ウィンザー通信

アメリカ東海岸の小さな町で、米国人鍼灸師の夫&空ちゃん海ちゃんと暮らすピアノ弾き&教師の、日々の思いをつづります。

国民の命を蔑ろにしなければ運営できない原発がこれほど多いのは、それでも大人しく金を貢ぐ国民が多いから

2016年02月25日 | 日本とわたし
前回の記事で、専修大学の長谷川宏教授が執筆された『原発事故と福島をめぐる覚え書き』の第1部を紹介させていただきました。
この記事では、第2部を続けて紹介させていただきます。

↓以下、転載はじめ

第2部:メディア・リテラシーと科学的推論
―福島原発事故と放射能被ばくをめぐる個人的な経験と見解

1. はじめに
2011年3月11日の東日本大震災直後から、福島原発が危険な事態に陥ったことが、メディアで報道されるようになった。
と言ってもその報道は、NHKのニュース7における東京大学の関村直人教授のような、いわゆる「原子力ムラ」の学者たちを出演させての「安全・安心」 を強調するもので、
それが信用できないことは、チェルノブイリ等で起こったことをよく知っていた私から見れば、明らかなことであった。
3月12日には、1号機で、水素爆発が起こったことが伝えられた。
私は家族に、「逃げなければならない事態も考えられるので、荷造りをしておくように」と伝えた。


2. 福島原発の爆発と避難
3月14日には、3号機で大爆発が起こった*3
------------------------------------------------------------------------
*3 この衝撃的な映像は、「国民に不安を与える」という理由からか、その後大手メディアでは「封印」されてしまったが、今も Youtube等の動画サイトでは見ることができる

その映像をテレビで見た私は、先の1号機の爆発とはまったく質の異なる、深刻な事態が生じていることを直感した。
なお、この3号機の爆発は、政府・東京電力の公式発表では、1号機の爆発と同じ水素爆発ということになっているが、
平智之・鳩山由紀夫両氏による雑誌Natureへの寄稿「福島第一原発を国有化せよ」等で、
これが核反応を伴うものであった可能性も指摘されており、まだ確定的な分析がなされたとは言えない*4
------------------------------------------------------------------------
*4参照URL:http://www.natureasia.com/ja-jp/nature/specials/contents/earthquake/id/nature-comment-121511

いずれにせよ、本当に深刻な事態が生じたときには、福島・東京圏間の二百数十キロという距離では安全とは言えないことも、
チェルノブイリから200~300km離れた地域でも、汚染が起こったことから、既にわかっていた。*5
------------------------------------------------------------------------
*5 *9の早野龍五氏によるTwitter上の発言参照。

14日の午後には、家族を車に乗せて、東名高速を西へ向かった。
静岡まで走ったあたりで、「もういいんじゃないの」と家人に言われたが、
「いや、もう少し西の、行けるところまで行っておいた方がいい」と判断し、結局14日の夜は、愛知県蒲郡市に宿泊した。
このような私の行動は、チェルノブイリ事故等に関する今までの知識・情報に基づいた、いわば「科学的直観」に頼ったもので、明確な根拠があったわけではなかった。
翌15日朝、「ちょっと過剰反応だったかも知れない」と思いながらテレビをつけると、なんと4号機も爆発を起こしたことがニュースで報道されていた。
「これはすぐには戻らないほうがよいかも知れない」と判断して、15日はさらに車を西へ走らせ
15日の晩から、島根県松江市の、家人の実家にお世話になることになった。
それ以降、事態をどう分析し判断するかで、私は頭を悩ませ続けた。
大手メディアの「安全・ 安心」を謳うニュース報道が、信用できないことは既にわかっていたので、インターネット等で、必死になって情報を収集した
私ほどは、原発事故や放射能の被害に関する知識を持たない家人や、その実家の親族とは、状況判断に埋めがたいずれがあり、対応に苦慮した
それでもとにかく、万一の事態を想定して、ぎりぎりまで松江にとどまった。
2011年度は、外国語第1部会長をつとめることになっていたこともあり、大学で新年度の学事・業務が始まり、
学部教授会・外国語第1部会等が開催された4月の初めには、神奈川の自宅に戻ることにした。


3. 事故直後の、2011年3月に起こっていたこと
インターネット等で情報を収集する中で、リアルタイムよりは少しタイムラグはあったものの、さまざまなことがわかってきた。
まだ大手メディアが「安全・安心報道」一色だった、事故直後の3月13日
広河隆一氏・森住卓氏・豊田直巳氏等のジャーナリストのグループが、双葉町など、原発のすぐ近くで取材を行い、そのレポートがネット上で公開された*6
------------------------------------------------------------------------
*6 Youtube 動画「【福島原発】放射能による内部被ばくを警告~緊急現地報告」参照
URL:http://www.youtube.com/watch?v=auzDIQHuhPs


双葉町では、毎時10ミリレントゲン(毎時100マイクロシーベルト)まで計測できる線量計が、振り切れて測定不能となった
チェルノブイリ等の、放射能汚染地帯の取材経験の豊富なジャーナリストたちでさえ、
今まで経験のない高線量に、恐怖感を抱く緊迫した様子が生々しく伝えられ、大手メディアの報道ではわからない事態の深刻さを、私に教えてくれた

また、私たちが避難を開始した3月14日の翌15日未明、
福島原発から放出された放射能雲 (プルーム)が、15日午前に、東京など首都圏に到達した
ことが、当時の測定データなどから明らかになった。*7
------------------------------------------------------------------------
*7 東京都安全センター「大気中の放射線量/1日単位の測定結果(新宿)」参照
URL:http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/mp_shinjuku_air_data_1day.html


なお、私が避難の判断をしたのは、3号機爆発の映像を見たことがきっかけであったが、
15日に首都圏を襲った放射能雲(プルーム)は、2号機由来のものと言われている。
しかし、2号機建屋内があまりの高線量のため、未だに人が入れないこともあり、具体的にどのような事象が起こったのかは依然として明らかになっていない

測定機器が高いビルの上にあり、値が低めに出ることが指摘されている東京都新宿区百人町のデータでも、
一時、放射線量が、毎時0.8マイクロシーベルトを超えていることが確認できる
ちょうどこの3月15日に、東京(台東区)で採取された、空気中の放射性物質の測定をした京大原子炉研助教の小出裕章氏は、その濃度の高さに驚いたという。
原発事故や、それによって放出される放射性物質の危険性に関しては、日本でも一番と言っていいほど熟知しているはずの小出氏でさえ、
東京に、このタイミングで、これほどの放射性物質が飛来することは、予測しきれなかったようである。*8
------------------------------------------------------------------------
*8 5 日に台東区で採取された空気の小出氏による分析結果については、「3 月 15 日東京を襲った『見えな い雲』」参照
URL:http://www.page.sannet.ne.jp/stopthemonju/home/11.3.25tokyomienaikumo.pdf


なお、原発事故後、Twitterによる情報発信で、多くの人に知られるようになった東大の早野龍五氏は、
事故直後に、「福島と東京のあいだは、250km以上離れていますので心配無用」、という発信をしている
早野氏が過去に、中国から何千キロも離れた日本まで飛来した、核実験の放射能を実際に測定した経験をもつことを考えると、不用意な発言と言わざるを得ない*9
------------------------------------------------------------------------
*9 「東京大学理学系研究科・早野龍五教授のTwitter回答を編集したものミラー」参照
URL:http://matome.naver.jp/odai/2129998418247170501
以下に、Twitter上のやり取りの一部を引用する:
Q. 20km以上離れれば安全ということですが、外気に触れないというのは、東京でも同様でしょうか。
A. 福島と東京のあいだは、250km以上離れていますので、心配無用です
Q. 東京在住の人は、肌を露出しての外出は、控えるべきでしょうか?
A. その必要はありません。
20kmという政府の避難指示は妥当です。
被曝は、風で運ばれる放射性物質によって引き起こされ、遠くなればなるほど放射能は薄まるので、東京にいる方が心配することはありません
 

しかも、この15日の放射能雲の南下と、広がり具合を示すデータを見ると、静岡近辺にまで到達しているのがわかる。
私が、14日の避難の最中に、「静岡まで避難したのではまだ十分でない」 と判断し、その日のうちに愛知県まで逃げたことの妥当性が、実際のデータによってはっきりと裏付けられている。*10
------------------------------------------------------------------------
*10 『第53回環境放射能調査研究成果論文抄録集』(平成23年12月 文部科学省科学技術・学術政策局原子力安全課防災環境対策室)参照
URL:http://www.kankyo-hoshano.go.jp/08/ers_lib/ers_abs53.pdf
このデータを見ると、静岡県では、3月15日に、空間放射線量の上昇が見られるのに対し、愛知県では変化が見られない。
併せて、2012年3月11日(日)夜10時放送NHK ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図・埋もれた初期被ばくを追え」参照
URL:http://www.nhk.or.jp/etv21c/file/2012/0311.html


ここで留意しておくべきことは、3月15日昼前に、この放射能雲(プルーム)が都内を通過した後は、急激に上昇した空間放射線量がまた、急激に下がったことである。*11
------------------------------------------------------------------------
*11 東京都安全センター「大気中の放射線量/1日単位の測定結果(新宿)」参照
URL:http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/mp_shinjuku_air_data_1day.html


しかし、だからと言って、何の心配もすることはなかった、とは言えない。
このとき、放射能雲が通過した地域にいた人たちは、多かれ少なかれ放射性物質を吸い込み、内部被曝したと考えられるからである。
しかも、このとき飛来した放射性物質は、半減期の短いものが多く、日数が経ってから、その内部被曝値を測定することは困難である。*12
------------------------------------------------------------------------
*12 注8の小出氏による分析結果、および注10のNHKETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図・埋もれた初期被ばくを追え」参照

さらに、もうひとつ注意すべき点は、半減期が短く、放射性物質が早く減少するからといって、安心はできない、ということである。
半減期が短いということは、それだけ短時間で急速な崩壊が起こり、放出される放射線のエネルギーも大きい、ということである。
半減期8日の放射性ヨウ素によって引き起こされるとされる甲状腺癌を、当時チェルノブイリで幼い子どもだった人たちが、何十年も経った今も発症しているのは、
事故直後に放射線によって体の細胞に受けたダメージが、何十年も経ってから癌などを引き起こす可能性がある、ということである。
事故初期の放射性物質が、大量に放出されていた時期に、被ばくを避けるための避難等を、一刻も早くすべきであったにもかかわらず、
政府・メディア等によって流布された「安全・安心デマ」 のせいで、人々の避難等の対応が遅れ、結果として、多くの人々が、被ばくの危険にさらされてしまった。

政府・メディアが、今日に至るまで、その責任について、十分な検証も真摯な反省もしていないのは、許されないことである。
なお、空間放射線量が仮に同じであったとしても、放射能雲が、実際にその地域にやって来ているときとそうでないときとでは、
放射性物質を吸い込むことによる内部被曝の危険性が異なることにも、留意する必要がある

原発からの放射性物質の放出は、現在も続いてはいるものの、 事故直後に比べると桁違いに減っている
現在計測される空間放射線は、地面に落ちたり草木等に付着したりした、放射性物質から発せられるものがほとんどであり、
空気中にただよう放射性物質は、(原発の直近以外では)事故直後に比べて桁違いに少なくなっている*13
------------------------------------------------------------------------
*13 東京では、放射性降下物のデータが、2011年8月以降ずっと不検出(ND)となっていることで、これが確認できる。
「都内の降下物(塵や雨)の放射能調査結果」参照
URL:http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/f-past_data.html
ただし、降雨時のNDの基準を、50ベクレル/m2と通常より高く設定しているのは、
「降雨時には放射性降下物の値が上昇するが、健康には影響ない」という、後で述べる誤った認識に基づくものであり、正当な根拠がないことには注意が必要である。


放射性物質を吸い込むことによる内部被曝の危険性は、事故直後に比べれば、現在ははるかに低くなっていると言える。
逆に言えば、大量に放射性物質が放出され、それを吸い込むことによる内部被ばくの危険性が高かった事故直後に、
なるべく早く遠くまで避難することが、いかに重要で、それを指示しなかった政府・メディアの責任がいかに重いか、ということであり、今後の健康被害の拡大が懸念される

上述のように、3月15日に首都圏を襲った放射能雲は、首都圏を通過して行ったのであるが、3月21日、22日の両日には、もっと厄介なことが起こった
このときは、放射能雲の飛来と降雨が、首都圏で同時に起こったのである。
福島で、飯舘村等の地域が汚染されたのも、このような放射能雲の飛来と降水が、同時に起こったためである。*14
------------------------------------------------------------------------
*14 3月15日に、北から南への風に乗った放射能雲が、首都圏を襲ったが、同日中に、南東から北西への風に変わり、降水によって、飯舘村など原発の北西方面に、今日まで続く汚染が生じた
なお、首都圏でも、千葉県柏市等、現在も放射線量が比較的高い地域があるのは、3月21、22日の放射能雲の飛来と、降雨によって生じた汚染が、主な原因である。


この放射能雲の飛来と降水が、汚染をもたらすことは、チェルノブイリで現実に起こったことで、既にわかっていたことである。
しかも、それは原発の周辺だけでなく、チェルノブイリから数百キロも離れた地域でも、そのような「放射能雲+降水」による汚染が、実際に確認されていたのである。
そのような知識があれば、福島事故に際して、二百数十キロ離れた首都圏でも同じことが起こり得ることは、当然予想されることであった。
事故後、首都圏で、事故後初めての本格的な降雨が、3月21、22日にあるという天気予報が出たのを知り、
私は、知人・親族等に、「雨に気をつけろ」という趣旨の情報を、メールなどで流した
これに対し、私の親族にさえ、「それってデマじゃないの?」という反応をされた*15
------------------------------------------------------------------------
*15 震災直後に、千葉のコスモ石油で火災が起こり、これに関連して、「有害物質が雨とともに降ってくる」、という情報が流れた
これはすぐさま「デマ」であるとされたが、私は、この情報を、根拠もなく「デマ」と片づけてよいのか疑問を感じていた。
後になって、これが、必ずしも「デマ」ではなかったことを、裏付ける報道があった
2011年7月1日付、千葉日報記事「劣化ウラン保管施設も延焼 コスモ石油のガスタンク火災で 千葉県議会」参照
URL:http://www.chibanippo.co.jp/news/chiba/politics_economy_kiji.php?i=nesp1309498977において、以下のように伝えられている:

東日本大震災で発生した、コスモ石油千葉製油所(市原市)の液化石油ガス(LPG)タンク火災・爆発に伴い、
隣接する劣化ウラン保管施設も、延焼していたことが明らかになった。(中略)
県消防課は、同製油所のガスタンクの火災・爆発事故で、隣接するチッソ石油化学の劣化ウラン保管倉庫の屋根が、焼け落ちていたことを明らかにした。
同課によると、同倉庫は、「核燃料使用事業所」として国の許可を受け、ガス製造用の触媒として使われる劣化ウラン765キログラムが保管されており、放射性物質が0.3%含まれていた
この「デマ」とされた情報は、火災によって延焼した倉庫に、劣化ウランが保管されていることを知る者が流した可能性があり
もしそうだとすれば、「デマ」ではなく、むしろ正しく警戒を呼び掛ける情報だったことになる。


しかし、後になって、私の懸念は、データによって完全に裏付けられた。
3月21、22日の両日、 1平方メートルあたり何万ベクレルという、大量の放射性ヨウ素・セシウム等の放射性降下物が、都内で測定されたのである。
原発事故以降今日に至るまで、この2日間ほど、大量の放射性降下物が都内で観測されたことは一度もない*16
------------------------------------------------------------------------
*16 「都内の降下物(塵や雨)の放射能調査結果」参照
URL:http://monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/f-past_data.html
なお、このサイトには、
「大気中に拡散している放射性物質が、雨と一緒に地上に落下したためとみられる、値の上昇が観測されましたが、健康への影響はありません」という記述があるが、
チェルノブイリ等で、そして飯舘村等で起こったことを考えれば、これは明白な誤りである。
むしろ、降水による放射性物質の降下とその定着こそが、汚染と被ばくの危険をもたらすのである。


なお、3月21、22日の両日を中心に、放射性ヨウ素とセシウムだけでなく、半減期の短いさまざまな放射性核種の降下があった結果、
合計二十数万ベクレル/m2という、「放射線管理区域」に指定されるレベルをはるかに超える量の、放射性降下物が検出されたことが、
カナダ大使館(東京都港区赤坂)敷地内で、 3月23日に採取された土壌の分析結果から確認されている
*17
------------------------------------------------------------------------
*17 ”Study: Fukushima fallout at Canadian embassy in Tokyo was 225,000 Bq/m2 ― Far in excess of limit set for radiation control zones” 参照
URL:http://enenews.com/study-fukushima-fallout-at-tokyo-embassy-was-225000-bqm%C2%B2-exceeds-limi t-set-for-radiation-control-zones
また、専修大学神田・生田両キャンパスを含む、関東各地の土壌中の放射性物質のデータとその科学的分析、および内部被曝量の数理モデルに基づく推定については、大井(2013)参照。
なお、東京大学の早野龍五氏は、この東京での降雨の際、Twitterで次のような発信をしている。
「Metro降りて地上に出たら、広尾は雨。『春雨じゃ、濡れてまいろう』と洒落てみたいが、そもそも傘持ってないし、(中略)ゆるゆると濡れて帰ろう」
これは、降雨による放射性物質の降下を懸念する声があるのを念頭に、「その心配はない」というメッセー ジを発したものと解釈せざるをえないが、これも軽率のそしりを免れない。
また、早野氏は一時期、「3月15日以降、東京で放射性物質の大量降下はない」という内容の発信もしており
筆者が、東京都((新宿区百人町)における、3月21、22日の放射性降下物測定データを示して、Twitter上でその誤りを指摘した経緯もあった。


このような、降雨による放射性降下物の危険性に関して、政府はどのような認識・対応だっただろうか。
「東北・関東の方へ―雨が降っても健康に影響はありません」と題された、2011年3月20日付の文書が、首相官邸HPに、現在もアップされたままである。*18
------------------------------------------------------------------------
*18 以下URL参照:http://www.kantei.go.jp/saigai/20110321ame.html

この文書は、
まず冒頭で、
「雨が降っても健康に影響はありません。ご安心ください。
場合によっては、雨水の中から、 自然界にもともと存在する放射線量よりは、高い数値が検出される可能性はありますが、
健康には何ら影響の無いレベルの、極めて微量のものであり、『心配ない範囲内である』という点では普段と同じです」
と述べている。
このような記述は、何ら根拠がなく、事故直後のさまざまなデータが明らかとなった今となっては、明白に誤っていると言える。
3月21日から23日にかけて、東京に降下した放射性ヨウ素は、3日間で計8万ベクレル/m2以上
放射性セシウムは、21日だけで、134Csと137Csが計1万ベクレル/m2 以上という、
中国等で核実験が行われていた時期や、チェ ルノブイリ事故後と比べても、桁違いに多い降下量であり、「極めて微量」などというレベルとは到底言えない*19
------------------------------------------------------------------------
*19 注16の「都内の降下物(塵や雨)の放射能調査結果」参照

原発から二百数十キロ離れた東京でさえ、これだけの降雨に伴う放射性降下物が観測されたのだから、
ましてや福島において、降水に伴う放射性降下物が、「極めて微量」などでは決してなかったことは、言を俟たない。
むしろ、降水による放射性物質の降下によってこそ、 今日まで続く飯舘村等の深刻な汚染がもたらされたのであり、
このように明白な誤りであることが、データによって既に証明されている文書を、今も堂々と、首相官邸HPにアップしている無神経さは、理解に苦しむ


*文字制限があり、ここでまた中断させていただきます。
次の記事に続きます。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。