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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

ゴミのリサイクル問題を考える

2016-07-28 16:36:12 | 大学公開講座
 講師は強調した。ゴミのリサイクルについて否定はしないが、現在各自治体が取り組んでいるリサイクルにはあまりにも問題が多い、と指摘する。あらためてゴミのリサイクル問題について考える機会を得た。 

 北大全学企画講座「『国のかたち』を案ずる時代の知恵」シリーズの最終講座(第8回)は、7月25日(月)夜に開講された。
 最終回は「よいリサイクルかどうかの見分け方」と題して、工学研究院の松藤敏彦教授が担当する講座だった。

               

 松藤教授の講義の概要は次のようだったと私は理解した。
 ゴミの廃棄物の処理方法は1997年頃までは、可燃ゴミ、不燃ゴミ、粗大ゴミ、資源ゴミに分別され、それぞれ焼却、埋立、資源化に分けられたが、その後は持続可能に社会へ向けた総合的な取り組みへと変わってきている。それは、温暖化防止を目的とした「低炭素化社会」の実現、資源循環をねらった「循環型社会」の実現、廃棄物を可能な限り再利用する「自然共生社会」の実現などによって、持続可能な社会を目指すとした。

 そうした持続可能な社会の実現の要はゴミのリサイクルである。
 そのリサイクルにあたっては、次の3点が克服されなければならないという。その3点とは、(1)回収したものがきちんと使われなければエネルギー節約にならない【物質収支】、(2)質の高い用途(生産エネルギーが必要なもの)に使われなければならない【利用の質】、(3)リサイクルプロセスがエネルギー多消費であってはならない【エネルギー収支】
ということだ。

 ところがリサイクルを推奨する立場の自治体の取り組みには首を傾げざるを得ないような事例が数多いと松藤教授は指摘する。
 例えば、札幌市では電動生ごみ処理機の購入助成をしていて?年間で5,000世帯に助成するため1億円の予算を計上したという。このことで札幌市の生ごみが減る割合はわずか0.2%だそうだ。目的と効果の不一致は一目瞭然だと松藤教授は指摘する。
 さらに札幌市が進めているゴミ減量のための新たな取り組みについても厳しく指摘する。
新たな取り組みである「標語・キャラクター」の制定を、松藤教授はイメージのみの効果の見込めない施策であるという。
 札幌市ばかりではないが、自治体の施策には目的と効果が明確でない、ただのアリバイづくりのような施策が多すぎると批判する。

 持続可能な社会を実現するため、ゴミのリサイクルは欠かせない要件であるが、ゴミの処理計画を立てる上で次の点を明確にした上で取り組むべきだと最後に指摘した。その要件とは…、
(1)何が目的化(ゴミの減量か?それとも啓蒙か?)
(2)何を、どれだけ、どうするか(対象物、量、方法)
(3)その方法は可能か?(どれだけの効果があるのか?つまり、目的が達成できるか?)
そして検証することを忘れてはならないとした。
 検証の上、改善・見直し、規模拡大などの検討が必要であり、場合によっては見送り、中止もあり得ることとした。

 私たち一般市民は市役所からのお知らせや告知に盲従してしまうようなことが多々あったように思われる。ここでも、市民は一主体者となって市が取り組むことに関心を持たねばならないということなのだろう。

                   

 この回で全8回にわたった北大全学企画公開講座「『国のかたち』を案ずる時代の知恵」シリーズは終了した。私は第7回講座を除き、他7回は受講することができた。
 受講する私の理解力にも問題はあろうが、テーマに沿っていて聴き応えのあった講座は、第1回の「自然災害は予測できるか」、第4回の「戦後民主主義の思想と冷戦終焉後の変容」、第5回の「IT・ロボット技術が支える新しい農業の姿」、第6回の「海洋生物資源を理解して上手につきあう」などが記憶に残った講座だった。