銅版画制作の日々

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奥田瑛二監督作品 『長い散歩』

2007-01-14 | 映画:ミニシアター

  
京都シネマにて、土曜日より上映が始まった。夕方鑑賞昼間の上映時間に監督の奥田瑛二さんと主演の緒方拳さんの舞台挨拶があって・・・・満席状態で立ち見だったようだ。入れ替え制なのだが、挨拶のため、夕方の上映時間はずれ込んでいた。ようやくは入れることに・・・・。何とこの回も監督奥田瑛二さんのみだが、舞台挨拶が急遽あるという事で、ラッキー奥田さんによる映画制作のきっかけなども話を聞けた。主演を緒方さんで、映画を撮りたいという気持ちが以前からあったそうだ。企画・原案も奥田さん自身のオリジナル数年かけて企画を温め、実現した作品だ

今回の作品で3作目となる奥田作品は、罪のない子供たちを巻き込むいたましい事件が多い現代社会。今回そのテーマをとおして、日本人が本来持っている心の優しさや愛情の再認識させる作品ではないだろうか。

《物語》定年退職するまで、名古屋で高校の校長をしていた安田松太郎(緒方拳)は厳格な教育者だったが、幸せな家庭を築けず・・・。心の病をアルコールによって逃避しようとした妻(木内みどり)は亡くなり、一人娘亜希子(原田貴和子)からは憎しみをかっていた。人生に悔根を背負った松太郎は、家を出て、アパートで一人暮らしを始める。そんな松太郎は一人の少女と出会う。その少女は、アパートの隣室に母と暮らしていた。ボール紙で作った擦り切れた羽を背中につけた少女は地上の天使。でもその天使は母に大事されず、いつもひとりぼっち。誰にも心を開けなくなっていた。母は男を部屋に入れる毎日そんな少女はテーブルの下でしか寝る場所がなかった。唯一の居場所は大きな樹木の根の隙間だった。ここに自分のお気に入りのおもちゃや絵本を置いて、過ごしていた。松太郎は次第に少女と交流を始める。運命の日がやって来た母親の相手である水口が、少女をからかっていた。大きな声を出し、少女は飛び出す。その声で、松太郎も追いかける水口から、少女を救うそして松太郎は静かに語りかけた。「おじいちゃんといっしょに行くか?青い空を見に行こう綿飴みたいな雲が浮かんで、白い鳥が飛んでいる」と・・・・。母親の冷たい仕打ちのために、誰とも心通わすことが出来なくなった少女を連れて、松太郎と少女の長い散歩が始まる・・・・。トラウマを背負った少女は、なかなか心を開けようとはしなかった。しかし旅の途中のなにげない交流の中で少しずつ、心開き始める。突然自分の名前を告げる。少女の名前は幸“サチ”(杉浦花菜)
幸がいなくなったことを、警察に届けた母親(高岡早紀)、そして同じ日からいなくなった松太郎が誘拐したという事実は、そんなに時間はかからなかった。

二人の長い散歩は、ある日バック・パッカーのワタル(松田翔太)が加わり、3人に・・・・

予告編で観た時には、重い話のように感じていた。観たいけど、悲しくなるのではなんて思った。でも以外に冷静に鑑賞できた。何なのかは分からないけど・・・・不思議な気持ちにさせる映画だった唯一少女が保育園のお遊戯会で覚えた歌「天使のパンツ」を唄いながら踊るシーンは、彼女の境遇の悲しさを吹き飛ばしてくれる暖かいものを感じた。救われた気持ち

主演の緒方拳も素晴らしいけど、この少女幸を演じた杉浦花菜ちゃんの演技には度肝抜かれた撮影当時5歳だったそうだ。変に大人びたものもなく、自然体で実年齢の少女を演じている。本当に等身大の女の子って気がした。母親役の高岡早紀も子供を愛する事ができないという役が何かリアルで、凄かった。


松田翔太はいい味出してました故松田優作の次男


2006年モントリオール世界映画祭3冠受賞

 「長い散歩」公式サイトぜひご覧頂きたい映画です

 

 

 

Comments (6)
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