まさるのビジネス雑記帳

勉強ノート代わりに書いています。

剰余金減少による資本金等の増加

2007-11-20 00:16:39 | 商事法務

○ 剰余金減少による資本金・準備金の増加については、会社法450451条に規定されていますね。即ち「総会決議により、株式会社は、剰余金の額を減少して資本金の額・準備金の額を増加することができる。」と規定しています。

一方、計算規則481項では、資本金の額の増加額を定めています。12号では以下のように定めています。

・1号:法448の規定により準備金(資本準備金に限る。)の額を減少する場合は、4481項の資本金とする額に相当する額

・ 2号:法450の規定により剰余金の額を減少する場合は、45011号の減少する剰余金の額(その他資本剰余金に係る額に限る。)に相当する額 

尚、448条は、総会決議により準備金の減少ができるという規定ですね。準備金とだけ言っています。資本準備金と利益準備金とは区別していません。

○ これらの条文の欠陥は以下でしょうか。

会社法では、資本準備金・利益準備金は区別して規定していますが、その上位の重要な概念である剰余金について、資本剰余金・利益剰余金の区別をせず、「剰余金」とだけ言ってしまったこと。これはちょんぼだと思います。

・ 即ち、資本剰余金は、資本準備金とその他資本剰余金からなる。利益剰余金は、利益準備金とその他利益準備金からなるという、基本コンセプトを会社法で定めなかった事ですね。

・ 法448450451条等には、省令委任の文言が無い。その他の条文では結構委任文言があるにも拘わらずですね。

・ 448条では、「準備金」とだけ規定しています。資本準備金とは規定していません。しかし省令の括弧書きで資本準備金とだけ定めています。即ち、利益準備金を減少させて資本金の増加にあてることは出来ないことになりました。何故こんな規定及び規定の仕方をしたのでしょう。どうしてきちんと法で規定しないのですか?省令で法をねじ曲げています。以前の商法の規定とも矛盾します。

○ 商法旧2891項本文では、「資本準備金又ハ利益準備金ハ資本ノ欠損ノ填補ニ充ツル場合ヲ除クノ外之ヲ使用スルコトヲ得ズ但シ第二百九十三条ノ三ニ規定スル場合ハ此ノ限ニ在ラズ」としており、293-3では、「会社ハ取締役会ノ決議ニ依リ準備金ノ全部又ハ一部ヲ資本ニ組入ルルコトヲ得 」と商法にて規定していました。

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コメント
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