大佗坊の在目在口

見たり、聞いたり、食べたり、つれづれなるままに!!

落城

2008-05-07 | その他
珍しく朝寝坊してしまった。
前夜、時間を忘れ、ある作家の小説を夢中で読んだ。

部屋を掃除したとき、何気なく手に取った本が
角川昭和文学全集、田宮虎彦の落城という作品だった。

異母兄弟、絵本、菊坂、足摺岬、落城、霧の中と物語は続く。
抒情的で、悲しく、暗く、不条理で、読書後心が重くなる。

足摺岬という作品の中で、老人に
「黒菅はな、戊辰の戦ひで官軍に滅ぼされた奥路の小さな藩のことよ、
黒菅では藩士は錦の御旗にさからって、一人のこらず死んだ。
女も子供も斬死した。赤児まで死んだ。、、、、、、、、、、、」
さらに
「黒菅三千の魂がい生ながらのいのちをささげた
かんじんかなめの徳川様は公爵様にをさまるし、
世の中は黒菅などにかゝはりもなしに移り変っていったよ。、、、、、、、」
と語らせている。

「慶応四年十月十六日、仙台にあった奥羽追討の西国勢主力に
ついに北上の動きがみえた」で始まる作品「落城」は、
黒菅(くろすげ)という戊辰の奥羽の架空の小藩の設定。

戦後間もない昭和二十四年に発表した落城という作品は、
まさに戊辰の会津藩、会津若松城の攻防戦を描いている。

戦後の悲惨さを戊辰の会津にオーバーラップさせたのだろうか?


昼間、谷中霊園にいった。中にある
松平容保公篆額を見たあと、徳川慶喜の墓地に寄った。
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