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リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

悪夢が続いている

2019-03-03 06:01:00 | オヤジの日記

私には娘が1人いる。

そして、私が勝手に娘だと思っている子が、何人かいる。

 

そのうちの1人が、いま石川県金沢市で暮らし、大手飲料メーカーで奮闘している大食いのミーちゃんだ。

ミーちゃんは、一回の食事で必ず三合のメシを食うフードファイターだ。

白いメシに塩コショウを振りかけて食ったり、インスタントラーメンをかき込みながら、たまにハムをハムハムしながら白メシ三合を食うのである。

たとえば、寿司なら焼肉食い放題の店で、陳列してある寿司60貫を独占することもある。焼きおにぎり15個を独占することもある。カレーライスをライス大盛りで、カレールー少々をかけて6杯独占することもある。

独占禁止法違反ではないだろうか。

 

ミーちゃんは、中学3年のとき、私の娘と同級生だった。

そして、両親の離婚騒動に嫌気がさして、中学3年6月から高校1年の7月まで、我が家に居候をしていたことがあった。

両親の離婚調停は4ヶ月足らずで終わったが、ミーちゃんは、その後も我が家に居続けた。

一度だけ、父親に「しばらく夏帆の家にいて、頭を冷ますから」と電話をかけていた。

ミーちゃんは親権を母親が持ったのが、気に食わなかったのだ。ミーちゃんは23歳の今に至るまで、母親と折り合いが悪かった。8年以上まともに口をきいたことがないほどだ。

異常だ。

 

高校1年の夏休み前、この異常な事態を打破するため、ミーちゃんの母親が児童相談所と高校に相談に行った。

児童相談所の人が訪問してきた。児童相談所の女性はとても低姿勢で、私とミーちゃんの言い分を真剣に聞いてくれた。

しかし、高校の教頭や校長は、何の権限があるのか、私とミーちゃんを高校に呼び出して罵倒した。

「あんた、これは誘拐でしょうが! これは立派な犯罪ですよ、あんた!」

こんなバカな教育者がいることを想定していた私は、この会話を録音していた。

それを再生しながら、私は、名誉毀損ですね、と抗議した。

この子の母親は、1度も我が家にやってこなかった。電話をかけて、留守番電話を吹き込んでも無視。父親は「娘の好きなように」ですよ。

俺は、この子のご両親に会いたかったが、いつも門前払いだ。

あんた、それを知っていて俺を犯罪者扱いするのか。俺は逃げも隠れもしない。だから、あんたたちを訴える。裁判所で会おうか。

 

そんな風に、バカ2人にタンカを切ったが、賢いミーちゃんは、本当の親に他人が勝てる訳がないのを知っていた。

だから、泣きながら我が家を出て行った。

ミーちゃんが出て行った日。私は、ショックの大きさから、何の変哲もない道路を自転車で走っていたとき、転倒した。肋骨を折った。

無様過ぎて笑うしかなかった。

しかし、ミーちゃんは、その後も月に2、3回は我が家に泊まりにきた。

「だって、私がパピーに勉強を習うっていうスタイルなら、誘拐じゃないもんね。私の意思なんだから」

 

賢いね、ミーちゃん。

 

そんな娘のようなミーちゃんから、木曜日にLINE電話があった。

「パピー、信じられる? カレシからプロポーズされたの!」

心臓がドクンと大きく拍動して、息が苦しくなった。

ミーちゃんのカレシのことは聞いていた。

取引先の4歳年上の人だ。昨年の9月から付き合い始めたという。

「5人兄弟の長男で、リーダーシップがあって、男気もあるんだよね。それって、パピーに似てるよね」

いや、俺はリーダーシップはないし、男気もない。リーダーシップと男気は目黒川に捨ててきた。そして、脂肪もない。

「ああ、カレシも脂肪はないかな。ヒョロヒョロだから」

君は、ヒョロヒョロのカレシの前で、三合のメシを平気で食うのか。

「だって、たくさん食べる女の人が好きだからって」

 

のろけなくてよろしい。

 

「来週の土曜日、カレシと東京に行くから、会ってくれる?」

また心臓がドクン。

その儀式は、必要なのか。

俺は、君の父親がわりだが、父親ではないのだぞ。

 

「何を言ってるの! パピーは父親じゃん。精神的な父親だぞ! 悲しいこと言わないでよ」

 

誕生日。

ミーちゃんは、「パピー、身だしなみは整えよう。これで髭剃りなよ」と言って電動髭剃りをくれたことがあった。

夏、パンツ一丁でウロチョロしている私に、「パピーのパンツ、ヨレヨレだから、新しいトランクス買ってきたから使って」とトランクスをプレゼントしてくれたことがあった。

「お父さんにパンツをプレゼントしたことなんかなかったぞ。新鮮だったな」

ミーちゃんは理想的ないい子なのだ。

 

ついこの間は、娘のカレシと会った。

そして、今回は、ミーちゃん。

 

まだまだ、ずっと先まで、ミーちゃんと「親子ごっこ」をしていたかった。

それが、なくなるのか。

 

「なくならないよ。いつまでたっても、パピーは私のパピーだよ」

 

でも、他人なんだよな。

他人の俺が、若い娘のカレシに会って、いいのかな。

 

「あんた、これは誘拐でしょうが! これは立派な犯罪ですよ、あんた!」と罵倒された俺がですよ。

 

どのツラ下げて、ミーちゃんのカレシに会えばいいのだろう。

 

ちょっと、今度の土曜日が怖い。

 

娘に続いて、今度はミーちゃん。いったいこの悪夢は、いつまで続くのだろうか。