銅版画制作の日々

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ゼア・ウィル・ビー・ブラッド★ダニエル・ディ=ルイス

2008-05-16 | 映画:ミニシアター

 

ダニエル・デイ=ルイスの狂的な演技に、驚きと感動。

 

若き日の作品での彼の印象は、わぁ~ハンサムな俳優さんだと胸キュンしたことがあった。あれから随分時間が経って・・・・・。再びお顔を拝見したら、えらい年を喰ってしまい、それも驚きのひとつだった。私自身が映画から遠ざかっていたこともあり、久しく彼の出演作を観ていなかったこともあるのだが。彼自身も一時期、俳優業から遠ざかっていたようで・・・・。マーティン・スコセッシュ監督の説得で「ギャング・オブ・ニューヨーク」(02)で復帰。その作品で3度目のオスカーにノミネートされたという凄い人である

実は事前に作品情報も知ることもなく、ダニエルが2度目のオスカー獲得ということだけで鑑賞したら、豪い作品だった。

 

主人公もダニエルという名前です。一攫千金を夢見る山師、ダニエル・プレインヴューは一匹狼の鉱山労働者として、鉱山や石油の採掘を行っていた。野心家の彼は商談を有利にするため、いつも交渉の場に幼い一人息子のHW(ディロン・フレイジャー)を連れている。

ある日、青年ポール・サンデー(ポール・ダノ二役)から「故郷の牧場の地下に石油が眠っている」との情報を手に入れた息子HWと仕事のパートナー、フレッチャー(キアラン・ハインズ)を伴い、アメリカ西部の小さな町リトル・ボストンへ。荒地のため、穀物も育たない、ましてや娯楽性のある場所でもないうらぶれた町、その土地を安い価格で買い占めていくダニエル。その砂漠に木製の油井やぐらを建造して見事に石油を掘り当てるのだ

 

油まみれで作業をする、ダニエル。

おかげで、莫大な財産を手に入れるまた辺境の地には繁栄をもたらすことに。

 

 

その土地には一見子どものようにも見える、若き牧師、イーライ・サンポール(ポール・ダノ)が布教活動を熱心に行っていた実は狂信的ともいえる聖霊派教会のカリスマ的存在である。(新興宗教のような?)

土地を買い占めて、次々と発掘するのに、教会への寄付をしようとしないダニエルをよそ者として疎ましく思うイーライ。強大な教会を作ろうと目論むイーライにとって、石油のもたらす富と町の変革は彼の道を阻む脅威なのだ

 

ある日、油井ややぐらが爆発という大事故が起きる現場にいた息子HWが真っ黒の石油のにまみれて吹き飛ばされる。そんな息子を抱きしめるダニエル。この事故で、HWの聴力は失われてしまうこのことでダニエルはイーライに“神は無力か”と激しく叱責殴打!!!突然、音を失い、混乱をきたしたHW、自らダニエルのに火を放つ。そのことが原因で非情にも、父の手で彼方の地に遠ざけられてしまう。

 

事業は上手く進むように見えたが、富と権力を得ながらも住民との対立は深まるダニエルの人間不信はいっそう増していく。益々町で孤立していくばかり。その一方、イーライは礼拝で、聴衆を惹きつける。強烈な熱気をはらんだその祈りは多くの聴衆をいっそう惹きつけるのだった

ダニエルはライバル会社を出し抜くために、とうとう地元の住民に信頼を得るため、宿敵、イーライの聖霊教会で洗礼の儀式を受けることを決意するすべては石油を海岸へ運ぶパイプライン敷設のための名の下である。

イーライはダニエルを教会に引き入れると、身も凍るような説教で、彼の罪を激しく叱責し、ついには彼を跪かせて平手打ち

 

イーライは彼が憎くてたまらなかったはず・・・・・。この後、ダニエルは逆襲する。

 

このことで、ダニエルはイーライとの間の確執を深めた。ダニエルは石油を通して、欲望と野心、誘惑、そして腐敗といった悪徳をその身に宿す。そしてその魂は破滅の道へと辿ることに。

 

人間の心の奥底には誰しもダニエルと同じように野心、欲望、腐敗したものがあると思う。それが実際に行動として出るか?どうかは別として。ここまで行くともうとめられない何かがあるに違いない。成功すれば、なおさらのこと・・・・・。自分が頂点に立つことによって大事なものを失うのも当たり前なのだろう。たったひとりの息子も、彼から去っていく。そのとき、ダニエルが言った言葉は「俺の子どもじゃない、拾って育てただけ・・・・」何と悲しい言葉なんだ心を完全に失った化け物(モンスター)とはこのことかもしれない。少なくとも愛情深く育てていたはずなのに。

 

信じられないやつは、無残にも自らの手で・・・・・。やったら、やり返す信じるものは自分だけ

 

 欲望という名の(黒き血)

 

 イーライ役、ポール・ダノ

「ミス・リトル・サンシャイン」のお兄ちゃん役が印象的です。

 

 

 「マグノリア」「パンチドランク・ラブ」のポール・トーマス・アンダーソン監督が名優ダニエル・デイ=ルイスを主演に迎え、石油を掘り当てアメリカンドリームを実現した男の欲望と裏切りの人生模様を骨太に描く一大叙事詩。原作は、シカゴの精肉業界の実態をあぶりだした『ジャングル』などで知られる社会派作家アプトン・シンクレアが27年に発表した『石油!』。ダニエル・デイ=ルイスは本作の演技で全米の映画賞を席巻、アカデミー賞でもみごと主演男優賞に輝いた。
 20世紀初頭。一攫千金を夢見る山師の男ダニエル・プレインヴュー。孤児を拾って自分の息子H.W.として連れ歩く彼は、ある日ポールという青年から自分の故郷の土地に油田があるはずだとの情報を得て、西部の町リトル・ボストンへと向かう。そして、すぐさま土地の買い占めに乗り出す。そんな中、ポールの双子の兄弟で住人の信頼を一手に集めるカリスマ牧師イーライが、ダニエルへの警戒を強めていく

(allcinemaより)

 

上映時間 158分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(ディズニー)
初公開年月 2008/04/26
ジャンル ドラマ
映倫 PG-12

※5月9日、京都シネマにて鑑賞。

 

 

オフシャルサイト(英語版) 

 

 

 

 

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1 Comments

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凄い迫力 (sakurai)
2008-06-18 21:56:32
すさまじかったですねえ。
さすが、迫力のダニエルさんでした。
あれはやはりオスカーも納得です。
鬼気迫るものがありましたもん。
で拾いもんがイーライですかね。
情けなさそうに見えて、実はちゃっかり。
そしてまた弱さを見せる。
うまい人間像でした。
もう一回見る?と言われると、うーんと悩んでしまいそうな映画ですが、すごかったです。
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