ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

文部科学省などの革新的イノベーション創出プログラムの公募が始まりました

2013年06月19日 | イノベーション
 2013年6月中旬に東京都内で、文部科学省と科学技術振興機構(JST)は「革新的イノベーション創出プログラム」(通称 COI STREAM)の拠点提案の公募説明会を開催しました。

 “日本のイノベーション創出プラットフォーム”を整備するプログラムである革新的イノベーション創出プログラムの概要は、2013年4月22日編でご紹介しています。

 今回の公募説明会では「大規模産学連携研究開発拠点」のCOI拠点を12拠点程度選出し、その1拠点当たりに1年間に最大10億円程度の研究開発費を最大9年間(最短は3年間の見通し)支給する計画だと発表しました。

 今回の公募説明会は、COI拠点の提案書に盛り込んでもらいたい内容を、文部科学省などの担当者の方々は丁寧に説明しました。革新的イノベーション創出プログラムは、運営母体のCOI STREAMガバメント委員会が提案する「3つビジョンテーマを実現するための具体的な提案を募集する」と説明しました。

 このガバメント委員会は、日本の10年後を見通した“あるべき社会”の姿として、その1「少子高年齢化先進国としての持続性確保」、その2「豊かな生活環境の構築」、その3「活気ある持続可能な社会の構築」の3ビジョンを提示済みです。そして、これを実現するための具体的な解決案を募集すると説明しました。

 3つのビジョンの中身は、それぞれ有識者3人で構成するビジョナリーチームが考え、それぞれのビジョンを実現する提案を発案した大規模産学連携研究開発拠点(COI拠点)を選び出します。「3つのビジョンに、ある程度またがる提案もある得ると考えています」とガバメント委員会は説明します。

 ガバメント委員会の委員長を務める、三菱総合研究所(東京都千代田区)理事長の小宮山宏さん(元・東京大学総長)は「科学技術と社会システムの革新を組み合わせた新しい仕組みによって、ビジョンの解決策の成功例を必ずつくり上げる」と力説します。

 成功例をつくりだす仕掛けは、ガバメント委員会の下に設ける“構造化チーム”です。



 この構造化チームは「構造化、見える化、各拠点間の連携、オープンイノベーションなど」を実現し、採択するCOI拠点の基本設計を最適化する役目を担います。

 構造化チームは、総括ビジョナリーリーダーを務める名古屋大学総長の濱口道成さんがチームリーダーを務め、京都大学大学院経済学研究科長・教授の植田和弘さんなどの10人の大学教員などの学識経験者で構成するそうです。3つのビジョナリーチームの活動を俯瞰的にモニターし、相互の連携調整を図り、ビジョナリーチームの活動を支援する役目を担います。

 たとえば、“見える化”を実現するためには、WebサイトなどのICT(情報通信技術)を駆使し、リアルタイムで“見える化”を実現するそうです。さらに、各COI拠点の活動状況の評価指標などを作成して、拠点支援の支援策に反映する構えでそうです。

 各COI拠点を提案する方たちに対して、文科省科学技術・学術政策局のCOI構想検討タスクフォースは「提案内容として、拠点運営を統括する研究推進機構(仮称)を設け、その機構長(プロジェクトリーダー)には産業界から実務者を選んでほしい」と説明します。その実務者の方に、高度なマネジメントによる専門体制を設けてほしいと伝えます。一方、研究リーダーを務める研究開発の責任者の方(大学教授や研究開発機関の研究者の方々)は副機構長を務めてほしいと伝えました。

 公募の締め切りまで約2カ月あります。大学や公的な研究開発機関、企業の方々に素晴らしい提案をしてもらいたいです。

長野県軽井沢町の森陰では、トチノキやフジの花がまだ咲いています

2013年06月18日 | 旅行
 長野県北佐久郡軽井沢町は避暑地の町だけに、郊外の森の中は涼しいです。特に早朝は涼しく、いくらか寒い感じがするほどです。

 中軽井沢の郊外にある、うっそうとした森は、避暑地の軽井沢の喧噪(けんそう)もなく静かです。自然の雑木林では、大きなトチノキが花を咲かせています。花の色は、白色と少しピンク色の2種類があり、少し花期を過ぎた様子です。





 湯川の支流沿いの小道では、ミソサザイなどの野鳥がよく鳴いています。木の上部で鳴いているミソサザイが渓流に下りてくるのを待ちましたが、残念ながら姿を見せませんでした。

 支流の渓流沿いの小道の木の枝に、シジュウカラが1羽が登場しました。



 ふだんだったら、シジュウカラはあまり撮影しないのですが、他の野鳥が出てこないので撮影しました(シジュウカラさん、ごめんなさい)。

 森の木に、野生のフジのツルが巻き付き、花を咲かせています。軽井沢は気温が低いためか、フジの花がまだ咲いています。



 遠くに見える、ある背の高い木に巻き付いた、満開のフジの花の枝に、大きなアオサギが2羽留まっています。



 この木の近くにアオサギの巣があって、子育てをしてる最中と思いました。2羽のアオサギは首は四方八方に動かしますが、身体はほとんど動かさず、休んでいる感じです。

 森の中からは、カッコウやホトトギスなどの夏鳥の声が響き渡ります。夏らしい雰囲気を強めています。

日立製作所は、コスト構造改革と7事業部の事業戦略などを発表しました

2013年06月17日 | 日記
 2013年6月13日に日立製作所はニュースリリース「2015中期経営計画の実現に向けたコスト構造の改革と7事業部の戦略について」を発表するなど、日本の大手電機メーカーが成長の意欲を示す発表が続いています。

 その背景の一つには、6月下旬に多くの大手企業が開催する株主総会に向けて、当該企業が明るい話題を提示し、株主などに明るいイメージを与える効果もあるようです。

 日立製作所は2015年度のコスト削減の累積効果目標を4000億円と発表しました。2011年度からの累積での削減値です。



 コスト削減の手法は、グループ横断・クロスファンクション活動によるコスト構造改革のスピードアップと分かったような分からないような表現で示しています。具体的には、生産拠点を集約したり、設計から生産までのバリューチェーンの見直しなどの生産コストの見直し、グローバル調達拠点の拡充などの直接コストの見直し、IT(情報技術)などを駆使したコストの見える化などの間接費コストの見直しなどと常套的なコスト見直しを徹底する計画です。

 日立製作所がここ数年間注力しているインフラシステム事業は、2015年度の売上高を1兆円(2012年度比27パーセント増)、EBIT(おおよそ税引き前利益)率を7パーセント超(2012年度は4.0%)とする計画だそうです。海外売上比率は2012年度の21パーセントに対し、2015年度は33パーセントを目標にしています。サービスの売上比率は2012年度の28パーセントから2015年度に35パーセント超へ引き上げる計画です。



 そのためには、成長市場である中国、インド、東南アジアなどのアジア地帯に拠点を展開していく戦略を立てています。

 また、情報・通信事業分野ではビッグデータの活用によって社会インフラ・企業活動全体をカバーするセキュリティーサービスを提供する、グローバル市場での成長を加速するなどなどの成長戦略をとるそうです。

 2013年6月10日に、シャープは新規事業分野について発表しました。新規事業として、ヘルスケア・医療、ロボティクス・エンジニアリング、スマートホーム/モビリティ/オフィス、食/水/空気の安心安全、教育の五つの新規分野に力を入れて2015年度に800億円の事業規模を目指すと発表しました。

 これまでにも取り組んできた製品分野を一層拡充し、新規事業と位置づけて力点を置くそうです。液晶事業一本槍の事業体制を急速に修正するようです。

 ソニー・コンピュータエンタテインメントは、米国ロサンゼルス市で2013年6月11日から13日までに開かれるゲーム関連展示会「Electronic Entertainment Expo(E3)」で、据置型ゲーム機の次世代機「PlayStation 4(PS4)」を出展しました。ソニーはゲーム機の「PlayStation 4」の市場投入によって、ソニー全体の事業収益の反転の契機にするとの見通しが流れています。

 日本の大手電機メーカー各社は元気な様子を示す発表を相次いでしたことから、巨額赤字に悩んでいた大手電機メーカーがいくらか回復する兆しを示したとみられています。

最近、増えている米国の「3Dプリンター」革命追従論の記事に戸惑っています

2013年06月16日 | 日記
 最近、機械技術に詳しい方と話すと、話題になるのは「3Dプリンター」関係の技術のことです。具体的な事実関係が分からない点があるからです。

 多くの報道は、米国が3Dプリンターを用いた「デジタル産業革命」を進めているから、日本も後れをとってはならないという論調が底流にあり、混乱させています。米国の製造業と日本の製造業の企業群の構造も蓄積した技術も異なり、単純な思考による追従論は危険です。

 2013年6月16日に発行された日本経済新聞紙の朝刊一面のトップ記事は「家電量産に3D印刷機 パナソニック コスト3割減」という3Dプリンター関係の記事が掲載されています。Webサイトの電子版では見出しが異なっています。



 この記事によると、プラスチック部品の製造に必要な金型を3Dプリンターでつくると、生産コストが3割程度削減すると報じています。

 この記事では金属製の“金型”は通常、「1カ月程度の期間」がかかるのを半分に短縮できるので金型作製費用が安くなり、さらにプラスチック部品のコストが安くなるよう読めるように書いてあります。

 まず、金型と一言でいっても、金属のプレス加工用や鍛造加工用の金型と樹脂の射出成形用金型では、一般に作製期間とコストが異なり、きちんとした比較になっていません。例えば「自動車」と一言でいっても、原付スクーターと大型トレーラーを一緒に論じるような乱暴なものです。

 この記事で一番分からない部分は「金属の粉を溶かしたうえで固めて金型にする」という文章です。この金属製の金型を「3Dプリンター」でどうやってつくるかが、機械技術に詳しい方と話すといつも話題になります。

 この記事の文章をそのまま読むと、金属粉と樹脂バインダーを混ぜたものを3Dプリンターで積層し、高温にして金属粉を焼結させます。樹脂バインダーは高温にして気化させて除去します。この樹脂バインダーの除去はそれなりのノウハウがあり、時間がかかります。この時間は、金型を通常の切削加工でつくる時の時間と比較する必要があります。

 さらに、金属の焼結体は表面に細かい穴が開いており、これをどう埋めるのか、その仕上げ加工をどうするのかが記事には書かれていません。この仕上げ加工の度合いを許容するプラスチック部品にしか適用できないのが現状です。

 一番の問題点は、パナソニックが今回の手法で生産するプラスチック部品の個数が不明なことです。同じ仕様で、当該プラスチック部品をいくつつくるかが部品の製造コストを決めるからです。安くなるものもあれば、高くなるものもあり、一概には製造コストを計算できません。

 この記事には、プラスチック部品の冷却を速くする金型構造を簡単に作製できるとの文章があります。金型構造を最適化ができる点は「3Dプリンター」の利点ですが、コスト削減とは目指す目標が異なります。この使い方は日本では10年前からありました。

 前提条件があいまいなままで、コストの比較論はできないのですが、今回の日本経済新聞紙の一面の見出しをみると、多くの方は「3Dプリンター」を使うことはイコール低コスト化と考えるようになりそうです。

 同様に6月16日に発行された朝日新聞紙朝刊の中面にある「米発 3Dプリンター革命」は、米国が官民挙げて3Dプリンター革命を進めているから、日本も遅れてはならないという内容の記事で、部品製造の前提条件があいまいなままでの追従論です。

 最近、機械技術に詳しい方と話すと、「3Dプリンター」の盲目追従論を進めるテレビや新聞新の記事の危険性が話題になります。もちろん、「3Dプリンター」をうまく適用できる試作品や嗜好品はかなりあると思います。部品製造の前提条件となる部品仕様を比較する議論が必要です。

さいたま市桜区下大久保の“大久保農耕地”では、オオヨシキリが鳴いています

2013年06月15日 | 季節の移ろい
 さいたま市桜区下大久保の荒川沿いに広がっている通称“大久保農耕地”は田植えされた稲が青々と育ち、田圃(たんぼ)らしい風景が広がっています。

 見渡す限りの田圃の中に、理由は分からないのですが、一部にだけヨシ(アシ)が育っている草原が残っています。ヨシは人間の背丈を超え、3メートル近い高さに育っています。



 そのヨシが密生した中から、けたたましい野鳥の鳴き声があちこちから聞こえます。夏鳥として日本に飛来したオオヨシキリの鳴き声です。





 オオヨシキリは、ヨシの上部に留まって鳴いています。



 稲が育っている田圃の中には、カラスが所々に点々と留まっています。カルガモと思われるカモも所々にいます。

 田圃の中に、小柄なアオサギが1羽いて、ゆっくりと歩きながらエサを探しています。





 小柄なのは今春に生まれた若ドリなのかもしれません。

 本当は田圃の中に、シギ系の野鳥がいないか探したのですが、見つけられませんでした。

 大久保農耕地の土手の上に、野鳥観察愛好家の一群がいたので「どんな野鳥を探しているのですか」と伺うと、「アジサシを探している」とのお答えでした。

  静かさに満ちた田圃の中をよくみると、いろいろな野鳥が隠れています。