ミカンが美味しい季節になった。
2月-4月は私にとってミカンが美味しい時期で、この時期に集中的に食べる。
これ以外の時期には従来はほとんど食べなかったが、今期は10月頃から愛媛県産の真穴蜜柑を集中して食べた。
秋田県の佐竹知事が不用意にも愛媛のじゃこ天などを貧乏くさいと発言したことも関連して、私は意識して真穴蜜柑を購入してもらった。
私は初めて知ったのであるが、眞穴蜜柑はこの時期の蜜柑としては外側の皮が薄くて剥きやすく、とても甘くて私の好みにあって、蜜柑好きにひと足さきに火がついた。新年になってからは入手できなくなって、他のブランド蜜柑となった。
岩手の片田舎で、裸電球の灯る、暗く、寒い室内にチョロチョロと赤い炎を見せながら燃える薪ストーヴとコタツが暖房機器の主役であった。その側には静岡産などのミカンが箱のまま無造作に置かれていた。
秋の旬のミカンは、青いものもあって新鮮そのもの。実がパンパンに詰まっていて実と皮の間に隙間がない、はち切れんばかりである。味は、新鮮な甘酸っぱさ、独特でこれも捨てがたいが、私は成人してからはこの時期のミカンは眺めるだけで手に取ることはなかった。果物類が豊かになったこともあるだろう。
ところが、2月頃になると私は突然ミカンを食べ始める。この頃の蜜柑は水分を失って実が萎縮し、皮と実の間に広く隙間が出てくる。外見も熟成した余裕の雰囲気が漂う。指先で皮をシゴくと一層皮を剥きやすくなる。こうなると家族達はあまり食べなくなるから私の独壇場となる。味も酸っぱさや強烈な甘みは消え、マイルドな甘さが残っている。実に美味しい。
このミカンを楽しむ頃になると、どんよりとしていた秋田の空が日に日に春の息吹を帯びてくる。私にとってブヨブヨ・しわくちゃミカンは春の訪れを意識する食品でもある。
3月に入ると腐りやすく、値段も急に高くなる。4月に入るとスーパーの店頭からミカンの姿がそろそろ消える。とても寂しい。
冷凍保存できればいいのだが我が家の冷凍庫にはミカン用の余裕はない。残念である。
しわくちゃミカン礼賛者の独り言。
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