ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

注目を集めている台湾のHon Hai(鴻海)グループについて調べてみました

2012年05月26日 | イノベーション
 昨日のブログで「シャープの液晶生産会社のSDPは、シャープが2012年3月27日に、台湾のHon Hai(鴻海)グループとの業務提携をすると発表したことで注目を集めている企業です。具体的には、Hon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)のCEOであるTerry Gou(郭台銘)さんが、SDPの全株式の中の、シャープ保有分(92.96%)の半分に当たる46.48%を取得することを明らかにしています」とお伝えしました。

 このHon Hai(鴻海)グループのHon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)とはどんな企業なのかを簡単に調べてみました。混乱しやすいのは“FOXCONN”(漢字表記は富士康)という表現も併記して使われていることです。

 昨日もご説明したようにHon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)は、米国のアップル社などの製品「iPad」「iPhone」などの生産を引き受けている、台湾に本社を持つ世界最大のEMS(Electronics Manufacturing Service)企業です。EMSは日本語の表記としはは「相手先ブランドによる製品の製造を請け負う企業」ということになります。

 Hon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)の本社は台湾にありますが、EMSの生産工場は中国やインド、ブラジル、ベトナムなど、従業者の賃金が安い国で展開されています。現時点では、中国にEMSの生産工場の生産能力の80~90%があるとみられています。製品生産を請け負う時に、「FOXCONN」という“ブランド名”を前面に出しているために、Hon Hai Precision Industry=FOXCONNというイメージになっているようです。



 Hon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)は、どの企業から製品生産を請け負っているのか公表していないそうです。以下は、類推です。米国インテル社とAMD社のパソコン用マザーボード、米国ヒューレット・パッカード社のインクジェット・プリンター、米国アップルの「iPod」「iPhone」などと、みられています。日本企業では、ソニーの液晶テレビ「ブラビア」や「プレイステーション3」などと類推されています。

 創業は1974年で、日本の電機メーカー向けにテレビのコネクターなどの部品製造事業から成長し始めました。1980年代から米国インテル社のパソコン用マザーボードの生産を請け負い、急成長します。1993年に中国に進出し、EMS向けの生産工場をつくります。

 急成長したカギは、日本企業から金型を生産する設備を買い付けたのを契機に、電気メッキ部門やプレス工場などを相次いで設立し、生産技術の蓄積に努めたことです。これが「大量生産、安価」路線を実現させました。

 CEOの郭台銘さんはHon Hai Precision Industry(鴻海精密工業)の企業文化を
 1.勤勉である 2.責任感がある 3.力を合わせ、リソースを分かち合う 4.貢献に見合ったリターンがある

 と解説しています。これが本当ならば、当面、快進撃が続きそうです。