12月のメイン・テーマは『2018/この1年 SNSカテゴリーおさらい月』
作成したカテゴリーの整理を兼ねて記事や書き下ろ詞で
いろいろ趣向を凝らしていきます。
今日選んだカテゴリーは「亡くなった歌手・俳優・作詞家・作曲家をしのんで」 これまでに計35篇を書き下ろしています。
想定した歌手は 石川さゆり さん
6回目の《virtual書き下ろ詞》登場です。
桜姫 ~歌舞伎 桜姫東文章 より
ひらけぬままの この左手の
哀れをはかなみ 泣く桜姫
権助 二の腕 その刺青は
憎や 恋しや あの夜の証し
不義の子を抱き 身をさらさわば
なぜに清玄 女ごころを迷わせる
為すも為さぬも 魑魅魍魎の
憂き世の宿命(さだめ)に 身をふり乱す
逢わずにすむなら 忘れもできた
積もる話しに 情かさねれば
天は戒め 雷鳴落とし
似ても似つかぬ まこと醜(みにく)や ただれ頬
今じゃ呼び名も 風船お姫
月日は過ぎれど 因果はめぐる
取り巻く男の 素性の罪を
父や弟の 仇(かたき)に代えて
晴れて手にする あの都鳥
三社祭の 笛や囃子や 返し幕
よもやま:12月5日は歌舞伎の中村勘三郎サンが急逝された日。
2012年(平成24年)57歳だった。 30年40年、早すぎた・・・
思い返せば2009年6月、7月Bunkamuraシアターコクーンでは
この『桜姫』が上演された。
6月の『桜姫』の脚本は長塚圭史、出演は中村勘三郎、大竹しのぶ、
笹野高史、古田新太ら
7月の『桜姫』は中村勘三郎、中村扇雀、中村橋之助、坂東彌十郎、
中村七之助、笹野高史らだった。
この魅力ある顔ぶれによる二つの『桜姫』だったが
勘三郎サン亡きあと、この顔ぶれではもう見ることも出来ない・・・。
今回、この歌舞伎の演目に真っ向から挑戦し、渾身の一作を書き下ろし、改めて哀悼としたい。
「桜姫東文章」は謡曲「隅田川」の世界と「清玄桜姫」の世界、さらに江ノ島の
「児ヶ淵伝説」も取り入れて綯い交ぜにしたお家騒動もので、初演後長らく
上演されなかったが、坂東玉三郎らによってたびたび演じられる人気狂言となった。
早替りや濡れ場、怪談に殺し場など南北得意の退廃的な場面が続くが、
とくに桜姫が切見世女郎、すなわち当時最下級の女郎にまで転落し、
お姫様の言葉遣いと伝法な言葉遣いをまぜこぜにしたセリフをいうなど
機知にとんだ趣向の歌舞伎。
姫の生い立ちからかたき討ちを果たし大団円までを演歌に仕立てた。
こういった劇場型の詞は上っ面な歌唱では到底、歌舞伎の世界には
及びもつかない。想定した石川さゆりサンの肝のある歌唱力と表現力が
求められ試される。などとエラそうに言うが書き甲斐のあるテーマだった。(画像をお借りしました)
作成したカテゴリーの整理を兼ねて記事や書き下ろ詞で
いろいろ趣向を凝らしていきます。
今日選んだカテゴリーは「亡くなった歌手・俳優・作詞家・作曲家をしのんで」 これまでに計35篇を書き下ろしています。
想定した歌手は 石川さゆり さん
6回目の《virtual書き下ろ詞》登場です。
桜姫 ~歌舞伎 桜姫東文章 より
ひらけぬままの この左手の
哀れをはかなみ 泣く桜姫
権助 二の腕 その刺青は
憎や 恋しや あの夜の証し
不義の子を抱き 身をさらさわば
なぜに清玄 女ごころを迷わせる
為すも為さぬも 魑魅魍魎の
憂き世の宿命(さだめ)に 身をふり乱す
逢わずにすむなら 忘れもできた
積もる話しに 情かさねれば
天は戒め 雷鳴落とし
似ても似つかぬ まこと醜(みにく)や ただれ頬
今じゃ呼び名も 風船お姫
月日は過ぎれど 因果はめぐる
取り巻く男の 素性の罪を
父や弟の 仇(かたき)に代えて
晴れて手にする あの都鳥
三社祭の 笛や囃子や 返し幕
よもやま:12月5日は歌舞伎の中村勘三郎サンが急逝された日。
2012年(平成24年)57歳だった。 30年40年、早すぎた・・・
思い返せば2009年6月、7月Bunkamuraシアターコクーンでは
この『桜姫』が上演された。
6月の『桜姫』の脚本は長塚圭史、出演は中村勘三郎、大竹しのぶ、
笹野高史、古田新太ら
7月の『桜姫』は中村勘三郎、中村扇雀、中村橋之助、坂東彌十郎、
中村七之助、笹野高史らだった。
この魅力ある顔ぶれによる二つの『桜姫』だったが
勘三郎サン亡きあと、この顔ぶれではもう見ることも出来ない・・・。
今回、この歌舞伎の演目に真っ向から挑戦し、渾身の一作を書き下ろし、改めて哀悼としたい。
「桜姫東文章」は謡曲「隅田川」の世界と「清玄桜姫」の世界、さらに江ノ島の
「児ヶ淵伝説」も取り入れて綯い交ぜにしたお家騒動もので、初演後長らく
上演されなかったが、坂東玉三郎らによってたびたび演じられる人気狂言となった。
早替りや濡れ場、怪談に殺し場など南北得意の退廃的な場面が続くが、
とくに桜姫が切見世女郎、すなわち当時最下級の女郎にまで転落し、
お姫様の言葉遣いと伝法な言葉遣いをまぜこぜにしたセリフをいうなど
機知にとんだ趣向の歌舞伎。
姫の生い立ちからかたき討ちを果たし大団円までを演歌に仕立てた。
こういった劇場型の詞は上っ面な歌唱では到底、歌舞伎の世界には
及びもつかない。想定した石川さゆりサンの肝のある歌唱力と表現力が
求められ試される。などとエラそうに言うが書き甲斐のあるテーマだった。(画像をお借りしました)