まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

取締役・監査役の報酬と交際費の開示

2008-09-09 23:41:08 | 商事法務

     取締役・監査役の報酬等については、会社法361条・387条に規程がありますね。

- 3611項では、取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として受ける財産上の利益(=報酬等)についての次に掲げる事項は、定款に定めていないときは、総会決議によって定める。

 ① 報酬等のうち額が確定しているものについては、その額

 ② 報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法

 ③ 報酬等のうち金銭でないものについては、その具体的な内容

- 3871項では、監査役の報酬等は、定款にその額を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。2項では、監査役が2人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款の定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定めるとしていますね。

     最近は、特に不明朗な、社外取締役・監査役等に退職慰労金を支払うのは如何かということで、これを廃止しようという動きが出てきました。まあ当たり前でしょうね。一般的にろくに働いていませんからね。出席もまともにしない人もいますからね。しかしながら、報酬等について、相変わらず、株主総会では、役員全員の年額・月額総額の承認だけをとり、それがどのように支給されているのか不明朗な場合が多いですね。例えば、取締役の報酬額:年額5億円以内、監査役の報酬額:年額1億円以内というような定めが多いですね。

     本来なら、総会に、役員報酬規程・退職慰労金支給規程を、総会参考書類あるいは株主なら閲覧可能にすべきですが、どうもそういったことをしている会社は、なかなか見当たりません。まあ、大企業なら内規がありますから、それに従って支給されているのでしょうけど、相変わらず不明朗ですね。米国企業の10-K等を見るときちんと記載されていますが、日本は、ねたみ社会ですしね。困ったものですね。でももし私が大企業の役員なら、隠すのは賛成しますけどね。(私は基本的に身勝手でねたみ癖なのです?)。

     会社法の監査役の報酬等の規程は、取締役の報酬等の規程と異なります。

     定款に定めがないときは、総会で定める。監査役の報酬等を取締役会で決定させると、監査役が取締役の影響下になるので、独立性のある適正な監査が出来なくなるので、総会決議事項としたということは、それで良いでしょう。しかし、この規程は不備ですね。

     しかし、2人以上のときは、個別報酬額を総会で決めなければ、報酬限度額の範囲内で、内輪でお手盛り、マックス迄決められますね。監査役の報酬を、業績連動報酬等で定めるのは監査という職務の性質上妥当ではないので、387条では、不確定額を決議することは認めていないとされています。しかし、これだけの条文で、そのようには読めませんけどね。

     監査業務を、一生懸命働こうが、適当にやろうが4年間は安泰で報酬は保障されているとも考えられますね。あるいは、会社の業績がよければ、別に監査役に会社業績連動で報酬を上げてもいいとも思いますね。もちろん、そうかといって取締役の違法行為による業績向上を見逃す訳にはいきませんが。あるいは、取締役の違法行為を見つけたら、1件100万円増額という報酬制度にするわけにもいきませんね。

 まだ多くの企業が、役員報酬の詳細な内容を隠しています。事業報告書で全体額等が開示されるようになりましたが、もっと開示が必要なのではないでしょうか。特に、大企業の役員等は、社有車を半分私用のときも使ったり、身内とのゴルフを会社保有の会員権で接待ゴルフをしたことにしたり、会食を会社の交際費で落としたり、その他お中元・お歳暮等の贈答品を一杯貰ったり、お金以外にも多くの役得を個人的に得ています。個別は無理としても、少なくとも役員全員の交際費も開示して欲しいですね。

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