今日の続編日記は、日本食への不安をあおる漫画を掲載した国際英字紙の謝罪表明のことです。以下に、その記事を本日読売新聞朝刊より引用・掲載します。
『・・白雪姫漫画で遺憾の意・・ 【ニューヨーク支局】国際英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンが21日付で、日本産食品への不安をあおる漫画を掲載した問題で、25日付の同紙は、「日本人などを傷つけた。判断に誤りがあった」と遺憾の意を表明した。在ニューヨーク日本総領事館は、漫画が「白雪姫」に登場する毒リンゴと日本産食品を関連づけ、日本産食品が放射能に汚染されているとの根拠のない不安を生むとして、親会社のニューヨーク・タイムズに抗議していた。』
この記事を読んで、今私が読んでいる志川節子著『手のひら、ひらひら―江戸吉原七色彩』を思い出しました。添付した写真は、その著書の表紙です。
この著書は、平成15年に『七転び』で第八十三回オール讀物新人賞を受賞した志川 節子(昭和46年、島根県生まれ。平成5年、早稲田大学第一文学部を卒業。会社勤めのかたわら小説を執筆しこの著書が初の単行本)が、上ゲ屋(妓を遊女に仕立て上げる役目)、保チ屋(年季半ばで磨き直す役目)、目付(合間にあって妓の心を見張り、間夫の芽を絶つ役目)ら江戸幕府公認の遊郭・吉原を陰でささえた異能の男たちの裏稼業を通して、色と欲、恋と情けの男女を描いた作品です。
この短編集の第一巻「しづめる花」に、その上ゲ屋・紀六が登場します。彼の前商売であった瓦版売りの時、食あたりを出したふぐ料理人をネタにした風聞に近い瓦版を売った為、その料理人が悲嘆し大川に身投げしてしまう不幸な出来事が起こります。その遺児であった遊女に、上ゲ屋・紀六は『兄さんは、人殺しでありんす』と言われて、復讐されてしまいます。
その時代や場所はまったく違いますが、現代の国際英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンと江戸時代の瓦版は、万国共通のとても恐ろしい人を殺すことも可能な”記事表現の凶器”にもなります。
だから、いつもジャーナリストは、報道が持つその”記事表現の凶器”的要因を、深く思い巡らして、正しい報道を行なう必要があるのです。さらに、その教訓は、日本政府の広報的スポークスマンである内閣官房長官もまったく同様です。
だから、東電社長を輸送機に乗せようとした自衛隊に対しても『防衛相の決裁を受けずになぜいったん飛び立ったのか、逆に不思議だ』と、強い不快感を示した枝野幸男官房長官にも、その自身が発言した言葉の重みを、私は良く知ってほしいです。
こんないい加減な危機管理をしている政治家に、自衛隊員は命を投げ出し真剣に国を守る気にはまったくなりません。
『・・白雪姫漫画で遺憾の意・・ 【ニューヨーク支局】国際英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンが21日付で、日本産食品への不安をあおる漫画を掲載した問題で、25日付の同紙は、「日本人などを傷つけた。判断に誤りがあった」と遺憾の意を表明した。在ニューヨーク日本総領事館は、漫画が「白雪姫」に登場する毒リンゴと日本産食品を関連づけ、日本産食品が放射能に汚染されているとの根拠のない不安を生むとして、親会社のニューヨーク・タイムズに抗議していた。』
この記事を読んで、今私が読んでいる志川節子著『手のひら、ひらひら―江戸吉原七色彩』を思い出しました。添付した写真は、その著書の表紙です。
この著書は、平成15年に『七転び』で第八十三回オール讀物新人賞を受賞した志川 節子(昭和46年、島根県生まれ。平成5年、早稲田大学第一文学部を卒業。会社勤めのかたわら小説を執筆しこの著書が初の単行本)が、上ゲ屋(妓を遊女に仕立て上げる役目)、保チ屋(年季半ばで磨き直す役目)、目付(合間にあって妓の心を見張り、間夫の芽を絶つ役目)ら江戸幕府公認の遊郭・吉原を陰でささえた異能の男たちの裏稼業を通して、色と欲、恋と情けの男女を描いた作品です。
この短編集の第一巻「しづめる花」に、その上ゲ屋・紀六が登場します。彼の前商売であった瓦版売りの時、食あたりを出したふぐ料理人をネタにした風聞に近い瓦版を売った為、その料理人が悲嘆し大川に身投げしてしまう不幸な出来事が起こります。その遺児であった遊女に、上ゲ屋・紀六は『兄さんは、人殺しでありんす』と言われて、復讐されてしまいます。
その時代や場所はまったく違いますが、現代の国際英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンと江戸時代の瓦版は、万国共通のとても恐ろしい人を殺すことも可能な”記事表現の凶器”にもなります。
だから、いつもジャーナリストは、報道が持つその”記事表現の凶器”的要因を、深く思い巡らして、正しい報道を行なう必要があるのです。さらに、その教訓は、日本政府の広報的スポークスマンである内閣官房長官もまったく同様です。
だから、東電社長を輸送機に乗せようとした自衛隊に対しても『防衛相の決裁を受けずになぜいったん飛び立ったのか、逆に不思議だ』と、強い不快感を示した枝野幸男官房長官にも、その自身が発言した言葉の重みを、私は良く知ってほしいです。
こんないい加減な危機管理をしている政治家に、自衛隊員は命を投げ出し真剣に国を守る気にはまったくなりません。