ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

宮城県栗原市の北側山中にある世界谷地原生花園に行った話の続きです

2013年06月25日 | 旅行
 宮城県栗原市の北側の山麓にある世界谷地原生花園に、群生するニッコウキスゲの花を見に行った話の続きです。

 世界谷地原生花園では、ニッコウキスゲ(日光黄菅、正確な名称はゼンテイカ)の花が一面に咲いています。





 ニッコウキスゲの花の中に、昆虫がいます。

 世界谷地原生花園は、栗駒山(標高1627メートル)山系山麓の標高670メートルから710メートル地帯に広がる細長い湿原です。あまり観光地化していない高山植物の宝庫といわれています。

 世界谷地原生花園(第一世界谷地)から栗駒山山頂のある北側を望む湿地の風景です。奥に原生林が見えます。



 世界谷地原生花園(第一世界谷地)の北側にそびえている栗駒山山頂です。



 世界谷地原生花園は、栗駒山系の南斜面にある標高1155メートルの大地森という山と、標高869.メートルの揚石山(あぐろすさん)の間にある窪地に火山灰が堆積(たいせき)したところだそうです。火山灰の堆積によって、水はけが悪くなって泥炭層(深さ1.3メートル)ができ、その上にミズゴケ類の厚い層が覆って湿原になりました。ここまでに何万年もかかっています(実は、泥炭層の深さや湿原の面積はいくつかの数値があり、どれが正しいのか分かりません)。

 今回訪れた世界谷地原生花園は、第一世界谷地の湿原です。第二世界谷地の湿原は立入禁止でした。世界谷地原生花園は「上・中・下の3段に分かれて広がる四つのグループ、大小八つの湿原からなり、その間を幅50メートルものブナの原生林が横断しています」とのことですが、よく分からない文章です。

 6月中旬から咲き始めるニッコウキスゲの花の大群生が一番有名なようです。ここでは、5月にミズバショウが花を咲かせ始め、ショウジョウバカマが花を咲かせ、ワダスゲの花が続き、6月中旬・下旬から看板のニッコウキスゲが花を咲かせます。トキソウも花を咲かせるそうです。9月のエゾオヤマリンドウの開花で高山植物の宝庫は終演するそうです。

 世界谷地原生花園は栗原市の市街地には、案内の立て札が立っていますが、近づいて尾根沿いの山道に入ると、案内看板があまりありません。途中で、この山道の先に本当にあるのかどうか、不安でした。

 また、世界谷地原生花園は駐車場が20数台分と小規模なので、観光地化してあまり大勢が来訪すると、こなしきれない感じでした。

 現在でも、栗駒山の山頂付近にあるイワカガミ平の方が観光の中心なようです。イワカガミ平は紅葉時には大勢の観光客が訪れるそうです。イワカガミ平は宮城県栗原しですが、その近くの温泉地は岩手県一関市や秋田県東成瀬村です。宮城県、岩手県、秋田県の3県にまたがる栗駒山山頂らしいことがらです。

宮城県栗原市郊外の世界谷地原生花園では、ニッコウキスゲの花が咲いています

2013年06月24日 | 旅行
 宮城県栗原市の北西側の栗駒山山麓にある世界谷地原生花園では、ニッコウキスゲ(日光黄菅、正確な名称はゼンテイカ)の花などの高山植物があちこちで咲いています。

 宮城県と秋田県と岩手県の3県にまたがる栗駒山(標高1627メートル)の南側山麓の標高670メートルから710メートル付近の山麓の窪地には、世界谷地原生花園と呼ばれる広大な湿地帯が広がっています。

 栗原市の市街地から、尾根沿いのくねくね道の山道をひたすら上って、世界谷地原生花園の駐車場にやっとたどり着きます。その駐車場から100メートルほど登った場所から見える栗駒山の南面の山頂山麓です。



 栗駒山の南面山麓には残雪が目立ちます。積雪が多い所は、冬期にはスキー場になる場所などです。

 森の中の木陰の小道を10数分進むと、少し下りになり、小道の脇に小さな渓流が登場します。雨が降ると渓流になるところには、ミズバショウ(水芭蕉)の群生があちこちに生えています。葉の色がかなり濃い緑色になっています。

 さらに進むと、森を抜けて、視界が一気に広がる湿原に入ります。



 湿原を保護するために、木道が設けられています。

 その木道の周囲では、ニッコウキスゲの群生が花を咲かせています。





 ニッコウキスゲ以外は、ワタスゲとサワランがそれぞれ花を咲かせています。所々にある濃いピンク色のサワランの花が目立ちます。

]



 世界谷地原生花園という大湿地帯は、まだ行きにくいためか、群馬県の尾瀬湿原や岩手県の八幡平ほどには知られていない、秘境風の湿原です。 “世界谷地”(せかいやち)という強烈な名前は、湿原が約60万平方メートルと広大なことを直感的に表現した命名のようです。

岩手県平泉町にある毛越寺では、あやめ祭りが6月20日から始まっています

2013年06月23日 | 旅行
 岩手県西磐井郡平泉町にある毛越寺(もうつうじ)は、本堂などの建築物と庭園の組み合わせによって構成された、浄土を表した庭園が有名です。背後に広がる針葉樹の森を借景にした“浄土庭園”は、仏の世界を描いているそうです。

 天台宗別格本山である毛越寺の本堂の脇に広がる大きな大泉ケ池(おおいずみがいけ)は“海”を表し、岩や小石などによって海岸の砂州や荒磯などの景観が表現されています。



 本堂の奥に建つ、毛越寺を開山した慈覚大師(じかくだいし)を祀(まつ)る開山堂(かいざんどう)の手前に、アヤメ園が設けられています。開花したアヤメを観賞する、あやめ祭りが6月20日から始まっています。



 アヤメ園では300種類・3万株のいろいろな色のアヤメの花が咲き競っています。





 各アヤメの株の根元には、各アヤメの名前を書い小さな札が立ててありますが、その札もあせて・汚れていて、アヤメの名前が読み取れません。毛越寺のWebサイトによると、アヤメは「揚羽」(あげは)や「初鏡」(はつかがみ)、「初光」(はつひかり)という種類が植えられているそうです。





 大泉ケ池の中に、龍を模した小舟が二艘(そう)浮かんでいます。



 毛越寺は、アヤメに加えて、春にはウメやサクラなどの木が花を咲かせ、秋にはハギが花を咲かせる“花の寺”としても有名です。

 庭園の一部には遣り水(やりみず)と呼ばれる水路が設けてあり、お酒の入った杯が流れてくる間に、和歌を詠む「曲水の宴」が5月の第四日曜日に開催されるそうです。

 この世に極楽浄土を再現した浄土庭園は四季折々に花などが楽しめそうです。

岩手県盛岡市郊外の尾入野湿性植物園ではカキツバタは咲き終わっています

2013年06月22日 | 旅行
 岩手県盛岡市の西側の郊外にある人工湖の御所湖(ごしょこ)に流れ込む渓流沿いにある尾入野(おいりの)湿性植物園に行ってみました。

 尾入野湿性植物園はカキツバタ(燕子花)が2万5000株も生えている植物園です。カキツバタとミズバショウ(水芭蕉)、スイレンなどの水性植物の宝庫です。

 尾入野湿性植物園は、森陰にある水量の豊かな小川沿いに設けられた植物園です。カキツバタなどが育成されている水性植物園の中に遊歩道が設けられています。



 カキツバタは花期を終えたころで、わずか数株が咲いているだけです。



 多くのカキツバタは実を付けています。6月上旬にはカキツバタが花をいっせいに咲かせていたようです。

 奥にあるミズバショウも実をつけています。ミズバショウは4月に花を咲かせるそうです。



 尾入野湿性植物園は自然豊かなので、モリアオガエルが住み、産卵する湿原です。

 実を付け始めたカキツバタの上を、トンボが飛んでいます。トンボは数種類住んでいるそうですが、実際に観察できたのはシオトンボです。



 互いに距離を置いて、羽根を休めています。

 スイレンはまだ数個の花が咲き始めたところです。





 7月下旬にスイレンの花が多数咲くそうです。

 尾入野湿性植物園に向かう途中の森陰の中にある小道沿いには、キビタキが数羽登場しました。残念ながら、森の葉陰にいるため、撮影できませんでした。

 自然豊かな尾入野湿性植物園は、7月中旬になるとヘイケボタルが夜に乱舞すると、説明する案内板が立っていました。

 御所湖は御所ダムがつくる人工湖です。この人工湖の周囲にはひなびた温泉もある静かな観光地です。

東北大学教授の堀切川一男さんのプレゼンテーションを拝聴しまいした

2013年06月21日 | イノベーション
 岩手県盛岡市で開催されたシンポジウム「震災復興に産学官連携か果たす役割」を拝聴しました。

 そのシンポジウムにパネリストとして登場した東北大学大学院教授の堀切川一男さんのプレゼンテーションを拝聴しました。通称、“堀切川仙台モデル”と呼ばれる産学官連携事例を軽妙に話されました。



 仙台市では、牛タンに続く地元の名物として、新鮮な魚貝類を載せる“ズケ丼”の考案者が掘切川さんであるという“まくら話”からプレゼンが始まりました。

 東北大学大学院の工学研究科の教授である堀切川さんは、潤滑技術・潤滑材料の機械技術の専門家です。堀切川さんは、以前に勤務していた山形大学で、この潤滑材を基にした産学連携による事業化で成功した経緯が有名になりました。このために、山形大学から東北大学に移籍する際に、その移籍に反対する山形市民が登場したという伝説の持ち主です。

 堀切川さんは、実現性が高い産学連携事例は、企業が多数持っている製品化・事業化の失敗事例をヒアリングすることが出発点になると主張します。特に、地元の中小企業の新製品開発・新規事業開発を支援するさには、「その企業の製品化・事業化の失敗事例を聞き出し、その失敗させた原因を追究することが出発点になる」と主張します。

 つまり、従来の産学連携でいわれた、大学の独創的な研究成果というシーズを基に、企業がユーザーニーズを探って新製品開発・新規事業開発するのは、優秀な研究開発部門を持つ大手企業でないと難しいとの分析のようです。

 当該企業が以前に失敗したり製品化・事業化の失敗事例を聞き出し「これを出発点に問題解決とその製品性能評価などを大学の教員が受け持ち、問題点を解決することで、製品化・事業化に成功する」と主張します。その新製品の販路確保では行政の力も借りることも有効と解説します。

 こうした新製品開発では、つかんだものが滑り落ちない箸(はし)、滑りにくいスリッパや作業靴の底のゴムなどがあると、実例を示します。起き上がりこぶしの原理を盛り込んだ日本酒や焼酎などを飲むぐい飲み風の食器などの実例を紹介します。

 「製品化・事業化では最初の開発目標を低めに設定し、新製品として開発したものをユーザーニーズに応じて改良していく方が製品化・事業化に成功しやすい」と、体験談を軽妙に語ります。

 まとめとして「地域に根ざし、世界を目指す研究・夢の実現を目指した研究」を語りました。



 それぞれの製品化事例の事例ケースの話があちこちに飛びながら、その一つひとつの事例が興味深いものでした。

 現在、開発した新製品の販路を確保するために、各地にある“道の駅”に販売コーナーを設けて、道の駅から口コミで評判が広がることを企画しているそうです。

 堀切川さんの講演内容はプレゼンテーションとして第一級のものでした。