原題:CZTERY NOCE Z ANNA
愛、愛、愛、
すべては、愛ゆえに
フリ―ポスポート鑑賞終了まで後16日です。焦るなあ~~!でも他の映画も観たいし。ということで、今日は京都みなみ会館へ・・・・。「アンナと過ごした4日間」を鑑賞してきました。
ポーランドの巨匠イエジー・スコリモフスキ監督が17年ぶりに手掛けた異色のラブ・ストーリー。長きにわたり沈黙を守っていた伝説の映像作家の最新作となる作品でした。
そう言えば、監督は「イースタン・プロミス」でナオミ・ワッツ演じるアンナの伯父ステバン役で俳優として登場していたんですね。
その時のイエジー・スコリモフスキ監督です。
ところで、監督の作品は1973年、少年の報われない純愛を描いた「早春」で日本に衝撃的なデビューを飾っているそうで・・・・。それ以外には「出発」が日本で公開。それ以外の作品は劇場公開には至ってません。そのため“幻の巨匠”と呼ばれているそうです。
カンヌ、ベルリンそしてヴェネチアといった3大国際映画祭で数々の賞に輝き、東ヨーロッパを代表する監督。なのに日本ではあまり紹介されていないのは非常に残念ですよね。
しかし今回の復帰作が、昨年の東京国際映画祭にて何と審査員特別賞を受賞。そのことは監督の作品がもっと日本で紹介されるきっかけになったのではないでしょうか。
そしてもうひとつ関心深いことがあります。それは物語についてなのですが。日本の小さな事件がヒントになったこと。「LAタイムズ」に掲載されていたものを監督がシナリオにして、本作が出来た。凄いことですよね。
さてそのSTORYの紹介
ポーランドの地方都市。人影もまばらで活気がない。時が止まったような場所・・・・。雲が重たくたちこめたこの町を一人の男が歩いている。
どんよりして暗い風景が印象的です。観ている私も気持ちが落ちていく
彼の名はレオン(アルトゥール・ステランコ)。病院の火葬場で働きながら年老いた祖母と2人で暮らしている。通りを若い女がやってくる。病院の看護師アンナ(キンガ・プレイス)である。彼は素早く身を隠し、物陰から彼女を見守る。。。。
アンナは宿舎に住んでいた。レオンの家からはアンナの部屋がよく見える。夜になると彼は双眼鏡を取り出し、彼女の部屋を覗くのが日課だった。なぜにレオンはアンナに執着しているのだろう。
数年前のある日、レオンは川に釣りに出かけた。魚はあまり釣れず天気も怪しくなってきた。引き上げようと思ったところ、大きな牛の死体が川を流れてきた。驚くのもつかの間、雨が激しく降り出した!レオンは近くの廃工場へ雨宿りのためかけこんだ。その時工場の中から異様な叫び声。おそるおそる近づくレオンが見たのは、男に乱暴されているアンナの無惨な姿だった。。。。。
恐怖のあまりその場を逃げ出すレオン。警察に通報するも、現場に釣り道具を置き忘れ・・・・レオンは容疑者として逮捕されてしまう。
映像は過去、現在を行ったり来たりするので、最初はどの場面がいつなのか?理解出来ず(汗)物語の中盤になって少しづつはっきりして分かってきました。
ここからレビューから横道逸れます。なかなかストーリーが掴めないもんで。。。。一体これはどうなっているのか?と・・・・。
ネットで調べたら面白い記事がありました。ある映画評論です。この映画この作品の特徴・注目点が書かれていましたので、載せます。
幻の巨匠の本作は94分と短いしセリフはほとんどない。とりわけ本作の軸となる、レオンがアンナの部屋で過ごす4日間の展開においては、セリフゼロといっても過言ではない。また、近時の邦画はカメラ技術の進歩もあって鮮明なシーンが多いが、本作は夜のシーンが多いこともあり、全体的に薄暗い。本作にはセリフがほとんどないから、特に前半のストーリー展開は説明過多の邦画に慣れている人はよほど集中して観ないとわからないかもしれない。しかも、イエジー・スコリモフスキ監督は時間軸を一定させず、あの話この話をごちゃまぜにして映していくからよけいわかりにくい。レオンはどこで何をしているの?アンナは毎晩何を飲んでいるの?レオンは瓶の中の粉末に一体何を入れているの?
本作の後半には警察官によるレオンの取調べ(事情聴取)シーン、法廷シーン、そして面会シーンが断続的に登場する。つまり、あの憎っくきREIPU犯は逮捕されず、レオンがアンナのREIPU犯だとされたらしい。ところで、それに対するレオンの反応は?レオンの弁護人は?日本だとそれに該当する罪になるのですが、ポーランドではどうなのか?
そしてアンナBOUKOU事件後・・・・。
レオンはアンナを遠くから見守る習慣が始まるわけです。勤務していた病院もリストラされて、祖母も亡くなり一人なってしまったレオン。そんな彼は大胆な行動に出る。アンナが就寝前に飲むお茶の砂糖に睡眠薬を入れ、熟睡している間に部屋に忍び込む。
思わずSUTOKA-やんか!驚き~~!
ここからタイトルの4日間の全容です。
1日目の晩
アンナのボタンのほつれを直した。
2日目の晩
床を拭き、アンナの足指にぺディキュアを塗る。
3日目の晩
アンナの誕生日、花束と指輪を届け、部屋の後片づけをする。
4日目 の晩
壊れた鳩時計を回収。運命は残酷なことに・・・・。直した時計をもとにもどそうとアンナの部屋に侵入する時、警察に見つかってしまう。
考えると、レオンは不思議な犯罪者ですよね。アンナは被害にも遭わず、指輪まで貰っているのですから。。。。。
孤独で心優しき中年男レオン、彼の想いはアンナに届くのだろうか?
ラストは心痛みます。ネタばれになりますが、彼女にとってはレオンの存在はやはり・・・。気味の悪い男に映っているんでしょうね。アンナへの切ない思いはどうも届かないようです。上手く気持ちを表すことが出来たらこんなことにはならないだろうに。それにしても最後の宿舎の光景があのような状態になっているとは。。。。さぞかしレオンにとってはショックだっただろうね。
ポーランドの巨匠イエジー・スコリモフスキー 監督が17年ぶりに手掛けた異色のラブ・ストーリー。長年祖母と2人暮らしだった独身中年男の不器用な愛の暴走を、セリフを極力排したサスペンス・タッチの展開にユーモアを織り交ぜつつ、絵画的な映像美でリリカルに綴る。(allcinemaより抜粋)
監督・脚本:イエジー・スコリモフスキ
メディア
映画
上映時間
94分
製作国
ポーランド/フランス
公開情報
劇場公開(紀伊國屋書店=マーメイドフィルム)
初公開年月
2009/10/17
ジャンル
ドラマ
去年、無理やりベスト2に入れてしまいました。
今年、ようやく公開となったと思ったら、東京ではすごく人入ってるんですよ。
関西ではいかがでしょうか?
良作であれば、ミニシアター系の洋画の作品でも、こうして人が入るんだなあ、なんて
なんだか感慨深い気持ちになります。
コメント&TBありがとうございます。
変な表現ですが、鮮明な映像でなく、しかも
薄暗い映像でセリフも少なくて・・・。
集中しないと分かりにくいところがこの映画
の面白いところなんだと改めて理解した
ようなわけです。これがこの映画の見せ場じゃあないでしょうか?それにしても監督の
緻密な狙いは凄いですよね!!
京都でも結構珍しく多くのお客さんでした。
多分口コミで広がったのでしょうね。
ただのストーカーでないことはわかるのですが、あの終わり方ではねえ。
ストーカーされる方の気持ちは、いやというほどわかってるもんですから、複雑です。
去年の上映だったのですね。
日本全国回るのは、時間がかかるようですね。