寄ってたかって 団塊と
おっしゃいますが とんでもない
固まっちゃいません 骨の髄
何年ぶりかに 見る雪を
粋にはらうも 男の意気地
昭和の親父に 雪が降る
北が故郷の 奴がいる
離れ小島の 奴もいる
いろいろあっての 故郷(くに)ばなれ
暦のうえでは 立春も
花もこごえる 人生行路
昭和の親父に 雪が降る
ちびり お猪口を なめながら
明日という字を 夢と読む
しょぼくれなさんな かこち酒
昔は良かった あれやこれ
胸にたたんで 現役とおす
昭和の親父に 雪が降る
ひとこと:ある雑誌で北島三郎サンがNHK紅白歌合戦について『今の紅白は大人が楽しめる
紅白ではない」との記事があった。一理あると思う。現在の音楽シーンは完全にJ-POP主体。
しかもグループが多く、演歌・歌謡曲系は男女で12名とかなり少なく、紅白POPSショーと
変わり果て、歌合戦というにはほど遠い。大人が楽しめないとは暗に業界での演歌・歌謡曲勢の
長きにわたる不振、凋落傾向が大きな要因でもあろう。このジャンルの歌手たちはまずまず
コンスタントに新曲を発売してはいるものの、ほとんどがヒットに結びついていない。
何年か前までは極論だが歌手が一年通して歌い続けられる質の良い作品があって、一般にも
受け入れられ唄われ、それらがヒットにつながったという例が多くあった。
それがほとんどないという原因のひとつにはプロデューサー、ディレクターの微力化にある。
過去、レコード会社のその職にある人たちは、自身が歌が好きで歌を愛し、自らが作品を
追い求め、その作品が新人であれ無名であれ粉骨邁進する姿があった。今は制作陣が
サラリーマン化して演歌系は好きではないけれど仕事だから・・・などと言う人もいる。
もうひとつは作詞、作曲家が組み合わせこそ違えどほとんど同一で、目新しさや斬新さが
ないことが挙げられる。また音楽事務所やプロダクションが原盤制作の権限を持っていて
レコード会社はただ出来上がった盤を発売するだけの権限しか持てなくなってきていることが
多い。これでは制作・作家・歌手の三位一体でのプロモートなどおろそかになり弱小化するのは
当たり前。私自身、今年もいくつかのカラオケ大会なるものを見て回ったが、そこに出場する
人たちのほとんどといっていいほど、唄う歌がWっていた例がなく、ヒット曲一辺倒、歌手の
ネームバリュー優先というよりも、自分が見つけてきた歌、自分が本当に唄いたい歌を選曲
している感じを強く受けた。しかも新しい歌が多く、この人たちは常に歌を追い求めているんだ
という印象を強くした。今年も歌手生活30・40・50周年の節目を迎えた歌手が何人かいる。
そんな人たちこそ歌合戦にふさわしい気合いの入った歌唱が聴けるはずなのにそれに合致する
歌手は一人も出ない。北島・都・八代サンなどが紅白から離れていく真の意図は
『大人も楽しめる紅白』ではなくなったことへのレクイエムであろう。演歌系の歌手で
知っている歌や歌手はないとか、そんな歌手は他局の年忘れなんとかに出ていればいい、などと
ほざくのはベテランや若手で頑張っている多くの歌手に対して無礼千万であろう。