全てを失っても、走り続けた――
評価:=50点
これがフリ―パスポート最後の作品となりました。
『シュリ』『ブラザーフッド』などで知られるカン・ジェギュ監督が、1枚の写真を手にしたことから生み出されたものだそうです。その写真とは、第2次世界大戦末期、連合軍が捕らえたドイツ軍捕虜のなかに、ひとりの東洋人がいたというもの。
彼が語ったのは、日本、ソ連、ドイツの3つの軍服を着て戦いながら、国境を越えてフランスのノルマンディーにたどり着いたというもので、何とも信じがたい話。
この実話に心揺さぶられた監督はその男がどんな極限状態で生き抜いたものかをイメージして本作のメガホンを取ったらしい。
それでどうかというとう~ん結構なんか突っ込みどころ満載で、正直伝わるものがあまりなかったような感じだった。実際にこの男の人が一人だったというのも分からない。ひょっとしたら本作のように2人かもしれない。だから結局のところ大方がフィクションと捉えた方が良いのかもしれない。
このことを語った男性は今も健在なのだろうか?もし健在ならば、もう少しその方からの証言を元に脚本を作った方が良かったようにも思える。
気になったのは韓国人を執拗に差○する日本人の言葉や行動。監督自身がやはり韓国人だからなのか?かなり日本人のイメージが悪いように描かれている。確かに酷い仕打ちをした事実はあるのだろうが。ちょっと誇張されているようにも思えた。その上に不自然な感じ。
山本太郎も登場。彼の演技もかなり行き過ぎくらいのもので、正直なところおかしく映った。
せっかくオダジョーやチャン・ドンゴンといった凄い俳優さんを起用しているのに、彼らの良さが活きておらず残念な感じ。
中国からはファン・ビンビンも出演だったけど、出番少なくてあつけなく亡くなってしまうし、、、、。
あらすじ(Moviewalkerより拝借)
1928年、日本占領時代の朝鮮。全く境遇の異なる2人が、マラソンの良きライバルとして成長する。憲兵隊司令官の祖父を持ち、常に一番を目指す日本人の長谷川辰雄(オダギリジョー)。幼い頃から長谷川家の使用人として働きながら、マラソンにおいては辰雄のライバルとして共に育った朝鮮人のキム・ジュンシク(チャン・ドンゴン)。オリンピックの金メダルを夢見る2人だったが、いつしかその関係は国同士の戦いとなり、憎み合うようになる。
やがて開催されたオリンピック選考会で事件が発生。
辰雄を抜いて1位なったものの、反則とみなされる。
ジュンシクは罰として日本軍に強制徴用されることになり、2人のオリンピックの夢は消えた。
1939年、ノモンハンで2人は運命の再会を果たす。日本兵として戦うジュンシクのもとに現れた辰雄は、すっかり冷酷な軍人に変わっていた。
いきなり辰雄は大佐にまで昇格していたのにはびっくり!一体どんなプロセスがあったのか?そのあたりは詳しく映像化されていないので何とも言えないけど。やっぱりも少し丁寧に描いて欲しいとは思った。
さて戦場でも夢を捨てずに走り続けるジュンシクに激しい嫌悪を抱く辰雄は、ソ連への特攻隊にジュンシクを任命。辰雄は夢だけでなく、友情さえも捨て去ってしまう。
死闘の末、敗北した日本兵はソ連軍の捕虜となるが、対ドイツの戦局が悪化し、決断を迫られる。“ソ連軍として戦うか、それとも死ぬか?”日本に自分のすべてを捧げてきた辰雄だったが、誇りを捨て、生きることを選ぶ。
捕虜として経験する初めての戦場。そこで目にしたのは、特攻を強いるソ連将校の姿。その姿にかつての自分を重ね、生きる意味を考え始める。やがてドイツにも敗れ、辿り着いたのは故郷から遥か遠い大陸の果て。
夢も友情も捨て、国と誇りを失くした辰雄。全てを失っても、それでも生きることを選んだのはなぜか?いかなる時も変わらないジュンシクに、生きる意味を気付かされる。もう一度、2人で故郷に帰ろうと決めたその時、非情にもノルマンディー上陸作戦の火蓋が切って落とされる。果たして、2人の運命は……?
辰雄とジュンシクが命がけで歩き続けた長い旅の終わりが悪いとは思わないが、何だかね。薄いぺらい内容なんですよね。やっぱりもう少し、脚本の中身を充実にして欲しいような気がしました。
それと主要キャストの人物像をもっと明らかにして欲しかったなあ。かなりお金かかっているんでしょうね。
解説(allcinemaより)
「シュリ」「ブラザーフッド」のカン・ジェギュ監督がチャン・ドンゴンとオダギリジョーを主演に迎えて贈る戦争ドラマ。マラソンでオリンピックを目指してライバルとなった韓国と日本の若者2人が、第二次大戦をまたいで辿る数奇な運命を壮大なスケールで描く。共演は「孫文の義士団」のファン・ビンビン。
メディア | 映画 |
上映時間 | 145分 |
製作国 | 韓国 |
公開情報 | 劇場公開(CJ Entertainment Japan=東映) |
初公開年月 | 2012/01/14 |
ジャンル | ドラマ/戦争 |
マラソンのくだりは実際に「朝鮮半島が日本の占領下にあった1936年に当時の世界最高記録で優勝した韓国人選手が日の丸をつけて表彰台にあがり涙を流した」という事実から作られたエピソードのようですよ。
私は日本がこれだけのことをしてきたと受け止めた上で前へ進むきっかけにできる、この映画は凄く価値のあるものなんじゃないかと思いました。
私が調べたのには、1枚の写真から監督が
イメージしたとの事でした。
リサーチ不足かもしれません。
日本人が韓国人に酷い仕打ちをして来た事実も
それなりに作品を通じて知るべきだとは
思いました。ただ全般的に何か少し物足りなさや不自然さを感じましたが。
オダジョーもドンゴンさんも凄いロケを頑張ったんだろうな~って思いました。
でも一番印象に残ったのはあのアントン・・・(キム・イングォン)
彼の行動とか言動とか、哀しいけれど共感できて~。
あと山本太郎さんもあのひねくれ加減、よかったなぁ~。
ちょっと予想してたストーリーと違ってたんです。。。
今晩は☆彡
ドンゴンさん演じるジュンシュクの親友役の方ですね。
ちょっと3枚目役のキャラが印象的でした。
顔と名前が一致せず(汗)
山本太郎、頑張って悪役に徹していたんだけど、、、、。少し力入りすぎな気もしました。
今回オーデションでこの作品に出演した
そうです。
オーバーな表現や、ステレオタイプなひどい日本人やら。
一昔前の韓国映画っぽく感じたところもありました。
感情とエネルギーをどーーんとぶつけてくる作り方も力を感じさせますが、一歩下がってもうちょっと冷静に作っても伝わるのになあ~っても思ったかも。
ベルリンオリンピックの孫基禎選手の話は、結構有名ですから、事実に即して作っても充分いけたような気もしますわ。
山本太郎さん、その典型的なタイプを
演じていましたよね。
監督さんからそういう指示があったらしいですが、もう少し抑えても良かったように
思いました。事実であることは大事だけど、
もう少し自然体に表現した方がよりリアル
だったような気がします。
前半のノモンハン事件、中盤の独ソ戦も史実に近い戦車を登場させたり、迫力があります。撮影は大変だったでしょうね。
ただ、お話は特に前半は無理が多いと思いました。
オダギリジョーは前半は完全に悪役でした。
日本の俳優陣もなかなか良くて、山本太郎が憎たらしい日本兵を好演していました。
きささんは気に入られたようですね。
私はどうも乗れませんでした。
戦闘シーンは確かに迫力あって凄いとは
思いましたが、、、、。
おっしゃるように前半は無理が多いですね。
山本太郎は頑張っておられたんですが、、、。
ちょっとオーバーアクションのような?
気がしました。
ただ、映画はできるだけ良いところを見ようと思っているので、戦闘シーンの迫力はとにかくすごかったです。
ただお話に無理が多いのでそこはちょっとなあと思いました。
ラストもちょっとうーむ、と思いました。
そういう良いところを観ようとされる
のは大事ですよね。
どうも私はいけません(笑)
とにかく違和感を感じてしまい乗れませんでした。