ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

痛い思いをして大金を払わされることについて

2023年03月07日 | 日本とわたし
先週の金曜日の歯の治療は、これまでで一番きつかった。

以前にも何回も話したことがあることだけど、今から30年以上も前の離婚間近だった頃に、かなり貧乏になることが確定していたので、事前に虫歯治療を済ませておこうと思ったわたしは、巷で好評だった歯科医院に行った。
虫歯はまだ始まったばかりだったけれども前歯のど真ん中だったので、早期治療で簡単に終えられると思っていた。
すると歯科医は、
「これから先、ずっと心配しなくてもいいようにしておいた方がいいですよ」と言って、気がついたら上の前歯4本を、全て差し歯にされてしまった。
気がついたら、なんて信じてもらえないだろうけど本当のことで、治療が始まってからずっと頭の中は真っ白で、目の前にいる歯科医のマスクに自分の血肉が飛び散っていくのをぼんやりと見つめていた。
時間にして4時間以上もかかり、頭が朦朧としていた時に、健康だった歯も含む4本の前歯が全て消えてしまった口を手鏡で見せられて気を失いそうになった。
その費用、当時にして一本7万円、合計28万円にもなってしまい、離婚の話を進めている際に何度も夫から「ギリギリのギリギリまで僕の金を使う魂胆だったのだな」と責められた。
そんなつもりなど毛頭無かったのに。

今回の治療は、その前歯の差し歯の根っこにずっとつきまとっていた膿の除去と、その差し歯の抜歯。


抜いてみたら、案の定、骨にも随分と悪さをしていたので、ガリガリと削り取る作業が延々と続いた。
途中で麻酔が切れてきて痛んだので、追加で麻酔を打ってもらったのだけど、体が辛かったんだろう、泣こうと思っていなかったのに涙が耳の中に入ってきてびっくりした。
ああ、こんなことならケチらずに、笑気麻酔か全身麻酔を頼むんだったと、かなり時間が経ってからだったけど後悔した。
今回の治療は合計3000ドル(日本円で41万円)、現金で支払うと10%引いてくれるので現金払いにした。
わたしの口の中には、大掛かりな治療が必要そうな歯が、まだまだ何本も控えている。
なんてこったと思うしかないのだけど、今回の術後の痛みと腫れは、3日目の今日でもまだけっこう辛いので、なかなか気が晴れない。
でもまあ、夫の鍼と漢方薬で、これでも随分と助けてもらっているのでありがたい。

ただ、ほうれい線がすっかり消えた右頬を見るのは楽しい。
なるほど、こんなに簡単にシワは姿を消すのだ。
なんだ、膨れればいいのか。
この子みたいに。

と、右側だけリス顔のわたしは、ひひひと左頬だけでニヤついている。

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