田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

創薬という難しい話を聞いた

2016-07-09 21:27:39 | 講演・講義・フォーラム等
 創薬とは、単に新しい薬を見い出すことではないらしい。創薬とは、新しい薬を見い出すにあたって、最適な疾患、併用薬、安全性、副作用、診断マーカーなど多くの情報を創り出すという相当にハイレベルな研究を指すということなのだが…。 

 北大の公開講座「『国のかたち』を案ずる時代の知恵」の第2回の講座は、北大大学院の有機合成意訳学の堺谷政弘准教授「高齢化社会と創薬」と題して講義された。

               

 いや~、正直言って「恐れ入りました(m(._.)m)」という思いだった。
 薬を創り出すということ自体が、私の関心事ではなかったのだが、その講義内容がまるで薬学部の学生対象のような高度なもので、私にはチンプンカンプンの内容だったのだ。     今回の講座の受講者のレベルはかなり高いのではと推察されるのだが、講義後の質疑応答の際に「前半は難しい話だった」と正直に吐露している方がいたことからも、その難しさを想像いただけると思う。

               

 創薬に関して私が理解できたことは、一つの薬を創り出すには約10年の期間と100億円以上の資金を要する、とてつもない大事業のようなのだ。したがって、創薬に取り組む企業は世界の中でも巨大な製薬会社しか取り組むことができないらしい。
 そこで今では創薬に関する基礎研究は大学が担っていることが多いようだ。北大もその一つとして研究に取り組んでいるということだ。さらには、その基礎研究を創薬に結び付けるために大学に創薬センターを設けたり、さらには大学研究者によっては創薬ベンチャーを設立したりする場合もあるらしい。講師の堺谷氏も(株)ライラックファーマという会社を設立したということだ。

 その後の話は、画期的な新しい薬が創り出された話や、堺谷氏が現在取り組んでいる研究の話があったが、私にはどれも難しすぎた。ただ、そうした方々の努力があって、不治の病、あるいは難病とされた病気にも光が灯されてきているようだ。

 講座の後半、高齢者社会の現状に触れられたが、日本が世界のどの国よりも高齢化の速度が速いこと、要介護者の数が爆発的に増えていくこと、あるいは生活習慣と癌との関係、生活習慣と認知症の関係、などどこかで一度は聞いたことが多かった。

                  
          ※ 堺谷氏自身胃癌を患われ全摘出され、その後回復された姿だそうです。

 その中で、氏ならでは思われた話は、日本では世界に先行して臨床試験が行われる例が稀であるという。世界に先駆けて高い効果の出る新薬を使用できるようにするためにも、積極的に臨床試験へ参加する人が増えてほしい、と訴えた。そのことが創薬研究を発展させることに繋がると…。

 癌や認知症を克服する新しい薬が次々と創薬され、普段通りの生活(QOL)ができる期間を保ち続けることが、家計も国家財政も負担が減ることに繋がる、と話を締められた。
 う~ん。ちょっと私には難しかったかも…。