ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

ダイヤモンド・プリンセス号に乗船した感染症専門医、岩田氏の報告を読んで

2020年02月20日 | 日本とわたし
新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号から救出され、2箇所のアメリカ軍基地の施設で2週間隔離されることになっていた400人近くの乗客の中に、新たに14人の方が陽性反応が出ました。
移動中に行われたウイルス検査の結果でした。

19日より、このクルーズ船から一部の乗客の方々を船外に解放する作業が始まっています。
その数443人。
船内だけの検疫で本当に充分なのでしょうか?


という悲惨な状況を自身の目で確かめた岩田氏の報告です。

この動画を観ました。
ものすごくショックを受けました。

この動画は、世界各国のメディアが取り上げ報道されました。
日本ではどうだったんでしょうか?
残念ながらもうこの動画は観ることができません。
岩田氏が自ら、6時間ほど前に削除したからです。

船内の感染症対策はとても充分だとは言えず、不適切な部分があちこちに見られた。
新型肺炎という疫病に対し政府が楽観的である。
専門家の意見が尊重されず、感染対策が徹底されていない。
これでは感染者が続々と増えていくことも仕方がない。

実態:
誰が感染してもおかしくない。
レッドゾーン(感染のリスクがある場所)とグリーンゾーン(感染のリスクがない場所)がごちゃ混ぜになっていた。
PPE(防護服)を着ている人と背広を着ている人が同じ空間を歩き回っている。
患者も船内を歩いて行き来している、
PPEを着た人が手袋をつけたままでスマホをいじっている。
日常診療のノリで対応しているので、患者との接触をできるだけ少なくするという感染対応にそぐわない。
汚いところでつけていたマスクやPPEを、きれいなところでは脱いだり外したりしなければならないのにそれが徹底されていない。
医療者は入っているが、感染症の専門家が常駐していない。
感染対策の基本がきちんと守られていない。
厚生省やDMATのメンバーも感染している。

対策:
レッドゾーンとグリーンゾーンを分ける。
本部を船の外に出す。
CDC(疾病管理予防センター)を、2009年に新型インフルエンザが起きた時に作っておくべきだった。
専門家会議のような会議をする人ではなくて、実務をする人を招聘すべき。
アフリカのエボラ対策を経験した人も若手で4、5人いるから、そういう人がチームを作って現場に入っていれば、何をどうすればいいかはあっという間にわかったはず。
現状頑張っているね、で追認する形ではダメ。

要約:
エボラもSARSも怖くなかったが…ダイヤモンド・プリンセスの中はものすごい悲惨な状態で、心の底から怖いと思った。
我々がこういう感染症のミッションに出る時は、必ず自分たち医療従事者の身を守るっていうのが大前提。
自分たちの感染のリスクをほったらかしにして、患者さんとか一般の方々に立ち向かうっていうのはご法度。ルール違反。
レッドゾーンでだけPPEをキチッとつけて、それを安全に脱ぐということを遵守して初めて、自らの安全が守れる。
自らの安全が保障できない時に、を守れないときに、他の方の安全なんか守れない。
アフリカや中国なんかに比べても全然酷い感染対策をしているし、シエラレオネなんかの方がよっぽどマシだった。
日本にCDC(疾病管理予防センター)がないとは言え、まさかここまで酷いとは思っていなかった。
院内感染が起きているかどうかは、発熱のオンセットを記録してカーブをつくっていく統計手法、エピカーブというのがあるが、そのデータを全然とっていない。
院内感染がどんどん起きていても、それにまったく気づかなければ、対応すらできない。
専門家もいない。
ぐちゃぐちゃな状態になったままにいる。
これは日本の失敗なわけだが、これを隠すともっと失敗。
確かにまずい対応であることがバレるのは恥ずかしいことかもしれないが、これを隠蔽するともっと恥ずかしい。
ダイヤモンド・プリンセスの中の方々、それから、DMATやDPAT(災害派遣精神医療チーム:Disaster Psychiatric Assistance Team)や厚労省の方、あるいは検疫所の方が、もっとちゃんとプロフェッショナルなプロテクションを受けて、安全に仕事ができるように、
そのためにもこの悲惨な現実を知っていただきたいという思いで、この動画をあげた。





こんな緊急事態に襲われている時に、

そして極めつけはやはりこの人。

日本は今、これほどに恐ろしくおぞましいことを平気でする政府に取り憑かれてしまっているということなのでしょうか。


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2 コメント

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岩田さんあぶないよ (臼井)
2020-02-21 14:58:06
岩田さんは検疫中ずっと楽観論唱えてて、外で死人が出てから焦って船に乗り込んで追い出されたんで逆上してるって感じですよ。
今でも船の外は安全っていってるし。

>日本の拡大予防は成功、エアロゾル感染も否定
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/coronavirus-dr-iwata
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/unknown-cause-china-10
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臼井さんへ (まうみ)
2020-02-23 06:52:07
紹介してくださった記事をどちらも読ませていただきました。
確かに楽観視しておられたように見受けられますね。
けれども、あの船に乗り込んで現場を見た瞬間に、物凄い衝撃を受け、それまでの考えが吹っ飛んでしまったように思います。

これは19日に行われたインタビューの様子です。https://note.com/tbsnews/n/nc4bac4cbcf6e
読んでみてください。
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