならば
憂き世 あけくれ かさねたい
番傘

酒が仕掛けた 芝居のヤマは
酔ってこぼれた 情けできまる
三つ道くさ 寄り道四つ
生きてゆくには いろいろあるが
命 あけくれ 燃やしたい

ゆれて浮かんで 心に宿る
夢のひと文字 あんた と読める
言葉足らずを 笑顔でかばい
決めた男の 道一本を
女 あけくれ つくしたい


ひとこと:今年もX'masのディナー・ショーの
シーズンがやってきて、全国のホテルを中心に
多くの歌手やタレントが飛び回る季節。
新シリーズとしてX'masのディナー・ショーを
行う歌手たちの詞を書いてみようと思います。

長山洋子サンは千葉房総でディナー・ショーを開催。
立ち弾き三味線のスタイルがお馴染みになっているが
定型の本格的な演歌もときに聴きたくなる。
このタイトルも美しい日本語シリーズのひとつとして
惚れた男を立てながら、ついてゆく女心を
粋でいなせな「艶歌」に仕立てた。

「しがらみ」 竹島宏

2011年11月28日 | X'masディナー・ショー
竹島宏3

消息(うわさ)を追えば 迷惑かける
相手を知れば 腹が立つ
そっとしといて もうしばらくは…
恋という名の 三角波が
寄せて騒いで 女を泣かす
三角波
わたしが声を かけたんじゃない
素振りを見せた わけもない
押して また押す その強引(つよさ)には
有無を言わせず 拒みも出来ず
もろくくずれた あの夜がにくい

まとわりついて 消すにも消せぬ
しがらみゆえの 恋の果て
どうぞお願い 忘れてほしい
こんな女は どうでもいいと…
詫びは死ぬまで 言います あなた
 

ひとこと:今年もX'masのディナー・ショーの
シーズンがやってきて、全国のホテルを中心に
多くの歌手やタレントが飛び回る季節。
新シリーズとしてX'masのディナー・ショーを
行う歌手たちの詞を書いてみようと思います。

2002年にデビューし、来年は10周年の
竹島宏は大阪と博多でディナー・ショーを開催。
がんばってますねぇ~。歌手にとってはうれしいものです。
オリジナルで一発大きなヒットがほしいと
つねづね思っているんですが
キャラクターが草食系だけにインパクトが弱くて…。
もう33歳でもあるし、と思って
このような意味シンな詞を書いた。
最近は「美しい日本語」を勉強している私で
それをテーマに詞を探求している、と以前にも書いたが
このタイトルもその一つです。
好きな男のほかに、別の男が出現し
どうにもならない恋の三角波。
つらいものです。女ってものは…。

「いなずま」 森昌子

2011年11月27日 | X'masディナー・ショー
森昌子4

道をはさんだ バス停を
どっちにしようか ひと思案
駅へゆくなら 思い出通り
この街出るなら 夕暮れ通り
荷物の重さは 苦になりません
空の昏さが 気にかかる

 二日いさかい 三日ももめりゃ
 別れ模様が 見えてくる
 知るや知らずや 不意の稲妻
 いやだ いやいや 女の恋は
 火花見ないと おさまりゃしない
バス停
うしろ向いたら あの人が
追っかけするとは 思わぬが
未練からめて どうするつもり
捨てるか放るか 答えはひとつ
意気地の無さなら お互いさまと
ぽつりぽつりと 雨がふる

 いずれ他人の 空ごと絵言
 盆に帰らぬ 水の泡
 走れ 光れよ 不意の稲妻
 いやだ いやいや 女の夢は
 火花散らして 砕けるばかり

いなづま


ひとこと:今年もX'masのディナー・ショーの
シーズンがやってきて、全国のホテルを中心に
多くの歌手やタレントが飛び回る季節。
新シリーズとしてX'masのディナー・ショーを
行う歌手たちの詞を書いてみようと思います。

森昌子サンは大阪と犬山市でディナー・ショーを開催。
長時間のショーをやれるということは元気でもある
ということだろうから、ファンとしては喜ばしいことでしょう。
ここ数年の作品としては、ほのぼのソングみたいなものを
歌っているが、あえて稲妻という題材で
惚れた男のもとを去る女の心情を詞にした。
彼女もこれくらい刺激のある歌で
スカッと発奮してほしいものだ。
彼女には過去、1/11、5/28、10/5と3作書いています。
どれも愛着ある詞です。

「恋 炎情」 藤あや子

2011年11月26日 | X'masディナー・ショー
藤あや子2
滝の水なら 打たれもしよう
橋のない川 飛び越えましょう
出来ております 覚悟はひとつ
添えるためなら 恋ならば
炎えて… 炎えて…
いのち緋の色 女です
滝

シミもくもりも ないこの肌を
好きになさろうと 拒みはしない
おじけづくのは らしくもないわ
見栄も飾りも ふり捨てて
堕ちて… 堕ちて…
奈落這おうと 怖くない

花は咲かなきゃ 花ではないし
月も照らなきゃ 闇夜がつづく
惚れたお方と 憂き世を生きて
悔いをのこさず 身を契り
天に… 天に…
ふたり昇って 果てましょう


ひとこと:今年もX'masのディナー・ショーの
シーズンがやってきて、全国のホテルを中心に
多くの歌手やタレントが飛び回る季節。
新シリーズとしてX'masのディナー・ショーを
行う歌手たちの詞を書いてみようと思います。

藤あや子サンは大阪でディナー・ショーを開催。
しばらくヒット戦線から遠ざかっている彼女だが
最近は女性歌手のヒット曲をカヴァーしたCDも
発売し、演歌にとらわれず幅広い選曲で
ショーも盛り上がることでしょう。
とはいえ、本領はやっぱり演歌!
中途半端なキレイごとの歌よりも
女心の本音をズバッと切り込むような作品が欲しくて
情と艶をちりばめた、このような詞を書いた。

「つむじ風」 堀内孝雄

2011年11月25日 | X'masディナー・ショー
堀内孝雄2

いくつになっても 男って奴は
胸の奥底 風をはらんで生きている
折れてくじけた 夢だとしても
出来やしないさ 消し去るなんて
 リベンジを 果たそうじゃないか
 ポジティブに 行こうじゃないか
 渦を巻いて吹き起これ 風よ 
 オレの つむじ風

愛だの恋だの 男って奴は
ひとつふたつは 風に消したい傷がある
二度と逢えない 女(ひと)だとしても
変えてくれたよ 生き方すこし
 あの頃に 嘘などないさ
 まっすぐな 心があった
 渦を巻いて吹き過ぎた 風よ 
 オレの つむじ風

 いいものだ 生きるってことは
 それぞれの 明日がまた来る
 渦を巻いて吹き起これ 風よ 
 オレの つむじ風


ひとこと:今年もX'masのディナー・ショーの
シーズンがやってきて、全国のホテルを中心に
多くの歌手やタレントが飛び回る季節。
新シリーズとしてX'masのディナー・ショーを
行う歌手たちの詞を書いてみようと思います。
堀内孝雄
堀内孝雄サンは群馬、名古屋、大阪でディナー・ショーを開催。
今年で歌手生活40周年。さぞ思いのこもった
ショーになることでしょう。
男はいくつになっても、つむじ風のような
気概と精神を持って生きたい、という
モチーフのもと、彼にぴったりの詞を書きました。

「くれなゐの雨」 山内惠介

2011年11月24日 | X'masディナー・ショー
yamautidinner

雨が散らせる 花もある
雨で色増す 花もあろ
おなじ花なら 好かれて愛でて
春に咲きとうございます
おんな後生の くれなゐの雨
くれない
きのう細雨(こま雨)木芽雨(このめ雨)
今日で三日も 来ない情人(ひと)
待つ身慣れてる おんなの胸が
みょうに苦しゅうございます
髪もおもたい くれなゐの雨

危惧は欠片(かけら)も ありません
なにも案じて おりません
時節(とき)が満ちれば 日なたの道を
つれて歩いてくださいね
のぞみ一縷の くれなゐの雨


ひとこと:今年もX'masのディナー・ショーの
シーズンがやってきて、全国のホテルを中心に
多くの歌手やタレントが飛び回る季節。
新シリーズとしてX'masのディナー・ショーを
行う歌手たちの詞を書いてみようと思います。

山内惠介サンは福岡、札幌、浅草でディナー・ショーを開催。
いずれも師匠、水森英夫氏が参加。
どこも完売で、ディナー・ショーで
客が呼べる歌手になりましたね~。
さて、最近は「美しい日本語」を勉強している私ですが
それをテーマに詞を探求しています。
タイトルの「くれなゐの雨」とは
花に降りそそぐ雨を美しくいった語です。
好きな人を待つ女ごころが
山内惠介クンのイメージとともに
表れていますでしょうか。 

「Target of Life ~人生の標的」 布施明

2011年11月23日 | J-POP男性歌手
布施明
このまま愛に
めぐり会えない 人生だとしても
ひと粒の涙さえ こぼすものか
 もう じゅうぶんに 人を愛し
 そして 愛された過去もある
一枚の紙とペンを そばにおき
何か言葉を残すなら
Target of Life 人生の標的は 
喜びも哀しみも あるがまま なすがまま
ペン

歩いた道が
ときにぬかるみ くらやみ続きでも
ともし灯が見える場所 信じてきた
 今 あの人は 遠くなり
 だけど 幸せを祈りたい
ちっぽけな夢と詩(うた)が あるかぎり
心セピアに色褪せず
Target of Life 人生の標的は 
喜びも哀しみも あるがまま なすがまま

一枚の紙とペンを そばにおき
何か言葉を残すなら
Target of Life 人生の標的は 
喜びも哀しみも あるがまま なすがまま


ひとこと:今年もX'masのディナー・ショーの
シーズンがやってきて、全国のホテルを中心に
多くの歌手やタレントが飛び回る季節。
新シリーズとしてX'masのディナー・ショーを
行う歌手たちの詞を書いてみようと思います。

布施明サンは秋田、東京、新潟、熊本、大阪、名古屋と
全国各地でディナー・ショーを開催。
この冬、一番多いのではないでしょうか。
1965年のデビュー以来、歌手生活46周年
年令も64歳になったが、伸びやかで声量のある
歌声は今も変わらず、まだまだ歌い続けるだろう。
そんなイメージを土台に詞を書いた。
「人生はあるがまま、なすがまま」
彼ならば、それを歌っても全然おかしくない。

「燃える水」 森進一

2011年11月14日 | 演歌男性歌手
森進一2

生きてるふりして 死んでいる・・・
愛を失くした あの頃は
半年つづいた 哀しみだった
 別れをきめて はじめから
 愛したわけじゃないものを
 愛を貫きとおせない
おろかな心を 鎮めたいのに
水は 水は 燃えて熱かった

死んでるふりして 生きている・・・
愛にはぐれた 毎日は
無口と無視との 朝夕ばかり
 月日の長さだけじゃない
 わかったつもりでいた愛が
 もろく砕ける 音がする
馬鹿げた心に ぶっかけたけど
水は 水は 燃えて熱かった
燃える水

 愛されたいと 思うほど
 うぬぼれたりはしないけど
 愛はそっぽを向くばかり
うつろな心に 押し寄せてくる
水は 水は 燃えて熱かった


ひとこと:激しい愛を唄わせたら
今もって森サンの右に出る者はいない。
これを書きながら、あえて初期の
そして幾つかの猪俣公章作品を聴くと
若さにぶつけた分を差っ引いても
ほとばしる情感が歌に現れている。
出会いと愛、愛と別れ、別れと哀しみ。
そんな経験もしてきた者だけにわかる激情と非情。
ときに水までが、燃えて熱くなるのだ。 

「うずしお」 森進一

2011年11月13日 | 演歌男性歌手
森進一

紙に書いたら いつでも消せる
胸にきざんだ 消せない名まえ
あなたがこの世に 生きてる限り
傷が泣きます 過去も哭く
したたる涙は 女のうずしお

決めた誓いは 死ぬまで守る
二度と逢わない 噂もしない
あれから五年も 経つ人なのに
夢に出てくる 追いかける
さだめと未練の 女のうずしお
うずしお
こんなはずでは なかったなんて
よしてください 罪です あなた
わたしに気がねは もう、いりません
区切り けじめが 踏み絵なら
忍んで耐えます 女のうずしお

 

ひとこと:いよいよ森進一サン、登場!
     今まで多くの歌手に290編ほど
     書き下ろしの詞をUPしてきました。
     今ごろなんで森サン?と思われそうですが
     ずぅ~とタイミングを図っていたのです。
     今回のUPのきっかけは森サンが
     Twitterを始めたことと
     11/18は森サン64歳の誕生日。
     さて、この詞は森サン王道の
     本格的、女歌。
     女性の心情を、うずしおをモチーフに
     かなりインパクトある詞にしました。
     なお、森サンには書き下ろ詞3部作を
     用意しています。
     皆さん、お楽しみに!

「孔雀」 竜小太郎

2011年11月08日 | 大衆演劇のスター
竜小太郎2

孔雀が羽根をひらくとき
女の夢が叶います
愛する人が 近づいてきて
待たせてごめん と 抱くのです
 あんなにきれいな羽根だから
 わたしは夢かと思ってしまう
 幸せ色の この胸は
 信じてました と 泣くのです
孔雀
孔雀が羽根をたたむとき
女の愛は死ぬでしょう
愛する人が 背中を向けて
許しておくれ と 去るのです
 あんなにきれいな羽根だけど
 わたしの愛には似合っていない
 哀しみ色の この胸は
 捨てられました と ふるえます

どうして孔雀の羽根なんて
わたしは魅かれてしまうのでしょう
女の色は いつだって
おとこの心で 染まります


ひとこと:「浪花のチビ玉」の呼び名でブレイクし
「流し目のスナイパー」と称されるほどのオーラを放つ
竜小太郎も37歳なんですね~。
竜小太郎
現在は俳優としても幅広く活躍し
歌手としても何枚かのCD発売がある。
すっかり男ざかりの彼も
ひとたび女形であでやかに舞う姿を見ると
孔雀のように思えるところから
この詞がイメージされました。
羽根をひらくのはオスの孔雀なんですが
そのヒネリを詞の随所に取り入れたつもりです。

「DREAM MAP ~夢への地図」宝海大空:「宝海劇団」

2011年11月07日 | 大衆演劇のスター
大空
 夢を描く 夢を信じる 
 そして 夢を伝えたい

ちっぽけだって ささやかだって
誰にだって 夢は持てる
何になりたいか と 少年は聞かれ
一番になりたい と答えた
 地球儀をくるりと回し
 止まった国へ 行ってみようか
 何もない 何もないから
 なんだって出来るのさ
 夢を描く 夢を信じる 
 そして 夢を伝えたい

二十歳の頃に… 30過ぎて…
そしてもっと 歳をかさね…
どんな自分だろう 将来を思い
折り折りに書きとめる 履歴書(メリット)
 世界では欠片(かけら)のパンも
 おいしい水も 口に出来ない
 そんな人 そんな子どもら
 哀しみに痛む胸
 夢を描く 夢を信じる 
 そして 夢を伝えたい

大空2
ひとこと:「宝海劇団」次男の宝海大空は16歳
舞台はもちろん、TV出演でも大変な人気で
彼の舞踊や扇子使いの妙技は劇団の売り物の一つ。
大衆演劇シリーズも8人目。
演歌系ばかりを書いてきたが、やはり彼には
年相応の詞でいきたい。



「北山杉」 都 若丸:「都劇団」座長

2011年11月05日 | 大衆演劇のスター
都若丸2

訳は死んでも言わないで…
伏してあずけた 乳呑み児ひとり
 「あんた ほんまによう似てはる」と
 他人(ひと)があの子に 耳打ちばなし
過去の痛みに しのび泣く
知っているのは 北山杉よ

うちが芸妓で いるうちは
ひとり操を とおして生きる
 「誰ときたんか よう知らんけど」
 問わず語りに あの子は云うた
母よ、娘と 名乗るには
女すぎます あゝ舞扇
北野をどり

よわいからだを かくすのは
みんな私が 悪いのやから
 「あとはよろしゅう お願いします」
 せめてあの子の 白無垢すがた
うつす鏡を 胸に抱く
想いはるかな 北山杉よ


ひとこと:作家・水上勉の作品はいくつも読破してきた。
特に初期の短編ものが好きで、心に残るものが多い。
この詞は氏の短編「北山踊り」からヒントを得た。
京都の遊里に働く芸妓の目を通して
環境に流されていく女の弱さを描いている。
芸者の母は病弱なため、生後まもない我が子を
人に預ける。一人前の芸妓として『北野をどり』で舞う
娘の姿に涙する、という内容のもの。
佐久間良子や梶芽衣子によってTVドラマ化もされた。

都若丸
ここでは関西を中心に活動し,京都での公演もある
「都劇団」座長、都 若丸サンを選定した。
1982年、2歳での初舞台から2001年に20歳で
座長を譲り受け、商業演劇での出演も多い。

並行して書き下ろしているシリーズ
「全国ご当地演歌」の京都篇としても
カテゴリーに加えます。

「一本〆だよ人生は」 近江飛龍

2011年11月03日 | 大衆演劇のスター
近江1

親に貰った 名に恥じず
生きてみせるが 人の道
意地と根性を 浮かべる酒に
明日のゆくてが 見えてくる
一本〆だよ 人生は

黒と白とを 取りちがえ
道をはずした 馬鹿もいる
人を笑うは たやすかろうが
いずれ我が身に 降る火の粉
一本〆だよ 人生は

人にもまれて 角がとれ
泥をかぶれば 丸くなる
憂き世 世間に 正面切って
筋を通して 勝ちを取る
一本〆だよ 人生は

近江2
ひとこと:近江飛龍サンは19歳のときに座長を襲名し
各地で精力的に活躍している劇団。
38歳でもあり、もしも唄うなら
もっと今風のものを…と思ったりもしたが
まずは王道の人生演歌を書いてみた。
こういう類の詞は、お客さんと一体になれる。

「ほむらみち」 松井誠:劇団「誠」

2011年11月02日 | 大衆演劇のスター
松井誠2

恋ひ恋ひて…
ようやく今宵は 逢坂の
かくれ宿…
おんな緋の色 朱のこころ
 帯をとく手が もどかしい
 裾の乱れも 気にしない
 洩れる吐息に 二の腕噛んで
 おぼろ おぼろの 谷の瀬を
 這ってのぼって のぼって堕ちて
 あなたと分け入る 焔(ほむら)みち
ほむろ
(あわ)月を…
浮かべて呑みほす 辛酒を
くち移し…
それが毒でも 本望と。
 火照る躰を 風が舞う
 髪のほつれが 汗を吸う
 酔いにまかせて 一幕二場を
 あけびみたいな 熟れ肌で
 這ってのぼって のぼって堕ちて
 あなたと分け入る 焔(ほむら)みち 

 明けを知らせて 百舌が鳴く
 笹の葉ずれが 霧を刷く
 烏金(うきん)色した あなたの胸の
 紅の刻印(きざ)みに そそられて
 這ってのぼって のぼって堕ちて
 あなたと分け入る 焔(ほむら)みち
 

松井誠
ひとこと:松井誠サンは今では大衆演劇の枠だけでは
収まりきらず、むしろ俳優として、役者としての
活動のほうが目をひくようになった。
大小劇場での公演以外でもメディア作品に積極的に出演し
なおかつ歌手でもある。
それでもひとたび女形となれば
「生きる博多人形」の美しさは健在で群をぬいている。
そういった松井誠の魅力を詞にするとなると
おもいきり情炎の世界を、これでもかと鮮やかに
なおかつ格調高く書くしかない。
この隠れ宿には特定の宿をイメージしたわけではないが
いつぞや行ったことのある各地の数ヶ所の宿のいい所や
記憶に残る場面をチョイスして
半端ない男女の情愛を書いた。
「ほむら」(焔)とは燃え盛る炎のことだが
激しい感情や欲望で燃えたつ心をたとえて
その道のまっただなかにいる男女を表した。
そこには当然、性愛も存在する。

「花たまゆらに」 桜春之丞:劇団花吹雪 座長

2011年11月01日 | 大衆演劇のスター
桜春の丞1

さだめ短かく 散りゆく花の
あわれを悼み 去く春よ
(くさび)刺すよに たがいの是非は
口にしないと 約定を
かわす非情に 
涙したたる 花たまゆらに…

花散り

雨を恨むか それとも風か
どちらも似たり 時の綾
たどる岸辺も 見えないままに
かさね通した 愛恋は
儚な 刹那に
紅も褪せゆく 花たまゆらに…

桜春の丞2

ひと夜 燃え尽き 明ければ他人
おんなを封印(とじ)て 生き急ぐ
浮世草紙の 空ごと絵ごと
胸にくすぶる みれん火を
意地で消すのも
いずれ うたかた 花たまゆらに…


ひとこと:桜春之丞サンは劇団花吹雪の座長。
11月も広島で精力的に公演をしています。
春之丞サンの女形は、姐さんといった感じの
粋でなまめかしい感じ、でしょうか。
大衆演劇の役者に総じて言えることは
なんといっても華があります。
衣装、化粧の華麗さもありますが
お客をとことん満足させる、という
絶対条件のもと、鍛錬と修業の賜物から
おのずと華がうまれるのでしょう。
そういった意味でも、前回に続き
タイトルに花がつきます。
たまゆら、とは一瞬、瞬間とでも例えられる
なんとも美しい響きの言葉。
この詞は言葉を吟味し、台詞仕立ても
加味して花のいのちと、男女の悲恋を
からめました。春之丞サンの華麗な舞踊が
目に浮かびます。