天命を知る齢に成りながらその命を果たせなかった男の人生懺悔録

人生のターミナルに近づきながら、己の信念を貫けなかった弱い男が、その生き様を回想し懺悔告白します

志川節子著『手のひら、ひらひら』食当り料理人をネタにした瓦版売り上ゲ屋は遺児遊女から人殺しでありんす

2011-04-26 23:47:36 | 日記
今日の続編日記は、日本食への不安をあおる漫画を掲載した国際英字紙の謝罪表明のことです。以下に、その記事を本日読売新聞朝刊より引用・掲載します。
『・・白雪姫漫画で遺憾の意・・ 【ニューヨーク支局】国際英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンが21日付で、日本産食品への不安をあおる漫画を掲載した問題で、25日付の同紙は、「日本人などを傷つけた。判断に誤りがあった」と遺憾の意を表明した。在ニューヨーク日本総領事館は、漫画が「白雪姫」に登場する毒リンゴと日本産食品を関連づけ、日本産食品が放射能に汚染されているとの根拠のない不安を生むとして、親会社のニューヨーク・タイムズに抗議していた。』
この記事を読んで、今私が読んでいる志川節子著『手のひら、ひらひら―江戸吉原七色彩』を思い出しました。添付した写真は、その著書の表紙です。
この著書は、平成15年に『七転び』で第八十三回オール讀物新人賞を受賞した志川 節子(昭和46年、島根県生まれ。平成5年、早稲田大学第一文学部を卒業。会社勤めのかたわら小説を執筆しこの著書が初の単行本)が、上ゲ屋(妓を遊女に仕立て上げる役目)、保チ屋(年季半ばで磨き直す役目)、目付(合間にあって妓の心を見張り、間夫の芽を絶つ役目)ら江戸幕府公認の遊郭・吉原を陰でささえた異能の男たちの裏稼業を通して、色と欲、恋と情けの男女を描いた作品です。
この短編集の第一巻「しづめる花」に、その上ゲ屋・紀六が登場します。彼の前商売であった瓦版売りの時、食あたりを出したふぐ料理人をネタにした風聞に近い瓦版を売った為、その料理人が悲嘆し大川に身投げしてしまう不幸な出来事が起こります。その遺児であった遊女に、上ゲ屋・紀六は『兄さんは、人殺しでありんす』と言われて、復讐されてしまいます。
その時代や場所はまったく違いますが、現代の国際英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンと江戸時代の瓦版は、万国共通のとても恐ろしい人を殺すことも可能な”記事表現の凶器”にもなります。
だから、いつもジャーナリストは、報道が持つその”記事表現の凶器”的要因を、深く思い巡らして、正しい報道を行なう必要があるのです。さらに、その教訓は、日本政府の広報的スポークスマンである内閣官房長官もまったく同様です。
だから、東電社長を輸送機に乗せようとした自衛隊に対しても『防衛相の決裁を受けずになぜいったん飛び立ったのか、逆に不思議だ』と、強い不快感を示した枝野幸男官房長官にも、その自身が発言した言葉の重みを、私は良く知ってほしいです。
こんないい加減な危機管理をしている政治家に、自衛隊員は命を投げ出し真剣に国を守る気にはまったくなりません。

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東電社長自衛隊機拒否北澤防衛相に ending of a beautiful friendship

2011-04-26 21:11:11 | 日記
今日の日記は、東日本大震災発生当日に東電社長の自衛隊機利用を拒否した北澤防衛大臣のことです。以下に、その報道をNHKネットニュース(4月26日 16時39分配信)より引用・掲載します。
『“自衛隊機引き返しは適切”北澤防衛大臣は、記者団に対し、震災発生当日、出張中だった東京電力の社長を本社に戻すため、社長を乗せた自衛隊機がいったん離陸したものの、防衛省の判断で引き返したことを明らかにしたうえで、「自衛隊機は被災地での輸送手段として確保すべきだ」と述べ、適切な判断だったという認識を示しました。防衛省によりますと、大震災発生の当日、関西方面に出張中だった東京電力の清水社長を本社のある東京に戻すため、自衛隊の輸送機が清水社長を乗せて愛知県にある航空自衛隊小牧基地をいったんは離陸しましたが、その後、「乗せるべきではない」という北澤防衛大臣の意向が伝わったため、防衛省の判断で引き返しました。これについて、北澤大臣は記者団に対し、事実関係を明らかにしたうえで、「正式な協力の要請があったわけでもなく、災害の際、自衛隊機は被災地での輸送手段として確保すべきだ」と述べ、適切な判断だったという認識を示しました。そして、北澤大臣は「当時は新幹線も運行していたし、高速道路も閉鎖されておらず、東京電力にも対応する方法はあったのではないか」と述べました。』
この北澤大臣の発言『当時は新幹線も運行していたし、高速道路も閉鎖されておらず、東京電力にも対応する方法はあった』は、震災当日の交通機関の適切な把握をしていない、危機管理意識の欠如したまったく情けない言葉です。
3月11日、首都圏の交通機関もまったく麻痺状態で私はその日は帰宅難民になっていました。私が自宅に帰れたのは、次の日の早朝3時前でした。その震災当日の交通情況を、以下にネット情報で詳細に説明します。
・(東海道新幹線運行情況)『・・東海道新幹線上り、11日中は運行中止 下りは本数減・・アサヒコム 2011年3月11日19時24分配信 JR東海は午後6時50分、東海道新幹線の上り線で11日中は新たな列車を運行しないことを決めた。東京発の下り線は本数を減らして運行する。』
・(高速道路運行情況)『・・東北・関東大地震:東名高速や西湘バイパスなど通行止め/神奈川・・カナロコ 3月11日(金)18時0分配信 中日本自動車道路は11日、宮城県沖地震に伴い、東名高速道路や中央自動車道の一部と、西湘バイパス、新湘南バイパス、小田原厚木道路、箱根新道の全区間を通行止めにして、道路の緊急点検を行っている。東名高速は東京インター~大井松田インター間の上下線と、大井松田インター~御殿場インター間の上り。中央自動車道は高井戸インター~上野原インター間の上下線。』
このように、東京電力には社長を本社に戻す方法(注:唯一の方策だった自社ヘリコプターは民間の夜間使用禁止の為利用出来ず)は、当日には何もなかったのです。
また、北澤防衛大臣は、原発が危機的状態に陥っている時、東電トップがその指揮命令組織(本社中枢)に不在である事を、まったく重大視していません。だから、『自衛隊機は被災地での輸送手段として確保すべき』との優先順位を間違えたまったくピントの外れた発言をしています。私はまったく悲しくなってきました。
さらに、この危機管理がまったく出来なかった北澤防衛大臣も、残念ながら名作映画『カサブランカ』(1943年製作 マイケル・カーティズ監督 ハンフリー・ボガート イングリッド・バーグマン主演)を鑑賞していなかったのです。
鑑賞していれば、イングリッド・バーグマンとその夫である反ナチ運動のリーダー(ポール・ヘンリード)を最終便の飛行機に乗せ隣国マドリッドに脱出させるハンフリー・ボガートを手助けしたカサブランカ警察署長(クロード・レインズ)の愛国的な行動を知っていたはずです。それを知っていれば、北澤防衛大臣は『東電社長を乗せるべきではない』と亡国的な発言はしなかったはずです。
添付した写真は、名作映画の深夜飛行場でのクロード・レインズ(左端)ポール・ヘンリード(後方)ハンフリー・ボガートとイングリッド・バーグマン(右端)です。
そして、この映画のラストでは、愛国的な行動をしたクロード・レインズに、ハンフリー・ボガートは次の有名な言葉をかけています。
”Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship.”(ルイ、これが俺たちの美しい友情の始まりだな!)
だから、私はこの無能な北澤防衛大臣に、惜別の意を込めて次の英文を捧げます。
『Kitazawa I think this is the " ending” of a beautiful friendship.』
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